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闇の列車、光の旅 [映画【やらわ】]

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ホンジュラス共和国から父と叔父と共にアメリカ、ニュージャージーに移民として密入国を試みる少女サイラ(パウリナ・ガイタン)。メキシコから出る列車の屋根の上に乗り込み、命がけの旅が始まる。

そんな密入国者を狙って列車に乗り込んでくる3人のメキシコの少年ギャング。サイラはギャングのリーダーに金品を奪われるだけではなく、襲われそうになってしまう。

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危うい所で救ってくれたのは同じギャングであるはずのカスペル(エドガール・フローレス)だった。実はリーダーに恋人を殺されたいきさつがカスペルを動かしたのだが、結果リーダーを殺してしまったカスペルはギャング団から追われ、密入国車達との列車で逃避行を余儀なくされる。

命の恩人に淡い恋心が芽生えるサイラ。しかし、組織はどこまでも追いかけてくる事を誰よりも知るカルぺル。サイラを助けたのは助ける事が出来ず死んでしまった恋人の替わりであっただけで彼には生きる希望すら残ってはいない。いつ殺されるのか、その時を待っているのだ。

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追いかけてくるメキシコのギャング団、ストリートギャングの怖さが前半、丁寧に描かれます。

自分たちの所属を示すタトゥーを体に顔に入れて組織に忠誠を示す少年たち、そうやって自分の身を守るしかないかのように。

入団するにはまず、殴って蹴られて、それに耐えた者に手作りであろうパイプ銃で抗争相手を殺させる、そんな非情な力と掟で縛り付けられた集団・・・。広範囲に広がる組織からカスペルに逃げる手段は見つかるのか。

そして「ここ(ホンジュラス)に未来などない」と言ったサイラの叔父や父の運命は?

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カスペルくん、モテモテです。彼女が殺された訳も彼女の幼い嫉妬心からだし、サイラも父や叔父を捨てて列車をこっそり降りた彼を追いかけます。死んでしまっているカスペルくんの彼女はすごく可愛い子ですがあんなにタトゥーだらけの彼がギャングだって気付かないわけじゃないでしょうし、サイラだって今は命がけの旅のはずなのに?と思わない訳でもないんですがまぁ、これが乙女の恋心なんでしょうか。

少し前にみた北朝鮮の脱北を描いた韓国映画『クロッシング』の「豊かな国にしか神はいないのか!」という悲痛な叫びは見えず、残酷なラストに違いはありませんが涙はこみあげることはありませんでした。ただ普通の幼い子供たちが平気で犯罪に手をそめていくストーリーが切ないです。

アメリカに行けば希望はあるのか、それは分かりませんけど中南米のある現実をみた映画でした。

監督;ケイリー・ジョージ・フクナガ     ★★★★ 


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クローヴ

ホンジュラスも貧しい国なんですね。
ホンジュラス産のコーヒー豆も目にしますが、
フェアトレードであってほしいものです。
by クローヴ (2010-09-07 23:31) 

キキ

クローヴさん、niceとコメントありがとうございます。
ホンジュラスの知識が無いんで細かい事は分かりませんけど
かなり貧しい国のようでアメリカへ密入国を企てては
強制送還されたり・・・って感じでした。
コーヒー豆の産地なんですね、ちょっと意識してお店で見てみます。
by キキ (2010-09-08 20:43) 

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