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モネ・ゲーム [映画【ま行】]

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2011年制作の「モネ・ゲーム」。
2年前に観たいと思いつつ見逃していたんですけど、先々月の8月末にドイツ旅行に行くANAの飛行機の中で鑑賞することが出来ました。

『英国王のスピーチ(2010)』でアカデミー主演男優賞のコリン・ファースとキャメロン・ディアスの共演とだけ知っていたんですけどここまで思いきりのいいコメディだとは思いませんでした。
元々は1966年のシャリー・マックレーン主演の犯罪コメディー『泥棒貴族』をリメイクしたものでリメイクの脚本はコーエン兄弟です。
出演も脚本もビッグネームばかりじゃない?

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場所はイギリス。
コリン・フアース演じる美術評論家はとっても意地悪な雇い主の大富豪アラン・リックマン(ハリ・ポタのスネイプ先生よ。意地悪な役がお上手です。)に腹を立てています。
積年の恨みでどうにかして彼に一泡吹かせたいと考えるコリン。
贋作の名人の友人にアランが欲しがりそうなモネの名画〝積わら”の偽物を描かせます。

 
〝積わら”はモネが好んで描いたテーマで収穫後の畑に積まれた干し草です。
朝や夕方、季節、天候を変えてモネが何枚も描いているので個人が所蔵しているものが発見されてもおかしくないって事でしょう。そして偽物も多いようです。
こんな絵ですけど↓↓↓(注;これは参考の本物でシカゴ美術館所蔵です)絵画収集家の憧れの作品ってとこかな。

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コリンは次にアメリカに飛び、西部のカウガール・キャメロンに高額な報酬と引き換えに詐欺の仲間になってほしいと頼みイギリスに連れてきます。

アランは既に積わらを1枚所蔵しているので「モネの名作〝積わら”の本物をアメリカで見つけました、対になるように購入されたらどうですか。」と報告してここで絵の持ち主であるキャメロンが登場。
アランに贋作を売りつけがっぽり大金をせしめる・・・そんな簡単な計画だったんですけど何故かコリンの思うようには進んでいきません。

実はアランはコリンに愛想を尽かしていて(『ラブリーボーン』で犯罪者役やってた)スタンリー・トゥッチを連れてきて、「ドイツの美術館館長で優秀な評論家を雇うからお前はクビだ。〝積わら”なんかいらん。」というバッサリ。

復讐どころかいきなりクビにされちゃったコリン。
アランは可愛くて機転の利くテキサス娘のキャメロンの事はすっかり気に入ってしまって彼女とは一緒に仕事をしたい様子です。困るキャメロン。
そこに日本人の怪しい集団が仕事の取引相手にやってきて変な連中にアランは苦い顔。

すっかり計画がが狂ってしまったコリンはケチが続きます。
一流ホテルでズボンが脱げて逃げ回るなどあまりの情けない姿に大笑いです。
でも英国王だってこなしちゃうコリンです。スーツの下にパンツだけでも上品さはあるような。

さてさてコリンはアランに絵を売りつけて復讐出来るのか。

日本人を小馬鹿にした演出があるけど最後まで観ると実はね・・・狙っていたのはこっちの方なんだよっていう大どんでん返しがありますから我慢です。
でも日本人って集団で歩いて英語は喋れないし常識知らずに見られてるんでしょうね。
キャメロンのキュートなビキニ姿、アランのちょっと見たくない椅子にふんぞり返った裸姿、コリンの上品なパンツ姿などがおのおの拝めます。
ビール片手に軽いノリでDVDでご覧になってください。

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この映画私はとっても面白かったんですけど、ドイツ旅行の最終日ケルン大聖堂のすぐ近くにある「ヴァルラーフ・リヒャルツ美術館」に偶然行ったらびっくり。
なんと映画に出てくるモネの〝積わら”の1枚が展示されているじゃないですか。
ANAさん、ありがとう。いい仕事してますね。
ついでに解説に一筆この美術館にも所蔵がありますよって書いてくれたらいいのに。
そんな訳で私は帰りの飛行機でももう一回鑑賞し直してしました。
スタンリー・トゥッチが「自分はケルンの美術館長だった」と自己紹介してたのでやっぱりそうか~ってそこで笑えました。

 監督:マイケル・ホフマン 2011年アメリカ映画


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コメント 5

coco030705

こんばんは。
コーエン兄弟、さすがですよね。名優たちをこんなに扱えるなんて、すごい!でもコリン・ファースって結構こういうの好きなんだなと思いました。それにアラン・リックマンとキャメロン・ディアスもきっと楽しんで演じてたんでしょうね。
モネの「積わら」の本物をケルンでご覧になったんですね。いいなあ、私はモネがすきなのでうらやましいです。
by coco030705 (2013-10-07 00:05) 

キキ

coco030705さん、こんにちは。
偶然「積わら」を観たときはびっくりでした。
でも積わらは大阪の美術展でも観た記憶があって調べたら何枚もモネは描いていたんですね。
贋作のテーマになるのも納得で、実際にこの館に所蔵されている別の絵に贋作があったらしいです。
しかも突き止めたのは所蔵の美術館なんだとか。
そんな裏話がわかるとこの映画がさらに面白く感じてしまします。
もちろん名優のコミカルな演技もさすがです。

ケルンの美術館はとっても素晴らしく、モネは睡蓮もありましたし、ゴッホの跳ね橋やルノアール、マネ、レンブラントなどが普通に掛けられていて1日いても良いくらい楽しかったです。

by キキ (2013-10-11 07:51) 

キキ

月夜のうずのしゅげさん、niceありがとうございます。
by キキ (2013-10-11 07:53) 

non_0101

こんばんは。
この作品、つい見逃してしまっています。
気軽に見るには楽しそうですね~
それにしても、映画と同じ絵を偶然にも見られるなんて!
楽しさ倍増ですね☆
by non_0101 (2013-10-13 20:54) 

キキ

non_0101さん、こんにちは。
他にも数本観たのですが、一番面白かったです。
お暇な時にレンタルしてみてくださいね。
ラストは騙されちゃいました。
美術館のモネはとってもラッキーでした。

by キキ (2013-10-14 01:48) 

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