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LION/ライオン 〜25年目のただいま〜 [映画【やらわ】]

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実話を元に制作された映画です。

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1986年・インドの貧しい村で暮らす5歳の少年、サルー(サニー・パワール)は大好きな兄と二人で母を助けるために懸命に自分が出来ることで働いています。
それは列車に積まれた石炭を盗んではわずかな牛乳に換えたり、という危険なことまでです。

ある日兄が止めるのもきかず、兄の仕事探しにくっついていった駅で迷子になるサルー。
「ここで待っていろ」と言われたベンチではなく、停車中の 列車の中で眠り込んでしまったのです。
目覚めると無人の列車は3日ほど止まることなく走り続け、家から遠く離れたカルカッタまで来てしまいます。

サルーは家に帰りたいと思いましたが大都市カルカッタでは自分の生まれた村とは言葉が違います。
親切に声をかけてくれる人もいますがでも信じることが出来ずに逃げ出したり、浮浪児が集まった場所では大人に追いかけられることもあり、ごみをあさるような生活の果てに孤児院?のような施設に収容され、そこからオーストリアに養子として渡り、お話はそれから20年後となります。

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成長したサルー(デブ・パデル)は進学して養父母と別れて暮らすことがきっかけで実の家族を探し始めます。
愛してくれる養母(ニコール・キッドマン)にはどうしても実母と会いたいとは言えなかったのでしょう。

友人からGoogleEarthならインドでも探せるんじゃないかとアドバイスされ、わずかな5歳までの記憶を頼りにとりつかれたようにパソコンで探すのですが、自分が憶えていた住所はインドにはありませんでした。

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恋人(ルーニー・マーラ)も出来て、なに不自由もなく今を暮らす主人公サルー。

インドのスラム街よりオーストラリアの生活の方が何倍も幸せじゃないのか?
なぜ昔の家族を憑りつかれたように探すのか?
映画を観る前は誰しもそう思うところなんですけど、前半のサルー少年が育ったインドでのシーンがかなり丁寧に語られているので納得です。

5歳のサルーはいつも「よくやった、お前は偉い」と褒めてくれる兄の事が好きで好きでたまらない。
優しく頼りなさげな母もきっと突然いなくなった息子を今も探し続けているはずだ。
過去の自分や兄の姿がフラッシュバックように蘇ってくるのです。

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アカデミー賞に作品賞、助演男優賞(デブ・パデル)、助演女優賞(ニコール・キッドマン)、脚色賞、撮影賞、作曲賞にノミネート。
受賞は出来なかったんですがニコール・キッドマンの今回の演技は素晴らしかったです。

ニコール・キッドマン自身も養子を迎え、実子もいて、代理母で娘も育てているという環境。
今回は自分の子どもは産まずに不幸なインドの子どもを養子に迎えて幸せを与えるという選択をしたオーストラリア人女性を自然体で演じています。

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デブ・パデルの映画は「スラムドック$ミリオネア」、「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」、「チャッピー」などで観てきましたが、今回の映画で初めてかっこいい♪って思ってしまいました。
インドの方って顔のパーツが大きくて綺麗ですよね。

少年時代を演じた5歳のサニー・パワールくんの演技も素晴らしく、お兄ちゃん役の少年の切ない目も忘れ難く、インドの貧困、孤児の子供を売って生活しているんじゃないかと思われる大人たちもいることなどなど、様々なことを考えさせられてしまいました。 

〝成長した貴方を本当のお母さんにも見せてあげたい。”
ラストに本人映像と「ライオン」というタイトルの真相がわかるのでエンドロールまでご覧になってください。

監督:ガース・ディビス 

 


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