白鯨との闘い [映画【は行】]
予告映像から『ジョーズ』みたいな映画を想像していましたが違います。
お話の中盤に賢い白鯨が出てきて人間は一方的にやられてしまいます。
映画の原題は「IN THE HEART OF SEA」。
白鯨をタイトルにした邦題は映画館に来てほしいという配信会社の願いからなんでしょうか。
ちょっと騙された感があります。
内容に触れますのでこれからご覧になる方は読まないでね。
それはまだ石油が無かったころのアメリカのお話。
灯りには鯨の油が使われていました。
捕鯨船の船乗りは巨大な鯨を捕まえてはその油を絞りとり、 鯨油を船にいっぱいにして帰ってきていました。
その時の収穫次第ですが1年で帰れれば早い方、3年くらいは航海をしていたようです。
1950年、駆け出しの小説家メルヴェル(ベン・ウィショー)は1819年に出航して白鯨と戦って沈没したという捕鯨船の生き残りのマシュー(ブレンダン・グリーソン)を訪ねます。
マシューは最初は嫌がりますが、全財産を払うというメルヴェルに当時の様子を話し始めます。
そこから回想となって老人は14歳の少年(トム・ホランド)へかわり、画面には大海原が広がっていきます。
捕鯨船エセックス号は育ちも意見も合わない船長ボラード(ベンジャミン・ウォーカー)と一等航海士チェイス(クリス・ヘムズワース)の不和はありましたが最初の鯨を無事に捕獲します。
歓喜する船員たち。
当時の捕鯨の様子がこれでもかとしっかり描写され、かなり生臭い画像が続きます。
でも次の鯨が見つからないエセックス号、船いっぱいの油にしないと帰れません。
鯨を求めてどんどん陸地から離れた海域に乗り出してしまいます。
ついにマッコウクジラの大群が見つかるのですが、鯨の群れのリーダー白鯨に船を破壊されてしまいます。
船を失くした船員たちは3隻のボートで逃げ出します。
でもそこからの漂流は過酷でした。
長い期間の漂流にはわずかな食料と水では足りず、生き残るためには非常な選択が必要でした。
『ライフ・オブ・パイ』のような漂流シーンが後半は延々と続いて、でも『ライフ…』みたいに都合よくトビウオの大群がやってくるわけではないので、なんでマシューは老人になるまで当時の様子を誰にも話せなかったのか、その真相ががわかっていきます。
死んだ船員の肉を食べ、次はくじで誰かが死んで食料になるかを決める、生き延びるために。
元船員の隠された話を全て聞いた小説家は真実とは違った形で翌年『白鯨』という名作を書き、一方秘密にしてきた事件を誰かに話すことでマシューは過去の罪から解放されるというものでした。
嵐と風、そして襲い掛かる白鯨に船酔いしそうな海の描写、臨場感がありました。
結局、人間は鯨を捕獲しすぎたために鯨がいなくなり、遠くまで出かけたら頭の良い白鯨に返り討ちに合ってしまった・・・。
そんな皮肉にも受け取れる内容でもあります。
やがて石油が見つかり捕鯨の時代は幕は下を下すという時代の変わり目でもありました。
一等航海士役のクリス・ヘムズワースは『マイティ・ソー』のソー役ですよね。
かなりマッチョですけど撮影は過酷だったと思います。
ほかの役者さんも豪華で、注目は若きマシューを演じるトム・ホランド。
17年公開の新「スパイダーマン」に抜擢されているということです。
ロン・ハワード監督とクリス・ヘムズワース は『ラッシュ/プライドと友情』でも組んでます。 ★★★☆
おまけ。
こんばんは。
最近は冒険活劇風の映画が多いので、これもそうかと思ってましたが、ぜんぜん違いましたね。後半を観るのはかなり厳しそうですね。
クリス・ヘムワーズはこういう映画に向いているというのか、男っぽいですものね。ベン・ウィショーがメルヴィルなんですね。彼は好きです。上手い役者だと思います。これは骨太は作品ですね。
by coco030705 (2016-01-28 00:44)
ほほう。。。メルヴィルの白鯨・誕生秘話なのですね。
で、いま気づきましたが・・・わたくし、この名作を読んでませんでした(@@;)
(でも、小説では、こうして生き延びた話は書いてないってワケね…)
捕鯨問題で、欧米人たちがやたらと大騒ぎするけれど、こんな歴史があったのね〜
by のらん (2016-01-30 07:27)
coco030705さん、こんにちは。
ベン・ウィショー、先日『パディントン』を観てきましたが
パディントンの声が彼でした。
『007』のQもですけど最近の映画であちこちに名前がありますね。
私も好きな役者さんですけどここにも出演してるんだ、って感じでした。
この映画、前半も鯨の解体がありますので観てるのが苦しい・・・。
後半は漂流でまた苦しい・・・。
by キキ (2016-01-30 10:04)
のらんさん、こんにちは。
私も読んでませんでしたが(@ν@)みちゃいました。
(トムとジェリーの〝白いくじら”なら観たことがあります)
捕鯨問題で非難される日本としては欧米で昔こんなことしてたから
くじらが絶滅の危機に瀕したんじゃないの?とか
油だけ搾り取ってはあとは海に捨ててたのね!とか
ストーリー以外の部分で複雑な気持ちになってしまう映画です。
by キキ (2016-01-30 10:17)
影鯱さん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-01-30 10:18)
コミックンさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-01-30 10:19)
mentaikoさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-01-30 10:19)
宝生富貴さん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-01-30 10:20)
モグラたたきさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-01-30 10:20)
shingekiさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-01-30 10:21)
dougakunenさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-01-30 10:21)
nandenkandenさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-01-30 10:22)
makimakiさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-01-30 10:23)
mangaharaさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-01-30 10:29)
ネオ・アッキーさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-01-30 10:30)
Ujiki.oOさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-01-30 10:30)
漂流以降の展開は予想以上にハードでした(T_T)
トム・ホランド、これからの活躍が楽しみですね☆
by non_0101 (2016-01-31 00:10)
non_0101さん、こんにちは。
「野火」よりハードでした。
アメリカではこけちゃった映画らしいです。
トム・ホランドが観れたのがラッキーな映画でした。
by キキ (2016-02-07 10:06)
ぽんちゃんさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-02-07 10:29)
あゆこさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2016-02-07 14:48)