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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い [映画【ま行】]

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 9.11アメリカ同時多発テロで大好きな父親を亡くした少年が父の死を乗り越える成長ドラマです。
先に見た方が号泣したという話も聞きましたし、アカデミー賞に「作品賞」と「助演男優賞」にノミネート(結果は無冠でしたが)、主演はトム・ハンクスとサンドラ・ブロックという豪華さ。同じ日に「ヒューゴの不思議な発明」と2本立てで観てきました。
「ヒューゴの不思議な発明」は次に書くつもりですが二つを比べたら私はこちらの方が良かったです。
見終わってからもしばらく考えさせられる映画です。

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監督は『リトル・ダンサー』『めぐりあう時間たち』『愛を読むひと』のスティーヴン・ダルドリー。
脚本が『フォレスト・ガンプ/一期一会』でアカデミー賞脚本賞受賞のエリック・ロス。

監督のスティーヴン・ダルドリーはイギリス人なので911というアメリカ人にとってはかなりデリケートな素材を丁寧に気をつけて描いているようです。
父親(トム・ハンクス)があの日あのビルにいて何度も自宅に電話をかけてくるシーンがありますが
具体的な映像は最小限に留め留守電に録音された声や周りの音であの日の様子を語らせます。

オスカー少年は父の声が留守録で録音されたその電話を母にも内緒で同じ電話にすり替えて隠したり・・・なんでそんな事をしているのかが最初は全く分からないんですが、それは終盤に解き明かされますので前半は我慢してオスカーに付き合わなければなりません。

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オスカーはアスペルガー症候群を疑われている少年らしいんですけど、このアスペルガー症候群とは「知的障害の有無を問わず言語障害のない自閉症」という障害らしく、つまりオスカーは不安や脅迫観念が他人よりは強い自閉症気味の男の子、のようです。
頭は良いのだけど自分のペースでしか行動が出来ないのかな。
ルールも好きみたい。

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そんな彼が祖母の家に間借りしている謎の老人(マックス・フォン・シドー)に初対面なのに心の中を爆発するように語り、二人で父のクローゼットで見つけた「鍵」を手掛かりにニューヨーク中の「ブラックさん」を捜す旅に出る中盤から面白くなっていきます。
父が残した鍵が開く鍵穴の向こうに、オスカーへのメッセージがあるはずだと。

謎の老人は失語症なのか全く喋れません。なのでお喋りな少年への老人の答えは筆談や矢印。
この老人の正体は・・・まあ、直ぐに気付いちゃいますが、さてどうなるんだろと思っているとコンビは途中で解散しちゃうんです。

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それでもオスカーは鍵の秘密を解き明かします。
彼が見つけた真実はちょっと残念な結果に終わり、でもその真実の替わりに見つけるのは沢山の人々からの愛、特にママ(サンドラ・ブロック)からの愛。泣かされるとしたらこのあたり。

それにしてもオスカーの両親の「子供に納得させて理解させる」という教育方針はすごいですね。
見習いたいけどなかなかね・・・・。^.^;

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主人公のトーマス・ホーン君、青い目が綺麗な男の子でした。
映画初出演で難しい役なのに本当に演技が自然で上手いです。
マックス・フォン・シドーの演技もさすがで第二次世界大戦中のドレスデン大爆撃(連合国軍;おもにイギリスとアメリカ空軍からの無差別爆撃)の被害者という設定です。
悲劇は911だけじゃないよという意味合いも持たせてるんですね。
アカデミー賞助演男優賞は惜しかったです。存在感が光る演技でした。

   ★★★★


ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル [映画【ま行】]

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みなさん、去年のうちにご覧になったんでしょうね。
お正月映画でしたけど、遅めですが観てきました。

前作『ナイト&ディ』で王子のようで騎士のようなトム様のファンとなってしまった私ですので(ファンになるの遅っ?)とっても観たかったんですけど年末は時間がなくて。^ ^;
でもやっぱり面白いですね。満足、満足。
映画館はわたしのような遅めのお客さんで多めでしたし、「きゃあ!」っていう女性の声もあちこちから聞こえてきてましたよ。
画面いっぱいに車が降って来た時は思わず(画面なのに)体が避けたくなりましたもの。

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トム・クルーズがIMF諜報員、イーサン・ハントを演じる4作目。
製作総指揮は、本シリーズの製作権を持つトム様。
トム様は毎回監督を変えてるんですが、今回は『Mr.インクレディブル』や『レミーのおいしいレストラン』でアカデミー長編アニメ賞を2回受賞したブラッド・バード監督、初実写映画です。

実は3作目を観ていないんですが(その頃はファンじゃなかったもんで)今回のストーリーは3作目と関係してました。
前作でイーサンは結婚してて、でも幸せは長くは続かなかったんですよね。
観て無かった私でも充分理解出来たので無理に予習はしなくても大丈夫(たぶん)。

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お話はハンガリーのブタペストから始まります。
イーサンかと思ったら別の諜報員が登場。
そのIMF諜報員は美人の殺し屋に早々に殺され秘密ファイルが盗まれちゃいます。
実はそのファイルはある装置を機動するための暗号が記されているのです。
その暗号がコードネーム「コバルト」に渡ってしまうと人類の危機が・・・!!

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イーサンはモスクワの刑務所に拘留されていました。なんでかっていうのはラストにわかる伏線です。
IMFの仲間の援助でイーサンは無事に脱出。
その後、指令でコバルトの正体を探るミッションを命じられ変装してグレムリンに侵入です。

しかし、イーサンの裏をかく別組織に先手を打たれるわ、爆破テロに巻き込まれて吹き飛ばされるわ、グレムリン宮殿を爆破したテロの爆破犯の濡れ衣まで着せられちゃう。

爆破犯なんかもう知らん!っちゅうことで米政府はイーサンのチームを切り離すという「ゴースト・プロトコル」を言い渡し、それでも守ってくれるという頼みの綱のIMF長官もあっけなく殺され、イーサンが頼れるのはチームの仲間3人だけ。
テロリストとして追われるイーサンは強敵コバルトから世界を守れるのか?!

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先週見た『哀しき獣』の主人公もかなり走ってましたが、この映画のトム様の走りっぷりも見事です。
走る姿が陸上選手みたい。

ドバイでは世界一高いという高層ビルを窓ガラスにくっつく秘密兵器のグローブでよいしょって登っていき、途中で右手のグローブが壊れて左手だけになっちゃってハラハラ。

そんな緊張した場面にぷっと吹き出すような1シーンが入ってたり、砂嵐の中に巻き込まれ視界が無くなると思いきや窓ガラスを登る時に使ったメガネが胸のポケットにあって役にたったり、なんだかとても気が効いてるシーンが多くて笑ったり驚いたりが心地いい映画でした。
スパイの秘密兵器も変装も、タキシード姿もスマートでお洒落。
展開も速くてテンポもいいし、アニメ映画監督だから出せる味なんでしょうか。

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敵のコバルトは大学教授のオッサン。でもありえないくらいの身体能力の持ち主。
変装うまいし駐車場のラストではイーサンをぼこぼこ。

教授は砂嵐の中でイーサンの車と激突後、空中を回転して落ちてきた車に乗っていたはずなのに
危うく下敷きになるところを交わしたイーサンが車中を覗くと遥か先を元気にすったか走って逃げてました。
あの時から「ただ者じゃない・・・」とみんな思ったはず。

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ラストは車のエアバックは偉大だということと(今回トムが乗ったのは全部BMWとのことなんであれもそうかしら)でミッション終了。
イーサンは「ミッション終了!!」って何度もボタン押しながら叫んでくれました(笑)
サンフランシスコの海に落ちたという「あれ」はどうなったんでしょうか。今後が心配です。

突っ込みどころも多いんですけど、トム様はやっぱり騎士ですね。
愛する人の為に次回も戦ってくれそうです。
ドキドキして笑えてちょっぴりほんわかして。
スッキリ気分で帰れるアクション娯楽大作でした。

     ★★★★☆


ミッション:8ミニッツ [映画【ま行】]

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『このラスト、映画通ほどダマされる』というコピー。
低予算ながらストーリーの意外性で話題となった前作、『月に囚われた男』のダンカン・ジョーンズ監督の2作目です。
『月に…』の時はジョーンズ監督はデヴィッド・ボウイの息子さんだというのでも話題でしたけど、
もうそんなことは言わせないぞってほど良く出来た面白い映画でした。

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米軍エリート、スティーヴンス大尉(ジェイク・ギレンホール)は列車の中で目覚める。
前に座る女性(ミシェル・モナハン)がスティーヴンスに親しげに話かける。
通路を通る人が自分の靴に飲み物をこぼす、靴が汚れる、車掌が「切符を拝見」とやってくる・・・。
何度も繰り返し映し出されることとなるこのシーン。

主人公も観ている観客もそこが「電車の中」であることしかわからずに戸惑います。
女性から“ショーン”と呼ばれている自分は誰?何のためにここにいるのか?

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スティーヴンスはやがて軍の極秘ミッションの為にある装置を介して自分の「精神」だけが他人の体に移されている事を知らされます。
その日の朝、シカゴではテロによる列車爆発事故が発生。
列車の乗客は全員死亡していましたが、その乗客の一人ショーンの体にスティーヴンスの「精神」を乗り移らせて事故の原因と犯人を突き止め、次に起きるはずのテロを阻止しようとしていました。
つまり過去を探って未来を守るということ。
なんでショーンが選ばれたかっていうのはスティーヴンス大尉と一番相性が良かったからだけらしいんだけど・・・。
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この画期的なプログラムを開発した博士の説明によると、死んだ人は死ぬ直前の8分間の記憶を残しているからショーンの体を借りて過去に戻っていられる時間は8分まで。
なので過去での8分が過ぎ、ショーンが死ぬとスティーブンスに戻って博士に報告、もういやだと言ってるのにまた過去に送られちゃう。

過去に戻れるのは毎回8分だけど、その時の記憶はちゃんと残っているから何度も死んだり戻ったりしてれば最初は列車の切符さえどこに入れているのがわからなかったショーンもどんどん手際がよくなっちゃって犯人に近付いてはいくんですけど・・・、でもそれと同時に湧き上がる疑問。
戻って来た自分が入れられているこの場所は何処なのか、何故こんなミッションを与えられているのか?

そしてショーンの眼の前にいる愛らしい女性を救いたいと思い始めるスティーヴン。
でも彼女ももう死んでいる乗客の一人なんです。起こってしまった過去は変えられない。

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SF映画の要素もあり犯人探しもありますけどそれよりスティーヴン大尉の心の動きやミッションの裏に隠された悲しい事実が緻密に組み立てられて先が読めず面白いです。
死んだ乗客達を救いたいと思う気持ち、そして本当の自分が置かれている現実はどうなるのか。
スティーヴン大尉の悲しい事実は割と早く明かされますがそれをふまえた意外なラストに思わず涙してしまいました。
ちょっと「アバター」っぽいと思ったのは私だけ?
ジェイク・ギレンホールは元々好きな俳優さんですけどやっぱり素敵でした。

本当に面白い映画って映画が終わった後もこのエンディングはどういう意味だったのかとか、
この続きがあったらどんな物語になるのだろうかと思い描けるものですよね。
そういう意味で私は素直に「なるほど、そうきたか」と思いまいしたが、想像力をもっと豊富に持ってる人なら色んな解釈ができるはず。

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スティーヴンスが過去から今に帰る際にチラッと見える銀色の球体のモニュメントも気になってましたがラストにはちゃんと意味がわかるようになってますし、オープニングから実はヒントが散りばめられているんだという監督の話もありますから、2回みたらまた違った発見が出来るかもしれません。

謎解き好きにはお勧めの一本です。  ★★★★★


マイティ・ソー [映画【ま行】]

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久しぶりに3Dで観てきました。
「マイティ・ソー」は米国の出版社マーベル・コミックが刊行するスーパー・ヒーローで、北欧神話がベースになっています。
原作では謙虚さを教えるために神の王である父に“記憶を消され人間に転生させられたヒーロー”だったようですがそれが映画だとどうアレンジされたのか・・・。

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神々の王オーディン(アンソニー・ポプキンス)の息子で最強の戦士ソー(クリス・ヘムズワース)。
王の跡を継ぐはずのだったが、力に溺れて偉大な父の怒りをかい、地球へと追放されてしまう。
神としてのパワーを奪われ、普通の人間になってしまったソーは人間界で神々の国と地球を結ぶ“虹の橋”(ワームホール)の研究者ジェーン(ナタリー・ポートマン)に助けられる。

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やがて追放された地球へも凶悪な敵が追いかけてきてソーの命を狙う。
神の国から彼を迎えにきた仲間達と共に再びソーの戦いが始まる。

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お話は割と単純で、我儘な神の子が力を奪われ地球に追放されて、そこで己の未熟さや人間の優しさにふれ、仲間たちに助けられて成長していくっていうものでした。
続きが作られますよというラストとおまけ映像もアリ。

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アカデミー賞俳優のアンソニー・ポプキンスとナタリー・ポートマンが脇を固めます。
とってもマッチョな主演のクリス・ヘムズワースにはお目にかかったことないなあなんて思いましたが、「スター・トレック」で主人公ジェームズ・T・カークの父ジョージ・カークの若き日を演じていた方なんだとか。
「スター・トレック」は観たけど・・・覚えてないです。^^;

アメリカでは1962年から今も続く人気のキャラクターらしいですが日本での認知度は今ひとつ。
浅野忠信さんがハリウッドデビューしましたよということで話題を盛り上げている感じ。
主人公がヒロインの車に2度もひかれるなどクスリと笑えるエピソードが多々散りばめられていますが
ストーリーよりVFX映像が物凄いです。  ★★★☆

監督はシェイクスピア役者として名を馳せるイギリスの演技派俳優、ケネス・ブラナー。


マイ・バック・ページ [映画【ま行】]

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全共闘運動に興味がないと141分、とても長いものになりそうな映画。

1960年代後半、東大から記者になりたい夢を持ち入社した東都新聞社の週刊誌編集部で働く記者・沢田(妻夫木 聡)は、ある日“京西安保”という組織の幹部を名乗る男からタレコミを受ける。
梅山と名乗る男(松山ケンイチ)と接触する沢田。
アメリカではベトナム戦争が勃発、アポロ11号は月に到着した頃、日本でも世界は自分たちが変えると信じていた大学生が決起。
学生運動はやがて武力闘争に発展しあさま山荘事件などの連合赤軍事件が起こった頃でもある。

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「近い時期に武装決起する」という梅山の言葉は、学生時代自分が学生運動の傍観者であった事を心の底で負い目に感じている沢田にとって魅力的な男に写っていたのであろう、取材をするうちに彼の言葉を信じ、親近感すら覚えてしまう。
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反戦運動や全共闘運動が激しかった1969年から1972年という時代に、記者として何かを変えようとした青年が、マスコミの記事になる事により実績を見せたい左翼思想の男が起こす自衛隊襲撃事件に利用され巻き込まれていく。

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ジャーナリストとしての客観性からはずれてしまう沢田を演じるのは妻夫木聡。
“優しすぎる”沢田や彼を信じる同志を巧みな話術で惹きつける梅山(=偽名で本名は片桐)に松山ケンイチ、すごくハマり役で嫌な奴を好演していました。
この手の映画って有名な役者さんを嫌うのか、主演二人以外では三浦友一さん位で見慣れない役者さんばかり。
日本の大学生が熱かった昭和のその時代。
教科書でも取り上げられないのでそんな時代があったことすら忘れ去られていますよね。

私はとても面白かったんですが、劇場は5人。上映回数も一日に一回となっていました。
興業的には今ひとつだったかも。★★★★

原作は川本三郎。自身のジャーナリスト時代の経験を記したノンフィクション。

監督は『リンダ リンダ リンダ』の山下敦弘。


「道」  ~ La Strada  (1954) [映画【ま行】]

男子フィギュアスケートで高橋大輔選手の銅メダル、素敵でしたね。

日本中がテレビの前に釘付けになった頃、私は仕事でライブでは観れなかったんですが、丁度お昼休みの社員食堂で小塚選手のフリー演技だけは観ることが出来ました。ラッキー。

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帰ってから録画で皆さんの演技はきっちり観たんですけど、高橋選手がフリーで選んだ曲は『道』という映画の曲でした。
私はこの映画が数ある映画の中でも一番好きなんです。
で、またうちにあるDVDを見なおしてしまいました。
つい最近、NHKのBS2でも放送してましたからご覧になった方もいるかもですね。

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物悲しいニーノ・ロータ作曲のテーマ曲にのって演じられた高橋選手の演技。
~すべての“道”はバンクーバーに通じていた~とは実況のアナウンサーの言葉です。

高橋大輔ファンなら「じゃあ 『道』ってどんな映画なんだろ?」 なんて興味を持った方もいるはず。
ちょっとでも思ったら映画の方もご覧になってくださいね。
1954年の作品(なんと56年前!)で白黒なんですが素晴らしい作品です。
何度見なおしても後半から涙がこぼれてしまいます。
下にストーリーを全部書きますが、筋書きが解っていても泣けます。(絶対)

高橋選手の衣装はこの映画のイメージでピエロの扮装に見えました。

≪あらすじ≫

ある日イタリアの貧しい海辺の町に住むジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)の元に一人の男がやってくる。
オートバイで旅まわりをする大道芸人のザンパノ(アンソニー・クイン)だ。

彼は貧しいジェルソミーナの母から1万リラで彼女を買う。
ちょっと頭が足りないが心の優しいジェルソミーナはザンパノの助手として、また道化師として旅周りを続けることになる。

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ザンパノの芸は胸の力で鉄の鎖を切ること。
ジェルソミーナは芸人の仕事は好きだが野蛮で女好きのザンパノが嫌で嫌でたまらない。
ついにある日、彼のもとを逃げ出してしまう。

逃げ出していた間、ジェルソミーナは天使の姿で高い空を一人で綱渡りをする青年の芸を観る。
その後、ザンパノに見つかり連れ戻されてしまうのだが、その時の綱渡りの青年(R・ベイスハート)とはローマのサーカス団に参加した時に再会する。

ザンパノを本能的に気にいらない綱渡りの青年は何かとザンパノをからかい彼の怒りをかう。
二人は以前からお互いを目の敵にしているようだった。

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しかし、ジェルソミーナは彼が奏でる美しいバイオリンの曲にひきつけられる。
彼もジェルソミーナには優しく、やがて親しくなる二人を見て激怒するザンパノ。
ナイフを出して青年を追い回す事件を起こし、二人の男は警察に連行され、逮捕者が出る騒ぎでサーカス団は解散することとなる。

ザンパノより拘置所から1日早く戻ってきた青年と一晩話し込むジェルソミーナ。

青年は「自分なんか何の役にも立たない」と話す彼女に「どんな物でも何かの役に立っている、例えば石ころでさえも。用のものなんかないんだ。そしてそれは神様だけが知っている。」と諭す。

彼は「僕と一緒に来ないか?」と誘うが、迷うジェルソミーナに「ザンパノは君を必要としているね、一緒にいてあげてくれ。」と語って二人は別れる。

その次の日の朝、拘置所を出たザンパノとまた旅に出るジェルソミーナ。
でも今までの嫌でたまらなかった気持ちとは違う。 ”私が彼についてあげてるのよ”と。

しかし、そんなジェルソミーナの優しい心もサンパノには通じない。
嵐の夜に泊めてくれた修道院で銀の十字架を盗もうとするザンパノに心を痛める。

そして、運悪く壊れた車を修理中の綱渡りの青年とまた出会ってしまう。
「あの時のお返しだ!」と青年を殴るザンパノは、勢いで青年を殺してしまう。

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そこは田舎道・・・誰も見ている者はいない。
ザンパノは青年の死体と車を川に投げ込み、その場を逃げ去ってしまう。
しかし、青年の死を見てしまったショックでジェルソミーナは心の平静を失い、毎日泣き暮らし、やがて体も精神も弱ってしまう。

それからは仕事にもならず困りはてるザンパノ。
しかし、青年を殺した事に後悔は無い。

「また二人で面白可笑しく旅を続けよう」というザンパノの言葉に再び様子がおかしくなるジェルソミーナ。
ザンパノはいつになく優しい言葉で実家に帰らせようとするのだが「一緒にいてあげる。彼がそうしろって言ったの。」と言う事をきいてはくれない。
そのうち外に眠りこむ彼女を見て、雪の残る山に置き去りにして逃げ去ってしまうのだった。

数年後、年老いたザンパノはまだ大道芸人を続けていた。
あの頃と同じ衣装で同じ鎖を切る芸を街で披露するザンパノはある海辺の街で、懐かしいメロディを耳にする。
それは綱渡りの青年がよくバイオリンで弾いていた物悲しい曲・・・それを聞いたジェルソミーナが好んでラッパで吹き鳴らしていた「あの曲」だった。

洗濯物を干しながら曲を口ずさむ若い娘にジェルソミーナの消息を尋ねるザンパノ。
しかし、ザンパノの淡い願いもむなしくジェルソミーナは数年前に病死していた。
この海辺の街で保護された彼女は誰にも自分の名前も告げず、言葉も話さず死んだのだという。
ただ、この曲を気分のいい日にラッパで吹くだけだった。

その夜、酒場で酔ったザンパノは、海岸で泣き続けた。
気楽に生き続けた粗野な男がはじめて知る喪失感と孤独の想いにいつまでも泣きつづけるのであった。

 

監督;フェデリコ・フェリーニ  元案・脚本;トゥリオ・ピネリ、フェデリコ・フェリーニ

ジェルソミーナ役のジュリエッタ・マシーナはフェリーニ監督の奥さん。

ザンパノ(イタリア語のZampa、悪の意。悪漢の象徴)

ジェルソミーナ(Gelsomina、イタリア語でジャスミンの意。花の名前、純粋さの象徴)

綱渡りの青年(The Fool、フランス語ではイル・マット=狂人の意味)

ヴェニス国際映画祭銀獅子賞(1954)・米アカデミー最優秀外国語賞(1956)受賞作品。

 


マンマ・ミーア! [映画【ま行】]

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ABBAの大ヒットナンバーに乗せてつづられる同名ミュージカルの映画化版!

『今宵、フィッツジェラルド劇場で』での歌手役で美声を聞かせたメリル・ストリープが、これでもかってABBAを歌って踊ってます。映画館はABBA世代でいっぱいでした。^・^

ABBA世代は終わった後もこの歌はどうだったなんて復習したりもしててなかなか席を離れませんでしたよ。

舞台はギリシャ。美しい海が広がる小島におんぼろホテルを経営しながら暮らすシングルマザーのドナ(メリル・ストリープ)とその娘ソフィ(アマンダ・セイフライド)。そして明日はソフィの結婚式。ソフィの結婚を祝うために島にはソフィやドナの友人が集まり、とってもにぎやか。

そこに何も知らすにやってきたサム(ピアース・ブロスナン)・ビル(ステラン・スカルスガルド)・ハリー(コリン・ファース)の3人。

実はソフィが母のドナの昔の日記を勝手に読んで、父親の可能性がある3人に母の名前で招待状を送っていたのだ。

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3人の父親候補の皆さん。ソフィの左から・・・・ハリー役のコリン・ファース・・どこかでみたけど誰だっけ?と考えていましたが『ブリジット・ジョーンズ』シリーズのブリジットの彼・マーク役の方ですね~。あ~すっきり。

ピアーズ・ブロスナンはどこからみても007ですが、昔の写真の長髪のヒッピー姿を見せてくれます、笑えますよ。勿論歌ってくれます。

ステラン・スカルスガルドはなんと『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの“ブーツストラップ”・ビル・ターナー!!『パイレーツ・・』では仮装?してたからわかりませんでした。

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どの人が本当のパパだった?!なんてことはまぁ置いといて、ソフィのはじけるような笑い顔が超可愛い!こんな可愛い子に突然「私のパパなの?」って聞かれたらどうします?

そして美しいギリシャの海、小高い島の上に建つ可愛い教会、素敵です。あの教会の階段は登れるかどうかは自信ないですが。

劇団四季の舞台は観ていないんですがロケーションだったらきっと映画の方が楽しめたはずです。

ストーリーは単純でわかりやすいのとABBAの音楽の軽快さであっという間にエンディング。帰りにはCD欲しくなりますよ。ABBAの歌って今でもCMなどでよく聞くんですがお話の台詞として歌われてますから歌詞をしっかり噛みしめて、こんな意味の歌だったんだ~なんて思ったりして。

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有名ミュージカルの映画化にはずれなしって感じです。ただ年齢的に上の方が踊って歌うので重い感じはしょうがないかしら?楽しかったんですが個人的には去年の『ヘアスプレー』のほうがもっとノリノリで好きかも。

     ★★★★


マンデラの名もなき看守 [映画【ま行】]

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アパルトヘイト政策により、黒人が差別されている1968年の南アフリカ。

白人看守のグレゴリー(ジョセフ・ファインズ)は、国内一の刑務所と名高いロベン島の看守として赴任してくる。ここには反政府運動の首謀者ネルソン・マンデラ(デニス・ヘイスバート)が収監されていた。マンデラの故郷の近くで育ったグレゴリーはマンデラが話すコーサ語が使える為、マンデラと仲間達の郵便物の検閲や会話のスパイを命じられる。

マンデラの担当に任命されたことで妻のグロリア(ダイアン・クルーガー)は夫の昇進に喜ぶ。やがて、マンデラとマンデラ婦人との面会中の会話から武装闘争の指示やマンデラの息子の近況を知り、仕事に忠実に少佐に報告するグレゴリー。その結果、婦人は逮捕され、息子は事故死することに衝撃を受ける。

 

とても静かな、そして27年という長い時間を追った実話の物語です。グレゴリーは幼いころ、黒人の友人と遊び棒術を学び、コーサ語を喋れる少年だったのですがアパルトヘイト政策の中、黒人というだけで差別し排除してしまう大勢の人々と大差がある人物ではありませんでした。妻のグロリアも黒人への差別は神が決めたことと子供たちに諭し、夫が昇進し暮らしが安定することを望んでいます。マンデラの監視は昇進へのチャンス。

しかしグレゴリーはマンデラと接するうちに少しづつ昔の友人だった黒人の少年との思い出が甦り、彼の自由への想いの正しさに気持ちが動いていきます。

勿論変わっていくのは最初は主人公だけで、周りの人々も妻さえもそんなグレゴリーを理解できません。グレゴリーは職場では冷たくあしらわれ、妻には責められ、生活の安全さえ失われていきます。長男だけがマンデラを尊敬し成長していきますが その後、マンデラの息子と同じように突然事故死してしまうのです。

歴史は突然変わるのではなく、人の心が理解し合い変わるには時間が必要なんだと実感させられる映画でした。あんなにもグレゴリーに批判的だった妻のグロリアがマンデラの釈放の時には祝福の声をかけ、マンデラが微笑むラストシーンは印象的でした。

原題は GOODBYE BAFANA。グレゴリーの著書を元に映画化されているそうです。

BAFANAはマンデラとの友情を間接的に橋渡しすることになった幼馴染の少年の名前です。

主人公の看守役のジョセフ・ファインズ。お兄さんのレイフ・ファインズにそっくり。  ★★★★

 

 

ネルソン・マンデラ(1918~)

1918年7月18日、南アフリカのウムタタ地方にテンブ族首長の息子として生まれる。フォートヘア大学に入学するも、学生運動に参加したため退学。その後ウィットワーテルスランド大学に進み、42年に法学の学位を取得。

44年にはANC(アフリカ民族会議)に入党。国民党が48年に政権を握り、アパルトヘイト政策が施行されると、マンデラとANC党員は政府の人種隔離政策に反対する運動を始める。56年、マンデラは国家反逆罪で逮捕されるが、5年後に無罪放免となる。

60年のシャープビルの大虐殺以後、ANCとは活動を禁止される。

マンデラはANCの非暴力の活動方針を見限り、ウムコント・ウェ・シズウェ(民族の槍)と呼ばれる軍事組織を設立。62年、5年間の重労働への服役を命じられ、63年には妨害行為、国家反逆罪、共謀罪で他の政治犯と共に有罪判決を受ける。終身刑。

90年になって、27年間という先例のない政治犯の長期投獄という事実を受け、フレデリック・デ・クラーク大統領はANCの活動禁止命令を解除。マンデラを釈放。

マンデラはその1年後ANCの議長に選出される。
このふたりは、その後アパルトヘイトを終焉させるための交渉に共に取り組むこととなった。

93年にはその功績を称えてノーベル平和賞を受賞。その翌年、南アフリカは史上初の自由選挙を行い、南アフリカ共和国初の黒人大統領となる。

マンデラは94年から99年までその任期を務め1999年2月、国会で最後の演説を行い、同年の総選挙を機に政界を引退し、ユネスコ親善大使に就任している。現在90歳。


ミスト [映画【ま行】]

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アメリカの田舎町。嵐の夜に庭の木がなぎ倒され自宅の窓ガラスが割れてしまったデヴィッド(トーマス・ジェーン)は次の日、妻を家に残して息子のデビー、隣人の弁護士ノートン(アンドレ・ブラウアー)と3人で街のスーパーマーケットへ向かう。

スーパーは昨日の嵐の影響で大勢の買い物客で込んでいる。外は軍人やパトカーが慌ただしく往来している。やがて静かに店の周りを白い霧が覆い尽くし、顔から血を流した男がスーパーに駆け込んでくるところから恐怖は始まる・・・・「霧の中に、何かがいる!」

       

1日は映画の日。今日はホラーを観るぞ!と気合を入れていってきましたが噂通り、いえ噂以上にすっごく怖かったです。(T.T) 映画館は込んでいて座席は前から3列目中央。画面、近っ・・・。座った時からすでに怖い~。「サイン」(2002・米)みたいに散々怖がらせた挙句に最後にあれは宇宙人?・・とは違い、怪物は意外に早くから出没します。

白い霧の中に潜む謎の生物に怯えスーパーマーケットに閉じこめられる人々。

最初は蛸のような得体の知れないにょろにょろしたものが店のシャッターの下から這い出てきて点検の為に外に出ようとした店員を襲い連れ去ります。怪物は人間を食べる!? 

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これを目撃したデヴィッドと数人はスーパーの客たちに「外は危険だ」と必死に伝えるのですが弁護士ノートンは信じることをせず、無謀にも外に出て行ってしまいます。(少し後にわかるのですが彼はとても悲惨なことになります。)                                                                                                  他にも銃を車から取ってこようと外に出る勇敢な人もいるのですが彼は体を引きちぎられてしまい、これを観た人々は初めて怪物の存在を確信。パニック状態となっていきます。

夜になると店の灯りに吸い寄せらるように昆虫に似た巨大な虫が飛び回り、その虫を追う生き物も現れスーパーのガラスを割り、人々を襲い始めます。虫に刺された人は体が腫れ上がって死んでしまい、犠牲者はどんどん増えてその度に「え!」「げ!」「ぐ!?」と自分でも訳のわからない言葉がぽろりと漏れてしまって口を押さえてしまいました。

銃で虫を撃とうとしても弾が切れていたり、モップに火をつけて焼こうとしてもライターが点かなかったり、バケツの油が体に掛かって火傷を負う人も。

CGで作られている虫達の気持ち悪いことと言ったら夢に出そうです。サイズも大から小までじゃうじゃ出てきて「勘弁してください・・・」状態。

しかし、この虫達や怪物たちが怖いは序の口。スーパーに閉じ込められた人々の中の一人、「これは神の祟りだ!私は神の声が聞ける!」と叫ぶ狂信的な女性ミセス・カーモディ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)がもっと怖い。

彼女は初めはただの“街の変わり者”だったのに、人々の心に潜む不安や恐怖が彼女を徐々に神の代弁者として認め始め、人間らしい理性は吹き飛び、彼女自身も神になったかのように選んだ者を生贄としてモンスターに捧げるという恐ろしい行動が始まります。そしてその魔の手はデヴィッドの息子デビーにまで伸びようとするのです。

デヴィッドたち数人は生きる望みを託して駐車場にとめた車でこのスーパーを逃げ出します。

白く濁った先も見えない風景の中でゆっくり車を走らせるデヴィッド。廃墟となった街には人間はいない。ガソリンが切れる前に霧から抜け出すことは出きるのか。 

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スティーブン・キングの原作とは違うラストで描かれたというこの作品。原作を読んだ人も驚くラストになっているとのこと。確かにこのラストはキツイです・・・。

監督は『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』のフランク・ダラボン監督。謎の生物の出現や原因とかよりも、恐怖に怯える人々が起こすパニックや群集心理、無謀な行動、理性を失っていく様を描いた作品になっていました。側にいた人が突然生贄の対象となり殺される。次は誰?これは怖い。

キングの原作ではラストは読者に結末がゆだねられるそうで、史上最悪の結末は監督の考えだったようです。生き延びたいと思うのは誰でも同じです。そのとき自分なら。

神に祈るのか?

怯えて身を隠しているのか?

リーダーらしき人に従うのか?

自殺するのか?

勇気を出して逃げ出すのでしょうか?

主人公の決断はその時々で一番正しかったかもしれませんが、犠牲者出しすぎです。善が正義という結末でもありませんのでこれから観る方は覚悟してください。気分が落ち込んでるときも観ないでね。金返せって思うかも・・・。R15指定です。

帰りは頭痛がしましたがたこ焼き食べちゃいました。映画館が“なんば”だったので。(笑

この恐怖は★★★★?(でも後味悪いし××も○○もあんなことに・・・ぶつぶつ・・)とにかく怖かったです。

 

ラスト近くの巨大生物は「こりゃウルトラマンが倒しに来ないと無理!」と思える絶望的な大きさですよ。

 


モンゴル [映画【ま行】]

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準備期間1年、撮影に2年、音楽・編集・CGに1年。                                                            総制作費50億円、ドイツ・ロシア・カザフスタン・モンゴル4ヶ国合作。                                                               浅野忠信主演での第80回アカデミー賞外国語映画部門ノミネートで記憶に新しいこの映画、壮大な映画でした。日本での公開は全く未定だったそうでアカデミー賞ノミネートのお陰でうちの近くのシネコンでも観れるなんて、感激です。

 

ロシア人セルゲイ・ボドロフ監督が、チンギス・ハーンの生涯をアジア人を使って作った映画ですが全編モンゴル語!                                                                                                                                                                                                                                                                    主演のテムジン(浅野忠信)は日本人、盟友(=アンダ)でライバルのジャムカ(スン・ホンレイ)は中国の役者さん。乗馬や剣術、モンゴル語をマスターし演じるのは大変な努力だったと思います。                                                                                                           テムジンの妻役のクーラン・チュランはモンゴルの方。学生の彼女は今回が初めての映画だそうです。とってもモンゴルの雰囲気を感じる綺麗な女優さんでした。

                                                                                 スタッフはドイツ、ロシア、カザフスタン、モンゴル、中国、韓国、香港、フランス、オーストラリア、オランダ、フィンランド、アメリカ、日本からの参加だとか。現場では何語で話していたんでしょうね。

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モンゴル遊牧民族の長イェスゲイの長男として生まれたテムジン。                                                                                                                やがてチンギス・ハーンと呼ばれるようになるまでの彼の若き日の史実を元に歴史書『元朝秘史』に書かれていないチンギス・ハーンの人生の空白期間を、「おそらく敵に捕らえられ牢に繋がれていたのだ」というロシアの歴史学者グミリョーフの仮説を大胆に取り入れて描かれています。                                                                  

なのでチンギス・ハーンの話にまったく疎い私は“すごく苦労したのね・・・”と素直に受け止めて観ていたんですが、ハーンに詳しい方や特にモンゴルの方などは「???」なのだそうで・・・・・・とりあえず「蒼き狼 地果て海尽きるまで」(未見・映画館の予告で全部日本人+日本語にどん引きしてしまい今まで観てませんでした^・^;)を改めてレンタルで観てお勉強しなきゃ。この映画となにかと比較されてますしね。

shopping_01.jpg(2006年 日本/モンゴル)総制作費30億円!でも文春きいちご賞受賞らしい・・。観るのがどきどきです。

 

遊牧民族の頭領である父と家臣と共に、9歳のテムジンは妻を探す旅に出る。                         運命の出会いで妻も見つかり、5年後に迎えにくると婚姻の約束をして帰る旅路で、他民族を信用して飲んだ飲み物に毒を入れられ父が突然亡くなってしまってからテムジンの苦難の人生が始まる。                                              家臣であるはずのタルグタイがテムジンを裏切り、家財を奪い、命を狙っているのだ。                                                                               モンゴルには女と子供は殺さないという掟があった為、命だけは奪われずにすんでいるが成長した時には必ず殺される。タルグタイから逃げ出したテムジンは過酷な自然の中で少年ジャムカに助けられる。お互いを認め合った二人は兄弟の杯を交わすのだが・・・・。

とにかく、昨日の家臣は今日は敵。親友も明日には敵。周りは敵だらけ。                                                                 テムジンは生き伸びるのが奇跡のような環境です。こんな環境でも生き延びる体力と強運がないと支配者には成りえないというんでしょう。                                                                後半の戦闘シーンは「戦闘」というより「合戦」、「戦う」んじゃなくて「ぶった切る」                              CGが駆使されているんでしょう、切られた身体からは赤い血が飛ぶ飛ぶ!!

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セルゲイ・ボドロフ監督は99年、01年に続き、3回目のアカデミー賞外国語賞ノミネート。                         この作品はなんと3部作構想が監督から公表されたらしく、次回は大帝国を築く彼が観れるんでしょうか?

 

家族を愛し、配下に情が厚く、慕われ、大軍を率いる敵には毅然と立ち向かうテムジン。                                                     苦労して覚えたモンゴル語の台本が撮影1週間前に全部書き換えられていたとは主演の浅野さんのお話。もう何が起こっても驚かないのだとか。                                                                                                               モンゴルの平原が似合うでかい役者さんになっちゃってます。次回作に期待です。★★★★

 

ちょいとだけケチをつけるとしたら長い間幽閉された後、狭い牢屋から飛んで逃げることは無理かと。座ったまま全く動かしていないと筋肉は動けなくなるので歩くのも難しいのでは・・・。                                                    瞑想しながら見えないところで鍛えていたのかな?瞑想シーンは今回監督さんが絶対表現したかったところみたいなんですけどね。   ^・^;


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