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さらば、ベルリン [映画【さ行】]

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職場の友人から誘われ、Y文化センターの☆6月の名画鑑賞会☆で観てきました。

毎月新聞やさんが彼女のマンションのポストに入れてくれるそうですが・・・ん?うちもY新聞なのにぃ?公開は去年の秋だった作品です。

主演はジョージ・クルーニー、トビー・マグワイヤ、ケイト・ブランシェット。

監督はジョージ・クルーニーとのコンビも多い(オーシャンズシリーズ、フィクサー)スティーヴン・ソダーバーグ。ケイト・ブランシェットとは「アイム・ノット・ゼア」。

時は第二次世界大戦直後の1945年5月。日本はまだ戦時下でしたがドイツは敗戦していました。

ベルリンにポツダム会談の取材で米国陸軍の従軍記者としてやってきたジェイク(ジョージ・クルーニー)はかつての恋人レーナ(ケイト・ブランシェット)に再会します。レーナはジェイクの運転手のタリー伍長(トビー・マグワイア)の恋人で娼婦でした。この再会は偶然ではなく誰かに仕組まれたもの?戦争の影に隠れたレーナの秘密とは?

当時のベルリンのフイルムも使用して全編モノクロでした。敗戦直後のベルリンは瓦礫の山です。モノクロだと米軍兵士、ソ連軍兵士など入り乱れてレーナを探すジェィクをぼこぼこ殴るんですけど、殴っている人の顔は映してくれないし、軍服の色等で判別もできずサスペンスなのにストーリーが追い難くて難解にしていました。

せっかく殴られているジェイクですが「彼を今殴っているのは誰?」状態。しかもジェイク弱すぎ。ジェイクよりどう見ても弱そうなタリー伍長にまで殴られて蹴られます。軍服似合ってるんですけどね~。

タリー伍長役のトビー・マグワイヤもレーナ絡みでやはりぼこぼこに殴られ腕も折られます。そして、早い時期に撃たれてあっけなく死んじゃいます。

それから彼を殺したのは誰か、ってところも伏線になっていくんですけど珍しく極悪人役のトビー。ジェイクの財布を盗むなんて当たり前。ソ連軍には物資も横流ししてます。

レーナ(ケイト・ブランシェット=モノクロだからか黒髪です)は夫がいるのにジェイクと過去に浮気をしていて、今はタリーの恋人。生活の為に娼婦で生活をつないでいます。

タリーはレーナの夫が米軍から追われているのを偶然知り、ソ軍にその情報をお金で売ろうとした矢先何者かに殺されてしまうのですが、死んだはずのレーナの夫は実は生きていて、有能な数学者であり、ロケット開発やナチスの行っていた研究に関わっていたことが徐々に分かっていきます。そして世界大戦後の米とソ連の冷戦の始まりを予感させていくのです。

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この映画ラストまで観たら分かるんですが「カサブランカ」を意識して作られた映画だったようです。ケイト・ブランシェットの服装、帽子、飛行機の別れ・・・そっくりです、たぶん。でも途中“君の瞳に乾杯”なんて名台詞も言って貰えませんでしたし、ラストは切なくも無く、ボギーはジョージ・クルーニーってことなんでしょうが記者の仕事もせずに元恋人を追いかけてばかりが目立ちます。レーナのご主人を探しだすために利用されていたわけですから仕事はしていたのかしら。                    

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こちらは「カサブランカ」1942年(米)。似てるでしょ。

夫とジェイクとタリーに愛されるレーナも誰が好きなのかわからないし、後悔はしているけど結局自分が好きなの?って感じの強かな女性でした。これだけのアカデミー賞キャストなのに上手く謎解きが楽しめる映画にはなっていなくて、レーナの最後の告白も「ええ~」じゃなくて「ふ~ん」って感じでした。生きていくってことが大変な時代に生きる人たち。責められません。昔の映画の形は模倣してても女性の描き方は違います。娼婦になっていることには驚かないジェイクなのにそれは許さないのね、と思ったりしました。「哀愁」(1940・米)みたいなヒロインは過去のものですか?

ENDが出て明るくなった瞬間、友人が「これってどういう意味だったんですか?」って聞いてきて、すぐ後ろの席でも数人がストーリーを解説する人と聞き入る人に分かれていて笑いました。                                   

 

原作は、“The Good German”「ナチス支配下のドイツに善人はいたのか」

「さらば、ベルリン」という邦題はイマイチ。余韻に酔いしれる「カサブランカ」を観たくなりました。         ★★★

 


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コメント 4

丹下段平

予告編を観た時は『カサブランカ』のパロディかと思いましたが、違うんですね。
by 丹下段平 (2008-06-15 18:30) 

キキ

段平さん、こんにちは。
コメントとniceをありがとうございます。
この映画全く知らなかったのでモノクロでびっくりでした。
ちゃんと分厚い原作があるらしいですが原作とは話が違うらしいです。
ジョージ・クルーニーは何かと殴られて倒れていました。
by キキ (2008-06-15 21:54) 

キキ

xml_xsl さん、niceありがとうございました。

by キキ (2008-06-17 07:17) 

キキ

デザイン屋さん、niceありがとうございました。
by キキ (2008-06-25 19:37) 

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