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コクリコ坂から [映画【か行】]

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1963年、横浜。

海が見える丘に建つ下宿宿コクリコ荘に住む16歳の少女、海(声・長澤まさみ)。
彼女は祖母が営むこの下宿屋を切り盛りしていた。
そして毎朝海に向かって信号旗をあげる海。
その旗の意味は「安全な航行を祈る」。
一方、父のタグボートで通学していた17歳の俊(声・岡田准一)は海の上から毎朝この旗を観て
ボートから信号旗で少女へと返信を送っていた。

そして二人が通う港南学園で知り合い徐々に惹かれあうが
両親たちの若い日の秘密を知り戸惑う事となる・・・。

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1980年に少女雑誌の『なかよし』に連載された高橋千鶴さんの漫画が元になっています。
原作は佐山哲郎さん。
タイトルのコクリコはフランス語でひなげしを意味しています。

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1980年当時には話題にはならなかったようですが
偶然宮崎駿監督が読んでいて(宮崎監督に言わせると不発に終わった作品)
今回長編アニメーション化になったもの。
そういう意味で1989年、同じく少女雑誌の『りぼん』に連載された
『耳をすませば』(1995・監督は近藤喜文)と似ています。
『耳すま』が好きだった人ならこの作品もツボじゃないかなと思います。

監督は『ゲド戦記』に続き宮崎吾朗さんですが宮崎駿監督の企画・脚本ということで
駿監督の思いいれが強く感じられる作品になっています。
原作は読んだ事ありませんけど、原作をかなり修正して
時代も意識的に東京オリンピックの前年に変えて
古いものを切り捨て新しいものを創造する時代設定に変えられているようです。

海たちの学園でも老朽化の為に建て替えを迫られる
文化部部室の“カルチェラタン”が丁寧に描かれますし、
街には工場から赤や緑の煙を吐き出す煙突も公害問題として映し出されます。

主人公の少女の父は朝鮮戦争で亡くなっています。
やがて初恋の少年との関係は出生の秘密の話となっていき
海は悩みながらも亡き父と正面から向き合うこととなっていきます。

少年と少女の恋、出生の秘密、友情・・など時代も少し前だけどストーリー展開も懐かしい設定で、
凛とした少女の生活や生き方がうらやましくもあり、可愛くもあり。
こんな時代に少しの時間でも自分も迷いこめた楽しさが感じられる作品になっているので
大人の方が共感出来る映画ですね。

夏休みに子供にせがまれて映画館に来たとしたら、
子供たちと観終わったあとに沢山話が出来るかもしれません。
隣に一人で座っていた女性は大きなポップコーンを頬張りながら観ていたんですが
終わる頃には号泣してました。

宮崎作品には「のの法則」というものがあるらしく、
「の」が入ったタイトル作品がヒットするという法則が存在するらしいです。
(例えば『となりのトトロ』『天空の城ラピュタ』『魔女の宅急便』『崖の上のポニョ』など。)
その法則からいうとこの作品には「の」はありませんけど
私はもう一回観たいです。   ★★★★☆


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コメント 11

キキ

冴原 よこさん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2011-07-23 18:06) 

non_0101

こんにちは。
物語の時代が心地よく感じられました~
主人公たちの姿というか、こういう時代の純粋さが可愛かったです。
“カルチェラタン”楽しかったですね(^^)
思わずハウルの城を思い出しました。
私も終わりまでに、小さなお子様のいなくなった静かな映画館で
もう一度観たいかも(^^ゞ
by non_0101 (2011-07-25 23:04) 

キキ

non_0101さん、こんにちは。
夏休みなので小さなお子さん連れが多いですね。
夜の上映時間だと少ないかも・・・。

カルチェラタンって最初何かと思いました。
もし学生時代に戻れるならって想いが浮かぶ映画でした。
by キキ (2011-07-26 08:01) 

キキ

munesueさん、こんにちは。
niceありがとうございます。

by キキ (2011-08-02 07:20) 

バラサ☆バラサ

当時「耳をすませば」と、どちらを映画化するかの二択だったらしいですね。

わたしや吾朗より上の世代の人たちの話ですが、我々にも郷愁を感じさせる話でした。親の七光り扱いの吾朗でしたが、これで評価は変わるものと思います。

「の」の法則ですが、「風の谷のナウシカ」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「もののけ姫(?)」などもありますが、例外がひとつ「ホーホケキョとなりの山田くん」
by バラサ☆バラサ (2011-08-02 15:10) 

キキ

バラサ☆バラサさん、こんにちは。
コメントとniceありがとうございます。

「耳をすませば」を制作に決めた頃は「コクリコ坂」は
ちょっと時代が古い、とのことで「耳すま」決定となったんだとか。
今はノスタルジーを感じる時代になったので
映画化を決めたらしいです。
「耳すま」の監督は急逝されていたらしいですね。
吾朗監督の評価は私も上がりました。
「ホーホケキョとなりの山田くん」は確かに例外です。^.^
by キキ (2011-08-02 18:14) 

クローヴ

原作は1980年の“なかよし”に連載ですか!
その頃から少女漫画読み始めたので、とっても興味が。。。
映画の内容とは別の意味でノスタルジーを感じてしまいます(^^;
『耳すま』が“りぼん”連載だったのも知りませんでした〜(^^;
by クローヴ (2011-08-06 21:57) 

キキ

クローヴさん、こんにちは。
コメントとniceありがとうございます。

そうなんです、『なかよし』に連載されていたものらしいです。
宮崎駿監督も当時『なかよし』を愛読していたということですよね。


by キキ (2011-08-07 17:23) 

キキ

みなみーさん、こんにちは。
お久しぶりです。
niceをありがとうございます。
by キキ (2011-09-18 19:18) 

みなみー

これみたい!
なかよしなんて懐かしい~
小さいときの横浜だし!
by みなみー (2011-09-18 21:32) 

キキ

みなみーさん、こんにちは。
まだ上映中なので是非行ってくださいね。
ちょっぴり泣けますよ。
by キキ (2011-09-19 07:23) 

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