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かぞくのくに [映画【か行】]

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第86回キネマ旬報ベスト・テン、日本映画ベスト・テン第1位、主演女優賞受賞作品 。

2012年公開の邦画でキネマ旬報で1位の映画です。
観たいと思って観れないままでしたがご近所の映画館でやっていたので観てきました。

予備知識としては監督のヤン・ヨンヒさんの自伝に近いお話で原作、脚本、監督を務めていること。

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帰国事業で16歳で北朝鮮に渡った兄ソンホ(井浦新)を迎える妹リエ(安藤サクラ)。
ソンホは5年前に脳に腫瘍が見つかっており、その治療目的で25年ぶりの日本への帰国が許されたのだ。
しかし期限はわずか3か月。
同胞協会副委員長を務める父、喫茶店を営む母、そして日本で生まれ育った妹のリエの3人と叔父は25年ぶりの再会を喜ぶ。
しかし、北朝鮮の監視の男(ヤン・イクチュン)がいつもソンホとその家族を見張っているのだった。

<帰国事業>とは1950年から20年に渡り続いた北朝鮮への集団移民の事で、日本での人種差別や貧困に苦しんだ9万人以上の在日朝鮮人が当時「地上の楽園」と謳われた北朝鮮に永久帰国または移住したこと。
そして帰国者と呼ばれるこの人々は国交がないためその後の日本への入国は許されていない。

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病気ではあるけれど兄が帰ってきて再会を喜ぶ主人公や家族やソンホの友人たち。
父が無理やり兄を北朝鮮に一人で送り出したということは後半わかってきますがその経緯の説明が無いのでよくわからない・・と思いつつストーリーが進んで行きます。
北朝鮮の事情に詳しい方ならわかるのかもしれませんが、知らない人にもわかる説明が最初に欲しいところです。

日本人の俳優さんをキャスティングしていますが半分くらい韓国語で会話がされています。
無口な北朝鮮監視官に『息もできない』のヤン・イクチュン。

同じ部屋で寝る兄妹、やがて申し訳なさそうに北朝鮮のスパイになってくれないかと妹に話す兄。
そんな兄の申し出に驚く妹。
あの国に生きる為には何も考えてはいけないのだと兄。
そして病気の治療も出来ないまま3か月を待たずに帰国の命令が下ります。

事情に疎い私は監督の想いが半分も理解できなかったかもしれません。
閉ざされた兄家族が住む、あの国に住む難しさ。
淡々と語られるお話にただ悲しいとか可哀想だけでは図れないものが流れています。

父が兄を渡らせた事情として当時の日本における民族差別が原因で子供の教育や将来を見据えたときに帰国を選ばせる一因となっていったことがあるのですが映画では語られません。

  ★★★☆


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コメント 8

キキ

りんこうさん、niceありがとうございます。
by キキ (2013-06-28 19:09) 

キキ

yu-papaさん、niceありがとうございます。

by キキ (2013-06-28 19:10) 

キキ

non_0101さん、niceありがとうございます。
by キキ (2013-07-01 21:30) 

キキ

ネオ・アッキーさん、niceありがとうございます。
by キキ (2013-07-01 21:32) 

coco030705

こんにちは。
北朝鮮の問題は難しいですね。国家が統制しているので、
本当のことがよくわかりませんものね。
でも年配の人達に聞くと、戦時中の日本は北朝鮮と同じだったと
おっしゃっています。だから、何が悪いのか、本当の事とは何なのか
外側から見ていただけではわからないと思います。
by coco030705 (2013-07-03 16:03) 

キキ

coco030705さん、こんにちは。
そうなんです。
アカデミー賞外国語賞の日本日本代表で出品されたらしいのですが
難しい映画でした。
離れて暮らす兄が来て帰るまでの1週間を描いた映画でしたが、
在日の女性監督なので実際に近いフィクションなのだと思います。

by キキ (2013-07-03 20:47) 

クローヴ

昨年、夕方のラジオ(ニッポン放送)に監督のヤン・ヨンヒさんがよく出られていて、とても面白い方だったので、このような映画を撮られるとは全く意外でした。
帰国事業は1950年から20年間ですか…歴史、と呼ぶにはまだ浅い出来事ですね。
by クローヴ (2013-07-03 22:43) 

キキ

クローヴさん、こんばんは。
ヤン・ヨンヒ監督、あちこちでよくトーク番組に出演されているようですね。
映画というよりドキュメンタリーのようなお話でした。
とても勉強になった映画でした。

by キキ (2013-07-04 00:40) 

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