そして父になる [映画【さ行】]
カンヌ国際映画祭の審査員賞受賞で話題になった是枝裕和監督の『そして父になる』を観ました。
公開して一か月近いのですが思った以上に混んでいました。
野々宮良多(福山雅治)は仕事第一のサラリーマン。
専業主婦の妻みどり(尾野真千子)に来年から小学生になる6歳の息子・慶多(二宮慶多)を任せっきりだ。
慶多の小学校受験が済んだ頃、息子が産まれた病院から重大な知らせがあると呼び出しが入る。
それは、「息子さんは産まれた時に取り違えられていました」という驚く内容だった。
取り違えられたもう一組の家族、斎木雄大(リリー・フランキー)・ゆかり(真木よう子)と病院を通じて対面し、「子どもの将来のために結論を急いだ方がいい」という病院の提案で交流を始る。
今まで育ててきた息子が他人と知らされ、血縁を取るべきかを悩む良多だった。
是枝監督の映画は2004年の『誰も知らない』以来の鑑賞でした。
主演の柳楽優弥くんが14歳で度カンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞し話題になったこの映画は、母親が父親の違う子供を次々に産んで籍にも入れず、籍が無いため学校にもいかぜず、子供の存在すら隠して育て、そのうちに子供たちを置き去りにして恋人と暮らすために失踪、長男が弟や妹を世話をしていくうちに悲劇的な結果が訪れるという巣鴨子供置き去り事件という実際に起こった事件を映画化した衝撃的な内容でした。
『誰も…』は本当に驚く内容だったのですが今回も親子がテーマ。
良多の父親としての葛藤を中心にお話は進んでいきます。
良多は仕事で社会に認められてそれなりの収入を妻子に与えることで幸せを実感しています。
よくいますよね、こういうタイプ。ちょっと昔のお父さんみたい。
仕事で忙しいので子供の事は全部奥さんに任せてます。
だから奥さんに「お前は今までわからなかったのか?」なんて平気で言えちゃうんです。
そしてお金で息子を二人とも引き取ろうとして相手に驚かれてしまう嫌な男です。
一方、リリーパパは子供と一緒に遊んだりお風呂に入ったりと福山パパとは対照的な父親として描かれています。電気屋ごときじゃ子供は幸せには出来ないよと良多には下に見られています。
そして当時悪意で両家の赤ちゃんをすり替えた看護師の(時効で罪に問われず)複雑な家庭事情、良多自身の父親とのうまくいかなかった子供のころの関係やトラウマなどがそれぞれきっちり描かれているので感情移入出来てわかりやすいです。
一方今まで育んだ愛情を選びたい母親みどり。
結局良多は悩んだ挙句に子供を交換する事を決めます。
その理由を「10年後にはわかる」と息子たちに説明しないのが気になりました。
子供だからわかんないだろうじゃダメだと思うけどな。
自分だったらどうするのか、とか自分が子供の立場ならどうしてほしいのかとか。
二人の息子たちがそれぞれ幸せに育っていただけに大人に振り回されるのが可愛そうに思えます。
ラストがきてもその後を考えさせられる映画でした。
観た人にはそれぞれの受け取り方がありそうです。
★★★★
妻みどりの母親に樹木希林、良多の父親に今年5月に亡くなった夏八木勲。脇にも名優揃いですね。
こんにちは。
これは注目の映画ですね。友人と観る約束をしています。
福山雅治がイメージとは違う嫌な父親役ということも注目に値しますね。リリー・フランキーは達者な役者ですよね。こういういい人もやれるし、悪役もやれる。飄々とした感じが、監督としては色々な役柄にあてはめやすのでしょうか。観るのを楽しみにしています。
by coco030705 (2013-11-01 18:13)
makimakiさん、niceありがとうございます。
by キキ (2013-11-02 14:11)
ゆきママさん、niceありがとうございます。
by キキ (2013-11-02 14:11)
月夜のうずのしゅげさん、niceありがとうございます。
by キキ (2013-11-02 14:13)
coco03705さん、こんにちは。
福山さん、独身ですがお父さん役いい感じでした。
リリーさんも独身なんですよね、確か。
重いテーマですが是枝監督は子役の演出が上手いですね。
by キキ (2013-11-02 14:17)
こんにちは。
いい映画でしたね~
また、こういう作品が世界に認められてヒットするっていいなあと思います。
本当に映画の後も気になる物語でした☆
by non_0101 (2013-11-04 19:35)
non_0101さん、こんにちは。
公開してしばらくしてから鑑賞したのですがとっても混んでいました。
沢山の人が観に行かれたんじゃないでしょうか。
普段映画を観ない方も観たくなる映画ですよね。
by キキ (2013-11-05 22:54)