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ブルージャスミン [映画【は行】]

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ウディ・アレンの脚本・監督作品です。
主演のケイト・ブランシェットが本年度のアカデミー主演女優賞を受賞しています。

最近はロンドン、パリ、バルセロナ、ローマなどヨーロッパが多かったウディ・アレン監督ですが今回はアメリカが舞台。
主人公のジャスミンは監督の熱いラブコールでケイト・ブランシェットが演じています。

ケイトと言えば思い出されるのは「エリザベス」「エリザベス:ゴールデン・エイジ」でのエリザベス女王役、「ロード・オブ・ザ・リング」のエルフ族の王妃ガラドリエル役ですよね。
上品で輝くような美しさ、そして抜群の演技力を見込まれこの映画に抜擢されたと思われます。

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主人公・ジャスミンは貧しい環境で育ちますが大学生の時に知り合ったハンサムでお金持ちの実業家ハル(アレック・ボールドウィン)と結婚します。
その後優秀な息子も生まれ、ニューヨークで幸せなセレブ生活を送っているのですが、超お金持ちの旦那がやっていたのは実は詐欺商法。
大勢の女性と浮気もしているのですがジャスミンは見て見ぬふり、お金持ちの生活にしか興味がないのです。

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でもある日、夫ハルが警察に捕まってしまって資産は没収、その後ハルは牢獄で首つり自殺してしまいます。
息子も去り、ジャスミンは夫も息子もお金も住む家も失ってしまいます。

そんな時に声をかけてくれたのが妹のジンジャー(サリー・ホーキンス)でした。
ジンジャーは血のつながらないジャスミンの妹です。
子供のころに同じ家で里子同士で育ったジンジャーですが、実はジャスミンの夫に財産を投資したばかりに無一文にされた被害者でもありました。
無一文になった挙句夫とも離婚しスーパーで働いて子供を育てながらつつましい生活しているジンジャーなのですが、姉に一緒に住もうと申し出るのです。

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そのジンジャーの住むサンフランシスコにジャスミンがやってくるところからこの映画が始まります。

姉を恨むわけでもなく、むしろ貧乏になった姉に同情するジンジャーにジャスミンは「負け犬」といいます。
「変な男とばかりと付き合ってこんな貧乏生活をしてるのね」、と。

借金だらけになってもプライドだけは捨てられない姉のニューヨークからの飛行機はファーストクラス、鞄はヴィトン、服もブランドで固めていることに驚くジンジャー。
二人の姉妹の性格や考え方の違いがこの映画を面白くしています。

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やがて再生をするためにインテリアコーディネーターの資格でも取ろうと考えるジャスミン、そんな時に一人の男に出会います。
政治家を志す素敵な男性ドワイト(ピーター・サースガード)です。
彼に尋ねられた時、自分の身の上話を都合のいい嘘で話してしまうジャスミン。
ドワイドは優雅(に見える)なジャスミンにたちまち夢中になって婚約まで話は進むのですが嘘はひょんなところからバレてしまい、やがてジャスミンが隠す大きな秘密も私たちに知らされていくのです。

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ウディ・アレン監督の映画は私には合わない映画も多くて、大絶賛された『ミッドナイト・イン・パリ』では大爆睡、レビューも書けなかったので観るのを悩みましたけど今回は大当たり。
ここ最近のウディ・アレン映画ではこの映画が一番ガツンときました。
女性だから解るジャスミンの打算とか嘘とか・・・観てて心が痛くなってきます。
でもね、ここまでではなくても思い当たるお話が身近にあるんじゃないかしら。
それに男性というのはやっぱり綺麗な女性が好きなんだなってことも考えますね。
美しいジャスミンに言い寄る男は多いですがジャスミンが相手にするのは夫以上の男じゃないとダメなんですけど。 

この映画の主人公は実在の金融詐欺事件で逮捕された実業家の妻をモデルにしたとか、舞台「欲望という名の電車」を下敷きにしてると言われているようですが監督本人のインタビューによると監督の妻のスン=イー・プレヴィンが教えてくれたマンハッタンの裕福な住民が転落して仕事を探さねばならなかったというエピソードを元にしていると語っています。
監督が言いたかったのは自身の言葉を借りると〝人は間違いを犯すし、それは皆に共通している。人は皆、自分の子供たちや夫、妻に対して、ささいなことで始終間違いをおかすんだよ”ということ。

ウディ・アレン監督の私生活とアカデミー賞授賞式前に起こったスキャンダル(養子だった女性に訴えられた)を考えるとこの言葉は沁みてきます。

セレブ生活の過去がフラッシュバックの様に脳裏に現れて精神が病んでしまっている、そんなジャスミンを見事に演じたケイト・ブランシェット。特に女性に観てもらいたい映画でした。
上映館が少ないのですけど。    ★★★★★

  予告編もどうぞ。


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コメント 13

キキ

makimakiさん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2014-05-18 21:47) 

キキ

ネオ・アッキーさん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2014-05-23 18:42) 

のらん

あっ、この映画は、ここんとこスカパーの映画チャンネルで
予告編が流れてて、ぜひ観たい作品ですよ(^.^)
・・・って、私の場合、スカパー放映待ちってことなんですけど(汗)
予告編を観ているだけで、ケイトの体当たり演技が楽しみですよね♪
by のらん (2014-05-24 15:29) 

キキ

のらんさん、こんにちは。
すごいですね、スカパー♪♪
今上映中なのですがすでに放映決定なのですね。
放映されたら是非ご覧になってください。^.^
by キキ (2014-05-25 09:19) 

キキ

non0101さん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2014-05-25 09:44) 

キキ

月夜のうずのしゅげさん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2014-05-25 14:10) 

キキ

くらいふさん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2014-05-29 19:11) 

キキ

たかしさん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2014-05-31 19:42) 

キキ

げいなうさん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2014-05-31 19:45) 

coco030705

こんばんは。
やっと観てきました。ウディ・アレンの悲劇話、おもしろかったですね~!
ステーションシネマで観てきましたが、女性客が多かったですよ。もう終わりに近づいてますが。
やはりケイト・ブランシェットのうまさが光りますね♡ すごい女優さんですね。ジャスミンになりきってました。
アレン作品は脇役が豪華ですね。常連のアレック・ボールドウィン、カッコいい♪ ピーター・サースガード、あんなにハンサムでしたっけ?演技派ですね。他のあまり名前も知らない俳優さんも皆、うまいですね。
ジャスミンは意外と繊細なんですね。ジンジャーのほうが現実的でしたたか。この姉妹の生き方の違いがおもしろかったです。TBさせていただきますね。
by coco030705 (2014-06-05 21:57) 

キキ

coco030705さん、こんにちは。
niceとTBありがとうございます。
ケイト・ブランシェットの演技、良かったですね。
「ゼロ・グラビティ」のサンドラ・ブロックも殆ど一人芝居ですごいなあって思っていたんですがアカデミー賞主演女優賞も納得の演技でした。

by キキ (2014-06-07 11:03) 

non_0101

こんにちは。
ようやく観て来ました!
さすがはウディ・アレン監督、そしてケイト・ブランシェットでしたね~
ストーリーと演技に引き込まれました。
そして、衝撃の真実には驚かされました。
よく、宣伝文句で言われている“衝撃のラスト”よりもビックリした気がします。
この作品、男性が観たらより怖いかもと思ってしまいました^_^;
by non_0101 (2014-06-09 00:03) 

キキ

non_0101さん、こんにちは。
ラスト近くまで隠されている衝撃の真実が、
現在と過去を行ったり来たりしながら明かされていくのが
面白かったですね。
ラストはぼろぼろのケイト、びっくりでした。
by キキ (2014-06-09 21:00) 

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