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しゃぼん玉 [映画【さ行】]

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第115回直木賞受賞の作家、乃南アサさんの小説が原作。
國村隼さんの映画の次は市原悦子さんを観たい!と思い、鑑賞。
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幼い頃に親は離婚、その後はひったくりや傷害事件を繰り返していた青年・伊豆見(林遣都)が宮崎の山奥の村に逃げ込んでくる。

伊豆見は山道を歩いていると偶然バイク事故で道端に投げ出され助けを求めているスマ(市原悦子)と出会い、それが縁で彼女の家に居候をすることとなる。
 
一人暮らしのスマの家の中の引き出しを物色し、お金があれば逃げ出そうと思っている伊豆見。

しかしスマの作る暖かいご飯、熱いお風呂と、今までは味わったことのない心地よい生活に安らぎを覚え始める。

スマの孫と勘違いした村人たちからも暖かく接してもらい、もうすぐ始まるという村祭りの手伝いをするうちに10年ぶりに村に帰ってきたという美和(藤井美菜)とも知り合う。

少し陰りのある美和に好感を持ち仲良くなるうちに、彼女は都会での通り魔事件の被害者であることがわかり、自分が起こしてきた今までの罪の重さを感じ始める伊豆見だった。
 
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婆ちゃんに、自分の親は離婚してその親にも捨てられた過去を話す伊豆見。
きっと自分の親もクズでその親もクズで・・・・だから自分はこんな生き方しか出来ないのだと。

でも実は婆ちゃんにもひとり息子がいて、都会に出ていって離婚していて、時々村に帰ってきては婆ちゃんに金の無心と暴力をふるっていることがわかるんです。

都会に住んでるとスマの息子も伊豆見もクズになり、田舎に住んでる人はみんな純真で優しい、みたいな語られ方にちょっと違和感もあったけど、なんといっても市原悦子さんのあの日本昔話の声で「坊」って呼んでもらったらどんな悪人も改心しそうです。
(あ、でも実の息子は改心しませんでした。)
 
 宮崎の山の村の風景が美しく、方言も優しく、村の婆ちゃんたちが作って持ってくる料理も美味しそう。
平家の落ち武者伝説が残る村なのでエンドロールで村の名前と同じ「椎葉」と「那須」(那須与一の弟が住んだという伝説が残る村らしい、なので末裔!?) さんの名字がかなり並んでいて、村の方の協力もあって出来上がった映画なんだなってこともわかりました。
 
人が正しく生きる為には周りの人からの期待と信頼と、少しの自信なんだなと思った暖かな映画でした。
 
 監督・脚本:東伸児
 
 
 
 

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