かぐや姫の物語 [映画【か行】]
高畑勲監督によるスタジオジブリの最新作です。
高畑監督作品は「ホーホケキョとなりの山田くん」(1999)以来14年ぶりです。
原作は日本最古の物語といわれる「竹取物語」。
宮崎監督作品の「風立ちぬ」時から劇場では公開に向けて予告が入っていましたが(本来は「風立ちぬ」と同日公開を目指していたようです)11月23日に公開されました。
とても気になっていたのですがやっと1か月後のこの連休に見ることが出来ました。
なんと製作期間は8年、製作費は50億円です。
予告はかぐや姫と思しき姫がものすごい形相で着物を脱ぎ捨て走って走って、転んでは走る姿が映し出されます。
なぜ姫が疾走するの?
そこに姫が犯した罪と罰とは?なんて印象的なキャッチコピーを言われたら気になっちゃいますよね。
それにしても動きが速いのにまるで筆の手書きで描かれたような荒い絵。
古いけど新しい感じがしてすごいですね。
鑑賞後考えたのは「竹取物語」というよりいい意味での「日本昔話」だったなあということ。
物語の初めにはとても懐かしい風景が広がっていました。
物語は姫の視点で進んでゆき、自分の意思を持っていて嫌なものはイヤという女の子に描かれていました。
あ、もともとかぐや姫はそんな姫ですね。そう考えたら現代的なヒロインなのかな。
違うのは高畑流のかぐや姫では5人の求婚者たちをことごとく断るのも月にやがて帰るからって理由じゃなくて、初恋のお兄ちゃんが心の中にいたから。
姫は虫や鳥や動物たちのように生きることを夢見て下界に来たのに、育ての親の翁は貴婦人のような生活を姫に与えてあげたくて。姫を大疾走させる原因になっちゃうけど(夢オチですが)親と娘の想いはいつの世も違うのね・・・。
姫を愛してやまない翁の声を担当していたのは地井武男さんでした。
高畑監督は作画完成前に声を先行して収録するプリレコーディング(prerecording)、その略であるプリレコとも呼ばれる手法を採用していたので公開時には既に故人だった地井さんの声を今聞くことが出来ました。
地井さんには遺作となっています。
一部代役として三宅裕司さんが翁の声を演じていらっしゃるようです。
他の声優さんたちも俳優さんが演じているので演じている俳優さんに似た作画になっているようです。
特に伊集院光さん演じる阿部右大臣はそっくりです。
個人的にお気に入りなのは田畑知子さん演じるかぐや姫のお付きの侍女・女童。とてもかわいい。
それとかなり気になったのは姫の最後の求婚者である御門のあごがとても、長い。
これは中村七之助さんのイメージなんでしょうかね。(笑)
竹取物語で語られる不死の薬のくだりはありませんでした。
御門が不死の薬を燃やしたその山が富士山と呼ばれることとなったという・・・。
姫の罪と罰とは何か。
地上に憧れることが罪、地上に下されたのが罰なのかと考えつつエンドロールを見つめました。
天上のお迎えの人が仏様の姿で描かれていました。
答えの出ない物語、そこがいいのかも。
高畑監督でないとみせてもらえない世界が広がる映画でした。 ★★★★
月夜のうずのしゅげさん、niceありがとうございます。
by キキ (2013-12-30 20:44)
non_0101さん、niceありがとうございます。
by キキ (2014-01-01 23:05)
華さん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2014-01-13 18:30)
あゆこさん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2014-03-22 13:02)