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リリーのすべて [映画【やらわ】]

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「ヘイトフル・エイト」は観客が男性ばかりだったんですが、この映画の観客は女性ばかり。
そりゃ、英国男子俳優で超人気のエディ・レッドメインが主演ですもんね。

エディ・レッドメインは昨年は「博士と彼女のセオリー」で難病のホーキンス博士を見事に演じてオスカー獲得。
で、今回は世界で初の性転換手術をした男性を演じるなんて・・・攻めてきますよね~。
もう、まったく守りに入っていません。

と、いうのもこの映画の脚本がエディに渡ったのは「レ・ミゼラブル」(12)の頃だったそうです。
この映画も「レ・ミゼラブル」の監督のトム・フーバー監督なんですが、レミゼでマリウスを演じている時に今作の出演を打診されて、脚本を読んですぐにやりたいと伝えて、その後4年経ってますけど途中「博士・・・」でオスカー受賞して、オスカー受賞作の次回作としての公開になったらしいです。

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お話は1926年頃のデンマーク・コペンハーゲン。

画家のアイナー・ベイナー(エディ・レッドメイン)は妻で肖像画家のゲルダ(アシリア・ビカンダー)と暮らしていました。
彼が描くのは物悲しい荒涼とした風景の絵。
画家として認められ人気もあったのですが、妻のゲルダの方は今一つテーマに詰まっていました。

そこでゲルダは夫に人物画のモデルになってもらいます。
夫に女装させて女性の肖像画を描くのです。
そうしているうちにアイナーは自分の中に眠るもう一つの自分に気づいてしまう。
少しづつ少しづつ、妻にも内緒で女性としての時間が増えるアイナー。
やがてアイナーは女として生きたい、本来の性を取り戻したいと願い始めるのです。

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エディ・レッドメインは男性としてはかなり細い方だと思うんですがやっぱり女装したら、ごつい。
口もデカいし肩も広い。
でも所作がどんどん女性になっていきます。

女装させた旦那を連れてパーティに出かけるゲルダ。
「旦那の従姉妹のリリーなの」、と紹介するけどデカすぎない?これバレちゃうでしょ?と、私的にはこんなとこでドキドキ。
でもそれがバレないんだな、不思議に。

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ばれないどころか逆にイケメンたちの熱い視線を感じてドギマギするリリー。

そこで出会ったベン・ウイショー演じるヘンリクにキスをされた時には鼻血がぶわーっと出ちゃうの。
あの瞬間はアイナーが死に、リリーが体に定着した瞬間かと思われます。
悪いもんが出ちゃうと言うのか、もう男には戻れないって感じでしょうか。 

ベン・ウィショー、彼もイケメン英国男子、「007」のQ役でも人気でホントに最近見る映画にはよくよく出てるけど今回も脇役ですごい存在感。
英国イケメン俳優同士のラブシーン、フーバー監督も攻める攻める。

ヘンリクはリリーが女性じゃないって見抜いているのに「貴女はアイナーだよね?」って言ってキスするんですね。
つまりヘンリクはゲイなんですけど、リリーの方は女性としてヘンリクに恋をするんです。

で、その後いろいろあってかなり時間も経ってから女性になる手術をしたのちに、またリリーはヘンリクに会いに行きます。
でも彼はゲイですからね、女性じゃなくて男性が好き。
「え、君、本当の女性になったの?」だって。
うわ、そうきたか。
まったく恋はままならぬものです。

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ところで一方、旦那に「私女になりたい!」と言われた妻はどうしたもんだか。

演じるのは「コードネームU.N.C.L.E」で可愛いヒロインを演じてたアシリア・ビカンダー。
この演技で今年のアカデミー賞助演女優賞を受賞しちゃったんだからすごい。

「コードネーム・・・」で観た時はお人形のように綺麗な女の子だったけど、ここではドンと大きくみえるのが不思議。
やっぱりこのエディ・レッドメインとの夫婦演技合戦に勝ち抜くためには気合がいるんでしょう。

最初は妻は「私が女装させたから?」って驚くんだけど、実は小さい頃からそんなことがあって幼馴染の男の子にキスされたことがあるんだとか告白されちゃうのね。

結果、ゲルダはリリーをモデルにした絵でパリで画家として認められるわけで、逆に夫は全く描けなくなっちゃう。
でも「私は画家になりたいんじゃない、女になりたいの」って言われちゃうとね、元夫の願いをかなえてあげるしかないじゃない。
たとえ夫が男とチューしてるのをみてびっくりポンだったとしてもです。

さて、この時代、リリーのような人は精神病院に入れられちゃうんです。
そこでドイツの医師が性転換手術をやってみない?って言いだします。
でもこれが前例のない手術でもあり命をかけての手術なんですよ。

今すぐ女になりたい、手術したいと自分のことでいっぱいの元夫をガッツリ支える妻、ゲルダのなんと男前なこと。
でも、じゃあ私は?私だって夫が必要なのよってちょっと弱くなる時に流す涙とかもあって、なかなかぐっときてお見事でした。

ラストはかなり切ないです。
80年前の実際にあったことが元になってます。 実物は40代だったらしいのですけど。★★★★


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コメント 6

coco030705

こんばんは。
これもぜひ行こうと思っている作品です。エディ・レッドメインはレ・ミゼラブルのときから注目してました。うまいですよね。アリシアちゃんも好きです。ベン・ウィショーはホモでカミングアウトしてるんですよ。好きですけど。月末くらいに行けたらと思います。

by coco030705 (2016-03-25 23:00) 

キキ

cocoさん、こんにちは。
うわ、そうなんですか、知らなかった~ってことで調べたら
作曲家と同性婚してるって書いてありました。
でも好きですけど。^^
『007スペクター」の主題歌で今回歌曲賞を受賞したサム・スミスも
授賞式で「僕はゲイです、ゲイでもアカデミー賞が受賞出来るんです!」
って喜びを叫んでました。
by キキ (2016-03-27 11:44) 

non_0101

実際はどんな物語なのか何も知らなかったので
ラストの切なさは半端なかったです(T_T)
女性として生まれたかったろうなあ。
せめて21世紀に生まれていたら…☆
by non_0101 (2016-03-27 13:31) 

キキ

non_0101さん、こんにちは。
女性として生まれましたがこの映画をみたらろくに
化粧もせず暮らしているのが申し訳なくなってきます。
エディ・レッドメインの演技、すごかったですね。
次は魔法使いの役ですね~。
by キキ (2016-03-27 22:05) 

キキ

月夜のうずのしゅげさん、こんにちは。
niceをありがとうございました。
by キキ (2016-03-31 00:28) 

キキ

のらんさん、こんにちは。
niceありがとうございました。
by キキ (2016-04-07 19:27) 

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