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ペルセポリス [映画【は行】]

 

【2007年カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品 審査員賞受賞】  

パリに住むマルジャン・サトラビ監督による自伝的グラフィックノベル『ペルセポリス』を映画化。

1970年代。
イランに住む少女9歳のマルジはお父さんとお母さん、そしておばあちゃんと何不自由なく暮らしていたが、
そんなある日革命が始まる。
やがて新イスラム共和国が誕生、お父さんの兄のアヌーシュ叔父さんも解放される。
叔父さんは反政府主義者として投獄されていた。
帰って来た叔父さんはマルジを可愛がってくれたが今度は新政府に連行され、やがて処刑される。

日本からは遠い国のイラン。
ニュースでは流れていてもそこで暮らす少女がどんな暮らしをしているのかは全くわからない。

でもマルジはどこにでもいるような女の子。
日本の女の子と全くかわりが無い。
音楽が好き、時には友達をいじめたりもしてしまう。
おしゃれだって大好き。
黒いベールなんて大嫌いなのだ。

時は流れ、成長したマルジだが政治は不安定で娘の将来に不安を感じた両親は彼女をオーストリアに留学させる。
しかし親の心子知らず。お酒に恋に失恋でホームレス状態に。
ヨーロッパで一人で暮らすことは異邦人のマルジには辛すぎる。

70年から90年代のイラン~オーストリア~イランを少女の目から見たアニメーション映画です。
モノクロの画面は親しみやすい絵柄ですが戦争の無意味さも語られます。

人間的に幼すぎる主人公は何度も失敗し、挫折する。                                         運命の人と思う人に何人も出会っては別れているし、自分が助かるために嘘もついて罪も無い人を巻き込んでしまったり。
その要所要所で
おばあちゃんが「公明正大でいる事」の大切さを教えてくれる。
おばあちゃんはマルジの良心なのかも。  
胸にジャスミンを忍ばせ、いい香りをさせている素敵なおばあちゃん。 

そして娘に外国で暮らす道を勧める両親。
もちろんかなりのお金持ちでないとそんなことは出来ないのですが、子どもと離れて暮らす道を選択するのは親としてとても辛いことだと思うのです。 
イランではベールで顔を隠し、女性の地位の低さに耐える日々。
たとえば女は学校に遅れるからと走ることも出来ない。
理由がお尻が揺れるのを男性にみせたらいけないからだなんてあんまりである。
もちろん恋人と一緒に歩くことは出来ない。

自由と家族と暮らせる幸せが普通にある国で生活していることに感謝。

遠くの国だったイランが身近になりました。      ★★★☆


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バラサ☆バラサ

少しイランが身近になりましたね。
はっきりって、かなりネガティブなイメージが多い国ですが、そこで暮らす人々は普通なんだなぁと、今更ながら感じました。
by バラサ☆バラサ (2008-01-28 22:13) 

キキ

バラサ☆バラサさん、こんばんは。
コメントとniceとトラックバックありがとうございます。
イランでは映画館でゴジラ(ですよね?)やってたりするんですね。
もっと知りたいと思うきっかけになる映画です。
by キキ (2008-01-29 01:01) 

Alison

こんにちは。サトラピの「刺繍」はもう読まれました? こちらにも、含蓄のあるおばあちゃんのことばがちりばめられています。
by Alison (2008-02-19 21:40) 

キキ

Alisonさん、こんばんは。はじめまして。
ご訪問ありがとうございます。
マルジャン・サトラピさんの邦訳書は3冊あるらしいですね。
イスラム女性の含蓄、読んでみたいと思います。
by キキ (2008-02-19 23:40) 

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