ホルテンさんのはじめての冒険 [映画【は行】]
ノルウエ―映画。近所の小さい映画館の会員無料券で鑑賞。
ヨーロッパ映画特有のゆったりとした時間が流れる映画でした。なのでかなり観る人は選びます。米映画の次から次へと起こる事件や災害や宇宙人の侵略・・・が好きな方は絶対眠ってしまうので観ないでね。(^.^; あ、鉄道マニアなら観てもいいです。
オット・ホルテン(ボード・オーヴェ)67歳。ノルウェーの首都オスロと第2の都市ベルゲンを結ぶ“ベルゲン急行”の運転士。
勤続40年で真面目で実直な彼も遂に明日は定年退職の日を迎えることに。定年の前日には仲間たちにその功績をたたえられ、賞までもらって夜まで騒ぐことになっただがその二次会でドアのシステムの故障で会場に入れず、工事用の非常階段から友人の部屋に向かう途中、ハプニングに。
翌朝、急いで?職場に向かうも“人生最後”の電車は出発した後・・・・そして“人生初”の遅刻に戸惑うホルテンさんはそのまま職場から逃走!?職場に行けないホルテンさんはそこからどうするのか。
原題は『 O' HORTEN 』 2008年度アカデミー賞外国語映画賞のノルウェー代表作品に選ばれたことでも注目が集まった作品。『人生に乾杯』以上に出演者の平均年齢高いです。若い人はでてきませんね。
ホンテンさんが運転するオスロからトンネルを抜けると白い雪の世界が広がって、そこを空から列車が走る風景が映し出され素敵です。オスロは雨なのにベルゲンは大雪。気候がとても違うんですね。ホルテンさんは独身だと思うんですけど、家には青いインコと壁を飾るお皿や簡素なインテリア。ソファも普通なんですけど、とってもシンプルでいいです、私は欧州映画では部屋のインテリアを観るのが好きです。
職場から逃げ出したホルテンさんがやったことは、施設に入院している母のところに行くこと。母はもと女性スキージャンパーだが今は痴呆が進んでいるのか会話もままならない。次に今まで大切にしていたボートを売ることにするが友人の働く空港では麻薬犬が反応、お尻まで検査される。
新しいパイプを買いに行けばそこでマッチを買ったけどどこに持っているかを忘れる老人に会い、懇意にしていたパイプ屋の主人の死を知り、道に倒れている老人を助けることに。厄介なことからは逃げていたホルテンさんに小さな出会いが巧妙に重なってゆき、心の氷が少しずつ解けるように変わっていくのがわかります。
逃げ出した職場の制服を着て、職業を聞かれても運転手と答えるホルテンさん。この小さな旅の終わり、私服に着替えたホルテンさんを観た時には暖かい涙が流れました。
大きな事件は全く起こらず、眠くなるような心地よいテンポ。欧州映画独特の予想がつかない展開。街中が凍るオスロ、歩けないくらい凍った道をスーツの紳士が道を座ったままお尻で滑って通り過ぎていくことに笑い、車道に倒れていた老人が眼隠しで運転する助手席に座らせられるホルテンさん。
「人生は後悔の連続、でも裏返せばいつからでも始められる」「旅はここで終わるんじゃない」など、重みがある台詞が心を打ちます。
少し休んで明日を考えたい方に観ていただきたい映画でした。今からでも大丈夫、私たちは飛べるはず。 ★★★★
ノルウエ―でも日本のウイスキーを呑みながら日産の車の話をしてることに世界は繋がっているんだなって。スキージャンプの国ノルウエ―でも女性はジャンプは認められなかったとのこと。そんなこともこの映画に監督の想いが込められていました。女性ジャンパーだったであろう監督の母に捧げられら作品のようです。
監督;ベント・ハーメル「キッチン・ストーリー」「酔いどれ詩人になるまえに」
こんにちは。
この作品、観たいと思いつつ見逃してしまいました(^^ゞ
やっぱり良ささそうですね~!
“いつか機会があったら観たい映画”リストに入れておきます☆
by non_0101 (2009-09-06 19:51)
non_0101さん、こんにちは。
niceとコメントありがとうございます。
私も無料券で観たんですが (^・^;
欧州映画ってのどかでひねりがあってちょっと可笑しくて好きです。
この映画は出てくる人ほとんどが年配の方々。
後半に出会う老人(凍った道に倒れてた)の言葉は重みがありました。
この老人の運命も予想外の展開でした。
DVDでいつか観てくださいね。
by キキ (2009-09-08 00:05)