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ブライト・ライツ(アマゾン・プライムビデオでの鑑賞です) [映画【は行】]

2018年の米HBOのドキュメンタリー番組です。


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私はアマゾンプライム会員ですが映画は映画館で、と思っていたのでほとんど利用してなかったんですけど最近は映画館が閉まっているのでクラシック映画を中心に観賞中です。


いろんな映画を検索中に偶然発見。


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2016年の12月末にロサンゼルスで突然の心臓発作で亡くなったキャリー・フィッシャー。享年60歳。


2015年の「スターウォーズ/フォースの覚醒」にレイア姫として30年ぶりの再登場で当時かなり話題になりましたよね。


スターウォーズシリーズの7作目、主人公はレイに替わっていますがレジスタンスを率いて戦う将軍の役でした。


彼女の死のニュースは再注目されたそんな時だったからこそ驚きでしたが、もっと驚いたのは次の日に彼女の母、デビー・レイノルズも亡くなってしまったというニュース。(享年84歳。)


そのニュースでデビー・レイノルズが「雨に唄えば」のヒロインだったことも私は全く知らなかったので三度目のびっくり。

二人はどんな母子だったのか興味が湧きましたけど知るすべもなく。


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そんな疑問が一気に解決される二人の亡くなる少し前の様子を中心に描かれるドキュメンタリーです。

きっと私と同じで二人のことが知りたいと思った人は多かったはず。


キャリーは若いころから薬物依存症でそのせいで母デビーと疎遠だった時期もあったようで(当時の自伝が映画にもなってます)でもこの晩年のドキュメンタリーではお隣同士に住んでいて二人の関係はかなり良好です。


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女優であることが大好きで80歳を過ぎてもなおステージに立ち続ける母を支える良き娘、そして彼女自身もスターウォーズに出演するためにトレーニングをする姿。そして彼女を捨てていった父の姿も。


母は具合が悪くなることもしばしば、自分の足で立つことも難しい日も多く、でもステージに立てばしっかりとした足取りでジョークも交えながらのショーをこなしていきますが裏で支える娘の存在は大きい。


2015年に長年の功績をたたえられ2015年に米映画俳優組合から栄誉賞を与えられるデビー、式典で母に賞を手渡すプレゼンターにはキャリー。幸せの絶頂の瞬間だったのではないでしょうか。




その後姉と母を同時に失ったキャリーの弟、トッド・フィッシャーが語った言葉「キャリーの急死のストレスが母には耐えられなかったのだと思う」がすべてを語る二人のドキュメンタリーでした。



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バーフバリ 王の凱旋 [映画【は行】]

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今年はどうしても観たかったこのインド映画でスタート!


『バーフバリ 王の凱旋』は2部作の後編。
インドでNO.1の興行成績となった大ヒット映画『バーフバリ 伝説誕生』の続編です。


しまった、前編を観ていないぞ…でも大丈夫。
私も観ていなかったけど、前編を5分で振り返るおさらいが流れるので安心ですよ。
(この一番最後に画像張りました)
でもレンタル等で予習していたらさらに楽しめそうですね。


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いろんな意味で濃すぎ!


ストーリーをとても簡単にいうと…遠い昔のインド・マヒシュマティ王国。
辺境の村で育った青年シヴドゥ(プラバース)は、偶然知り合った者たちに自分と本当の両親の過去を聞かされます。
実はシヴドゥは王子マヘンドラ・バーフバリであり、25年前から今も幽閉されている母がいること。


幽閉しているのは現王の暴君バラーラデーバ(ラーナ・ダッグバーティ)。


そしてバラーラデーバはシヴドゥの父であるアマレンドラ・バーフバリを殺していました。


バラーラディーバとアマレンドラは兄弟で、どちらかが次期の王位につくこととなっていたのですが国母が指名したのは弟アマレンドラの方。
怒りに燃えた兄バラーラディーバが策略をめぐらし弟も国母も殺していました。


その後、王となったバラーラディーバは悪政を続けています。
そんなバラーラディーバを倒すため、シヴドゥはバーフバリとなって立ち上がる!
父の敵を討ち王国を取り戻すために。
戦士バーフバリはバラーラディーバに挑んでいくのです…が、それはラスト30分。(笑)


じゃその前の2時間は何なのかというと偉大なる父のアマレンドラ・バーフバリ(プラバース=2役)のお話なんです。


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そしてこのお父さんったら超人です。
これ本当に人間の話よね?どんだけ力が強いのってくらい超人です。


お父さんに限らず叔父さんも、家来でさえも超人なんですけど、このくらいみなさんが破壊的に潔く強いともう、超人対超人の強烈なアクションを堪能するしかありません。


しかもカッコよく決めポーズの時はスローモーションでカメラ目線。
髪はどこからか吹いてくる風になびかせるのが当たり前です。


ヤシの木をバネに敵の城の壁を飛び越えては戦い3本の矢を同時に放ちながら戦う姿には、突っ込みどころも吹き飛ばして次はどんな技を見せてくれるのかという期待で怒涛の2時間半はあっという間に過ぎていきます。


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戦いのシーンも多いのですが、途中アマレンドラと小国の王女デーバセーナ(アヌシュカ・シェッティ)との恋話もあり、ふたりはスワンの白い帆船で空を飛びながら「たとえ地の果てでも一緒に行きましょう」と歌い踊る4分間のミュージカルシーンも見どころのひとつです。


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とにかく観てみて。しばらくは夢に出てきそうな映像ばかりですよ。
でも大阪だと「なんばパークスシネマ」のみの上映でそれも1日1回。
上映館が少なすぎです。
親子3代に渡る壮大なドラマ、お近くで上映してたら是非観てね。


監督は前作と同じS・S・ラージャマウリ。


  ◆本作の予告です。





  ◆そして後編の最初に流れる前作のダイジェストはこれ。





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僕のワンダフル・ライフ [映画【は行】]

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大好きな飼い主にもう一度会いたい!!と願って50年で3度生まれ変わって元のご主人の元に帰るワンコのお話です。


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「HACHI 約束の犬」(09)のラッセル・ハルストレム監督が手掛けたドッグ・ムービー。


車にとじ込められて死にそうになったゴールデンレトリバーの子犬は、8歳の少年イーサン(ブライス・ゲイサー)に助けられ、「ベイリー」と名付けられます。

イーサンのパパにはちょっと嫌われてるけど、ママにも可愛がられ楽しい毎日を送るんです。


イーサン(K・J・アパ)は高校生になると、アメフト部で大活躍。
ハンナ(ブリット・ロバートソン)というガールフレンドも出来て名門大学への進学も決まり絶好調。

でもそんなイーサンに不幸が襲い掛かります。
イーサンを妬んだクラスメートが火事を起こすんです。
アメフトが出来ない体となって心身ともに深く傷ついたイーサンは大学も諦め、慰めるハンナとも別れてしまい、そして犬のベイリーも寿命が尽きてしまいます。


不幸なイーサンの姿を胸に刻んで死んでしまったベイリーには悔いが残りました。


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そんな過去の記憶を残したまま、次に生まれ変わったのは警察犬のシェパード「エリー」。
飼い主は孤独な警察官カルロス(ジョン・オーティス)。
警察犬の仕事を全うし、殉職したエリー。


次はコーギー「ティノ」に生まれ変わります。
飼い主は人見知りな女の子のハナ(カービー・ハウエル=バブティスト)。
ハナの恋のキューピットも果たして、次はミックス犬の「バディ」に生まれ変わるベイリー。


でもバディになったベイリーは不幸な犬生でした。

若いカップルに飼われているけど、つながれたまま放っておかれたあげく捨てられてしまうんです。

捨てられたバディは懐かしい匂いに導かれ、走り出します。
これはイ―サンの匂い。
走って走って懐かしいイーサン(デニス・クエイド)の家にたどり着くバディ。


やっと会えたイーサンなんですけど、イーサンはバディを見てもベイリーだとは気づかず、保健所に連れていっちゃうんです。

バディはイーサンに自分はベイリーだってどうやってわかってもらうんでしょ。


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かなり泣けると前評判だったんで公開後にすぐに観てきました。
ずーっと犬の目線でお話が進むのでベイリーの心の声が聞こえています。
字幕版は「アナと雪の女王」のオラフ役のジョシュ・ギャッドが担当してます。


犬の前世の記憶が残ったままってとこと、アメリカのご近所で転生を繰り返すとか…ツッコミどころはかなりありますが、やっぱりベイリーが死んでしまうシーンではググッときちゃうんです。
でも残念なことにすぐに次の犬に転生しちゃうからその涙をどうしたもんだか。
あのシーンはもっと長くしてもいいんじゃなかったかな。


そんなこんなで犬好きの同僚にお勧めしたら、「最後は嗚咽しました、すごくいい映画でした!!」ってものすごく感謝されて「え、そこまで?」ってこっちがびっくりするくらいだったんだけど、そこまで言ってくれたらここに書きこんどこうって気持ちになりました。

誰かまた観て感動してくれたらいいな。


犬好きなら「死んだ犬が生まれ変わってまた会いに来てくれる」って究極の夢のようなお話よね。





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ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦 [映画【は行】]

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日本では猿人類作戦と呼ばれているらしいのですが「エンスラポイド作戦」、ナチス高官の暗殺に唯一成功したハイドリヒ暗殺計画の様子を描いた映画です。


第2次世界大戦中の中期、ナチス・ドイツは占領地域をヨーロッパのほぼ全土に広げていました。
ヒトラーの後継者とも呼ばれたナチスの高官ラインハルト・ハイドリヒは別名「金髪の野獣」とあだ名される残忍な男でナチスではナンバー3の実力者。

ユダヤ人大虐殺の実権を握っており、1941年からベーメン・メーレン保護領(チェコ)を副総統として統治していいました。


この男の危険性を重要視したイギリス政府とチェコスロバキア亡命政府は、ヨゼフ(キリアン・マーフィー)、ヤン(ジェイミー・ドーナン)ら7人の暗殺部隊をパラシュートによってチェコ領内に送り込みます。


ヨゼフたちはプラハの反ナチス組織や協力してくれる一般の家族に接触しますが、そんな計画は失敗しても成功してもプラハの市民の大虐殺につながると反ナチス組織も賛成しません。


前半はヨゼフら暗殺側の作戦の実行までの葛藤とほのかな恋、そしてついに実行される暗殺の様子です。
後半はハインリヒを失ったことに激怒したヒトラーがまったく関係ない人々や村ごと消滅させる報復に出た事。
結果1万3千人の人々が殺されることになります。
それでも実行の犯人は見つからないままだったのですが、宝生金目当での仲間の密告で追い詰められていくこととなるヨゼフたち。

その過程でヨゼフを匿った家族への悲惨な拷問には息を飲みますし、事実をそのまま映像化しているようです。


ナチス軍の次々に現れる兵士、そして圧倒的な武器に追い詰められ教会の地下で水攻めにあうヨゼフ。

最後に彼の目の前に現れるのは・・・。


日曜に「ダンゲルク」も観たのですが、こちらを観てしまったら「ダンゲルク」が飛んでしまって、レビューを書こうかと思ったんですが書けなくなってしまいました。

沢山の戦争映画を観ましたが、改めて戦争はこんなにも悲惨で恐ろしく、ナチス・ドイツの行った血も凍る残忍さに驚いてしましました。

もうすぐ上映が終わるので興味がある方は早めにご覧ください。


主演は「ダンゲルク」にも謎の英国人役(船に助けられてある人を殺しちゃう彼ね)のキリアン・マーフィー。


監督は「フローズン・タイム」のショーン・エリス。

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八月の狂詩曲 [映画【は行】]

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8月9日は長崎に原爆が落とされた日。
それに合わせての企画だと思うのですが、NHKBS<プレミアムシネマ>で黒澤明監督の『八月の狂騒曲(ラプソディー)』(1991)が放映されたので録画で鑑賞しました。

長崎市から少し離れた山里。
夏休みで田舎の家にやってきた4人の10代の孫たちと、今も原爆に苦しむおばあちゃん(村瀬幸子)のお話です。

おばあちゃんにはハワイに移住した兄がいて、その兄が最近具合が悪いので妹に会いたい、ハワイに来てくれないかと連絡してきているのですが、しかし沢山の兄弟がいたというおばあちゃんにはハワイの兄の記憶が全くないのです。

今ではパイナップル王で大金持ちと聞いたおばあちゃんの娘と息子(つまり孫たちの親)が速攻でハワイに出かけて写真と手紙を送ってきます。
「おばあちゃん、ハワイに一緒に行こうよ」とねだる孫たち、でもおばあちゃんにとってはまったく記憶がない外国の兄のところに行くより、ここで過ごす、4人の可愛い孫と一緒のこの夏の生活が楽しくてしょうがありません。

やがて孫たちはおばあちゃんの記憶を探り始めます。
でもおばあちゃんの記憶から出てくるのは夫であるおじいちゃんが長崎に投下された原爆(ぴか)によって亡くなっていたこと、おばあちゃんの他の兄たちの事、近所に住む同じ原爆で肉親を失った人たち、山の奥の谷に住む河童の話などです。
やがて孫たちはおじいちゃんの勤務先だった小学校にも行って原爆の恐ろしさを体感していきます。

そんな中、ハワイから甥のクラーク(リチャード・ギア)がやってきます。
おじいちゃんが原爆で亡くなったという事を知られるのはまずい、気分を害するんじゃないかと心配する親たち。
アメリカ人は原爆の話が嫌いなはずだといい出します。

でもクラークはおばあちゃんと仲良くなり、おばあちゃんも8月9日のおじいちゃんの命日である原爆忌を終えたらハワイに行って兄に会う決心をしますが、ハワイからクラークの父が亡くなったという電報が届くのです。 

 

原作は芥川賞作家の村田喜代子さんの『鍋の中』を元に映画化したものです。
おばあちゃんの心の鍋の中を覗くと色々なものが入っている、ってことなのかしら。
映画は原作からかなり脚色されているようで戦争色が濃くなっている感じです。

25年前の映画なもんですから大学生役の孫の一人の吉岡秀隆が若い!
そしてなんとリチャード・ギアも出演してる・・・やはりすごく若い!!

原作もですが映画も観たことが無く、ちょっと眠くなるようなのどかな田舎の風景から段々と原爆に対する恐怖や怒りのシーンが織り込まれていき、やがてハワイの兄が亡くなったことを電報で知ったあたりからおばあちゃんの様子はおかしくなってしまいます。

最後のシーンに流れる「野ばら」の曲。
正直、監督がいいたかったことはよくわかんない部分も多いけど、おばあちゃんはラストで清らかに咲く野ばらのような少女の心となって土砂降りの中を傘をさして走る、走る。
そしてそんなばあちゃんを孫が追いかけ、息子と娘が追いかけ・・・。
傘は雨風で反り返り、それどもおばあちゃんはぴかの落ちた長崎に、夫の元へと突っ走る、そんな悲しいシーンで終わる映画でした。とても最後は印象的です。


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ブルックリン [映画【は行】]

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今年のアカデミー賞の作品賞・脚色賞・主演女優賞でノミネート。
残念ながら受賞はありませんでした。

カナダではかなりの興行成績をあげたようですし、英国・オーストラリア・カナダ・アメリカでの映画賞で数々のノミネートや受賞をしています。

日本では公開が遅かったしあまり話題にもなってはいませんが少女の心の中を等身大に描く印象的な映画でした。
原作はコムル・トービンの同名小説。
アイルランド・イギリス・カナダ合作映画です。

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春に観た映画でモーガン・フリーマン主演の「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」っていう映画のレビュー書きました。
ニューヨークのブルックリンに住む老夫婦が、結婚の時に買った古いアパートを売って便利な部屋を探すお話です。
ブルックリンの部屋は人気でかなり高く売れそうでしたが、でも結局思い出のいっぱい詰まった部屋は手放せませんでした。

その舞台でもある〝ブルックリン”はニューヨークではマンハッタンの河を隔てた向こう側、元々は移民が多く暮らす街。
この映画の主人公の少女が海を渡った頃は老夫婦が結婚した時と同時代かもう少し前くらいなのかな?と思います。

「ここは昔はそんなおしゃれな街じゃなかったのになあ」ってモーガン・フリーマンも愛犬に呟いていましたしね。

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時は1951年。
アイルランドに住むエイリシュ(シアーシャ・ロ―ナン)は幼い頃に父親も亡くなっており、病気がちの母と姉と3人暮らしです。
田舎の故郷では仕事もないし、ダンスに行っても誘われるのは美人の親友だけ、内気なエイリシュに声をかける男性もいません。

そんなエイリシュは姉の勧めでアメリカのブルックリンで働くことになります。
知り合いは姉が懇意にする神父さんだけでした。

やがて船で海を渡り、アイルランドから舞台はアメリカへ。

故郷の訛りが抜けないエイリシュ、デパートの店員をしながら見知らぬ都会で寂しさで心が折れそう。
姉に手紙を書くことだけが楽しみでしたが、イタリア人の配管工のトニーと付き合い始めたことがきっかけで都会での暮らしにも徐々に慣れ始め、目標の簿記の資格試験にも無事に合格。

全てが上向きになってきたころ、最愛の姉が亡くなったという知らせを受け取るのです。

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トニーには1か月ほど故郷に戻ると告げて姉のいない実家に帰ると、故郷はそのままでしたが自分を見る周りの眼が変わっていました。

もうエイリシュは内気で冴えない田舎の少女ではありません。
姉が勤めていた会社で経理の仕事もテキパキこなし、アメリカの洗練されたファッションを身に着けすっかり都会的の女性と変わったエイリシュ。
以前はスル―されてた故郷の男性も声をかけてきます。 

実はトニーとアメリカを出る前に結婚届を提出してきていたエイリシュでしたが、母には結婚していることは隠したままです。
母はアイルランドの男性と結婚してほしい様子で、なにかと理由をつけてアメリカに帰るのを延ばさせます。

アメリカに行く前にこんな環境だったら・・・仕事があって、親友もいて、素敵なお金持ちの男性から結婚してほしいと望まれて。
トニーの元に帰らなきゃと思う反面、今の生活も捨てがたいと考え始めるエイリシュ。

彼女が選ぶのはアイルランドなのかブルックリンなのか。

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都会の暮らしと故郷の両方を無意識に天秤にかけているようなエイリシュの姿は女性なら共感できるけど男性が観たらどう思うのかしら。ずるい女なのかな。
ふたりの男性はそれぞれ誠実な人だけにドキドキです。

田舎は美しい自然があるけど煩わしい人間関係もあり、都会では便利な暮らしがあるけど家族との暮らしはない。
そんなエピソードが最初から最後までとっても丁寧に描かれています。
ラストで意地悪な雑貨屋のおばちゃんに放つエイリシュのセリフにも「あーわかる」って思ってしましました。

主演のシアーシャ・ロ―ナンはアメリカ生まれのアイルランド育ち。
ご両親もアイルランド人。
相変わらす青い目は引き込まれそうでかわいい。
主人公の成長と、ファッションも田舎と都会で比べたりで見どころの一つです。
美少女のシアーシャも今回はすっかり大人の女性の雰囲気です。

監督はジョン・クローリー 

 

 


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ヘイトフル・エイト [映画【は行】]

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今回はタランティーノ監督の8回目の監督作品、西部劇。

時代は南北戦争終結後のアメリカ。
季節は冬。
雪の中、ワイオミング州の山中で自分の馬が死んでしまったため立往生している男(サミュエル・L・ジャクソン)が近づいてくる駅馬車を止める。
その男ウォーレンは賞金風ぎで元北軍少佐だった。

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ウォーレンは3体の賞金首の遺体をレッドロックという町に運ぼうとしていた。
駅馬車の御者オービー(ジェームズ・パークス)は馬車に乗せるには依頼主の許可を取れと言う。

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依頼主とは同じ賞金稼ぎのジョン・ルース(カート・ラッセル)。
デイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)というお尋ね者の女の手首を自分の手首に手錠でつないで乗っている。
この女には賞金が1万ドルかかっているという。
嫌がるルースを説得して馬車に乗り込むウォーレン。

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さらにレッドロックの新保安官のクリス(ウォルトン・ゴギンズ)という男も途中で同乗してくるが、雪はどんどん強くなり馬車は停車場の「ミニーの店」で吹雪を避けることになる。

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しかし、店主のミニーとディブはなぜか不在。

かわりに店にいたのは、
ミニーからしばらく店を任されたというメキシコ人ボブ(デミアン・ビチル)、
レッドロックで絞首刑執行人をしているというイギリス紳士風のオズワルド(ティム・ロス)、
クリスマスで故郷に帰る予定のカウボーイ・ジョー(マイケル・マドセン)、
元南軍の将軍の無口な老人スミザーズ(ブルース・ダーン)。

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偶然吹雪で店に閉じ込められた8人の男女の長い一夜が始まる・・・・。
ってことですが168分でホントに長め。3時間近いです。

前半は馬車の中での会話が多くて人物紹介になっているんですけどとにかく退屈。
ですがそこを超えてミニーの店に集まった男たちが一人、また一人と死んでいくあたりからようやくお話は動き出します。

タランティーノ監督の脚本ですからね、そりゃもうお下品でグロくて差別用語もバンバン。
どこか非現実的ですがとにかく死ぬわ、死ぬわ。

デート・ムービーには向きませんし、そうでなくても一緒にお誘いする方にはエロ、グロ、血しぶきだよとお伝えしてからにしてくださいね、取り扱いにはお気をつけください。
いくらある男を怒らせるためだとしてもこのシーン必要?と思ってしまう、さすがのR18指定。
この映画を観た後にご飯なんか食べたくないと思います。

元南軍対元北軍、白人対黒人、アメリカ人対メキシコ人、盗賊対賞金稼ぎ。
憎しみ合いの要因はたくさん。
ここに集まった男たちが実は意外な知り合いだったりして名探偵コナンテイスト、舞台を観ているような後半。
でもま、コナンみたいな探偵さんがいる訳じゃなく、殺し屋だらけですからすぐにドンパチで片が付きます。
死に方があまりに簡単すぎて謎解きに重みがない感じですけどそれより別の隠し玉が飛び出すので。
これは秘密にしときましょ。

見どころはサミュエル・L・ジャクソンのすごさですね。
バンバン殺してた側が殺されそうになった時の驚きと恐怖の演技でラストはドッキドキ。
タランティーノ映画の常連ですが主演は初とのこと。
『ジャンゴ』の時より今回の方が演技が冴えててすごく楽しそうでした。

サミュエルが今回のアカデミー主演男優賞にノミネートされてたら白人至上主義と言われたアカデミー賞ですけど、ボイコット運動なんかにならなかっただろうにな~とも思いました。 ★★★★

 

この映画の鍵になる女を演じたジェニファー・ジョンソン・リーは助演女優賞候補でしたが受賞はならず。
作曲賞に見事、エンニオ・モリコーネが受賞しました。


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パディントン [映画【は行】]

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ポスターによると「ハリー・ポッターのプロデューサーが贈る全世界300億円超えの大ヒット作!」
って事ですが、2014年の制作映画のようですから日本ではちょっと遅れての上映なんでしょうね。

友人に誘われて観てきました。
「パディントン」ってよく見るけどなんのキャラクターなんだっけ?
まったく知らなかったんですけど今回の映画でよくわかりました。

この赤い帽子に青いダッフルコートのクマさんはイギリスの作家マイケル・ボンドの児童文学作品のクマでした。
イギリスでは1958年に出版され、日本では1967年に福音館書店から出版されています。

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ペルーからイギリスに密航船でやって来た赤い帽子の子クマ(声:ベン・ウィショー)。
クマはロンドンのパディントン駅でスーツケースに座って待っていました。

クマは礼儀正しく道行く人に尋ねます。
彼におうちをくれる人がどこかにいるはずなのです。
でも誰も返事をしてくれません。だって彼はクマなんですもの。

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そこに偶然通りかかったブラウン一家。

お父さんのブラウンさん(ヒュー・ボネヴィル)は関わり合いになるのを嫌がりますが
お母さんのブラウン婦人(サリー・ホーキンス)はしばらくクマを家に泊めてあげることにします。

クマ語の名前は発音が誰にもわからなかったので、
座っていた駅の名前と同じ「パディントン」と改名、
ブラウン婦人はぺディントンの為にペルーに昔やってきたという
イギリスの探検家を探しだすことを思いつきます。

パディントンはブラウンさんちでお風呂を壊したり、歯ブラシで耳掃除をしたり、
外に出たら親切心から偶然スリを捕まえて感謝されたり。

問題を抱えたブラウン家の子ども達とも仲良くなっていきます。

いろんな騒動を起こしながら探検家を探すパディントンでしたが、
博物館のはく製師・ミリセント(ニコール・キッドマン)にある日誘拐されてしまいます。

ミリセントはパディントンを前から狙っていたのですが、実はそれには深いわけがありました。 

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誘拐されたパディントンの運命やいかに。
このままはく製にされて博物館に飾られてしまうのでしょうか。

いやいや、そんな訳にはいかないですよね。
ぷぷっと笑うような逃げ方で脱出するんですよ。
それまではパディントンにはちょっと冷たかったブラウンさんや
親戚の家政婦ミセスバード(ジェリー・ウォルターズ)も大活躍です。

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お話は子供向きで予想どおりなのですけど、CGのパディントンはなかなかの可愛さです。
大人も楽しめるほっこりとした笑える映画です。

でもはく製にしちゃうなんて児童文学にしてはちょっと怖いですね。
美しき悪役をニコール・キッドマンが真顔で演じていました。
礼儀正しい英国紳士、パディントン。
でもほんとはペルー出身だったんですね。

マーマレードが大好物のパディントンなんですけど、
イギリスまでの密航中にもマーマレードを食べまくります。
映画のはじめではペルーでの生活が楽しく語られるんですけど、
このマーマレードはすごいハイテクで3頭のクマが瓶詰めしてるんですよ。 

声は最近この名前を聞かないことはないベン・ウィショー。
あんまり子クマ感はないんですけどね。
お母さん役は「ブルージャスミン(13)」でケイト・ブランシェットの妹を演じて
アカデミー助演女優賞にノミネートしたサリー・ホーキンス。 
監督・脚本:ポール・キング  ★★★☆

 


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白鯨との闘い [映画【は行】]

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予告映像から『ジョーズ』みたいな映画を想像していましたが違います。
お話の中盤に賢い白鯨が出てきて人間は一方的にやられてしまいます。

映画の原題は「IN THE HEART OF SEA」。
白鯨をタイトルにした邦題は映画館に来てほしいという配信会社の願いからなんでしょうか。
ちょっと騙された感があります。
内容に触れますのでこれからご覧になる方は読まないでね。

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それはまだ石油が無かったころのアメリカのお話。
灯りには鯨の油が使われていました。

捕鯨船の船乗りは巨大な鯨を捕まえてはその油を絞りとり、 鯨油を船にいっぱいにして帰ってきていました。
その時の収穫次第ですが1年で帰れれば早い方、3年くらいは航海をしていたようです。

1950年、駆け出しの小説家メルヴェル(ベン・ウィショー)は1819年に出航して白鯨と戦って沈没したという捕鯨船の生き残りのマシュー(ブレンダン・グリーソン)を訪ねます。

マシューは最初は嫌がりますが、全財産を払うというメルヴェルに当時の様子を話し始めます。
そこから回想となって老人は14歳の少年(トム・ホランド)へかわり、画面には大海原が広がっていきます。

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捕鯨船エセックス号は育ちも意見も合わない船長ボラード(ベンジャミン・ウォーカー)と一等航海士チェイス(クリス・ヘムズワース)の不和はありましたが最初の鯨を無事に捕獲します。
歓喜する船員たち。
当時の捕鯨の様子がこれでもかとしっかり描写され、かなり生臭い画像が続きます。

でも次の鯨が見つからないエセックス号、船いっぱいの油にしないと帰れません。
鯨を求めてどんどん陸地から離れた海域に乗り出してしまいます。

ついにマッコウクジラの大群が見つかるのですが、鯨の群れのリーダー白鯨に船を破壊されてしまいます。
船を失くした船員たちは3隻のボートで逃げ出します。
でもそこからの漂流は過酷でした。
長い期間の漂流にはわずかな食料と水では足りず、生き残るためには非常な選択が必要でした。

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『ライフ・オブ・パイ』のような漂流シーンが後半は延々と続いて、でも『ライフ…』みたいに都合よくトビウオの大群がやってくるわけではないので、なんでマシューは老人になるまで当時の様子を誰にも話せなかったのか、その真相ががわかっていきます。
死んだ船員の肉を食べ、次はくじで誰かが死んで食料になるかを決める、生き延びるために。

元船員の隠された話を全て聞いた小説家は真実とは違った形で翌年『白鯨』という名作を書き、一方秘密にしてきた事件を誰かに話すことでマシューは過去の罪から解放されるというものでした。

嵐と風、そして襲い掛かる白鯨に船酔いしそうな海の描写、臨場感がありました。
結局、人間は鯨を捕獲しすぎたために鯨がいなくなり、遠くまで出かけたら頭の良い白鯨に返り討ちに合ってしまった・・・。
そんな皮肉にも受け取れる内容でもあります。

やがて石油が見つかり捕鯨の時代は幕は下を下すという時代の変わり目でもありました。 

一等航海士役のクリス・ヘムズワースは『マイティ・ソー』のソー役ですよね。
かなりマッチョですけど撮影は過酷だったと思います。
ほかの役者さんも豪華で、注目は若きマシューを演じるトム・ホランド。
17年公開の新「スパイダーマン」に抜擢されているということです。

ロン・ハワード監督とクリス・ヘムズワース は『ラッシュ/プライドと友情』でも組んでます。 ★★★☆

おまけ。

 


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ブリッジ・オブ・スパイ [映画【は行】]

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私の今年はこの映画から。
スピルバーグ監督とトム・ハンクスの新作です。
しかも脚本はコーエン兄弟という夢の組み合わせ。
これは観なきゃと思っていました。

スパイ映画が多かった昨年でしたが、去年観たどれよりもこの映画が一番現実的なスパイ映画でした。
なんたって実話ですしね。
この映画に出てくるソ連のスパイはとっても地味。
そしてトムはスパイではなく、そのスパイを弁護することになったアメリカ人弁護士役です。

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ジェームス・ドノヴアン(トム・ハンクス)は優秀な弁護士。
時は米ソの冷戦時代。
アベル(マーク・ライランス)という男がソ連側のスパイ活動でCIAに捕まり、たとえ憎き敵国のスパイといえどもちゃんとした弁護士もつけずに裁判するのはアメリカとしてはまずいってことで上から指名されて国選弁護人にさせられてしまいます。

全国民から嫌われ者になることがわかっていますから最初は渋々引き受けるのですけど、弁護を引き受けたからにはきっちりとやる男、ドノヴアン。最善を尽くすのです。

案の定、なんで敵のスパイの肩を持つんだと怒り狂うアメリカ市民からは電車の中では冷たい視線を向けられ、やがて自宅に銃弾まで撃ち込まれることに。家族にまで命の危険が迫るのです。
でもそんな危険にさえも気持ちを曲げず、弁護人を守り切る正義の人がトムにとっても似合います。
そしてアベルとドノヴァンには国を超えた人と人との友情、信頼関係が育っていくんですね、ここもしっかり描かれていきます。

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当然ですがアメリカもソ連にスパイ活動を行っております。
今度はアメリカ人の偵察機パイロットがソ連側に捕まったのでアベルを交換に使おうということになるんですね。

交換の交渉にはアメリカ政府が関わっているのではない、という建前で行うこととなりその任務はドノヴァンに委ねられます。

ベルリンの壁がまさに築かれつつあった東ドイツに交渉に向かうドノヴァン。
当時西ドイツはアメリカが、東ドイツはソ連が支配していたので交換がスムーズだったからです。
ちょうどそこで、別件でアメリカ人学生が東ドイツに連行されてしまうという事件が発生していました。

助け出すのはパイロットだけでいいというアメリカ政府、でも学生も助けたいドノヴァン。
ドノヴァンの鋼の意思で2人の別々のアメリカ人捕虜をソ連と東ドイツから助け出そうとするのですが・・・と映画は後半さらに切迫した状況になってしまうのです。

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東西を分けていたドイツのグリーニッケ橋。
ここで行われる捕虜の交換、とても切ないです。

緊張が続く内容、しかも超寒そうでしたが、ドノヴァンが妻へのお土産を渡すラスト近くのシーンやアベルとの裁判中の会話、「心配じゃないのか?」 「それが役に立つのか?」という印象的なセリフにもちょっと笑わせられ、ユーモアも忘れないやっぱりうまい職人映画だなって思いました。

もしかすると2月に発表される今回のアカデミー賞で最優秀助演男優賞に輝くのはこの切ない男・アベルを演じたマーク・ライランスじゃないかなーと現時点で私は思うのですが・・・どうでしょうね。 
      ★★★★ 

 


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