ウォルト・ディズニーの約束 [映画【あ行】]
大人に観てもらいたいディズニー映画でした。
ウォルト・ディズニー氏がメジャー映画に描かれたのは初めてだということです。
でも主人公はウォルトではなく彼が制作してアカデミー賞5部門で受賞したミュージカル映画『メリーポピンズ』の原作者パメラ.L.トラヴァースのお話です。
‟娘が大好きな童話『メリーポピンズ』を映画化したい”とウォルト・ディズニー(トム・ハンクス)から映画化の話を受けても偏屈なイギリスの児童作家パメラ.L.トラヴァース(エマ・トンプソン)は映画の権利を長年譲りませんでした。
オファーから20年も経った今回、彼女は渋々ハリウッドに出かけることとなります。
それは金銭的な問題の様です。
嫌々訪れる滞在先は全て気に入らないパメラ。
浮ついたカリフォルニアの晴れた天気も、滞在するホテルの部屋に置かれたディズニーのキャラクターのぬいぐるみも気に入りません。
部屋に置かれたフルーツの洋ナシなんて見たくもないと窓の外に投げ捨ててしまいます。
ディズニー社にミーティングに行けばミュージカルなんてとんでもない、アニメなんてとんでもない、アメリカの商業主義の映画なんてとんでもない、お話の主人公たちが住む町の番地まで気に入らないと小言を言っては製作者たちを困らせます。
でもそこまで細かくパメラが物語にこだわるのは何故なのか?
偏屈おばさんの現在と交互に映し出されていくのはパメラの少女時代でした。
その幼少期の思い出が進むにしたがって今まで聞いてきた彼女のお小言の謎が「なるほど」と理解できていきます。
ラストの映画の試写会で彼女があれだけ嫌がっていた商業主義が詰まったミュージカル映画で大泣きしてしまう姿に私もジーンとしてしまうのです。
私は映画『メリーポピンズ』を観たことは無かったのですが実写とアニメーションの融合映画だということは知っていました。
でも映画化されるまで原作者との間にこんなことが起こっていたとは。
映画の原題は「Saving Mr. Banks」。
ミスターバンクスとは『メリーポピンズ』の物語の中のお父さんで、モデルがパメラの父。
パパが大好きだったパメラ。
オーストラリアで暮らしていた幼い頃、銀行家のやさしいパパ(コリン・ファレル)は仕事が長続きをせずアルコール依存症になってしまいます。
その頃の悲しい思い出が童話「メリーポピンズ」となっていたのです。
父を守りたいというその想いが充分過ぎるほど理解できるウォルト。
一匹のネズミを愛してやまないのはウォルトも同じなのですから。
ラスト近くのトム・ハンクスとエマ・トンプソンの会話はディズニー映画はなぜ悲しいラストは無く、楽しく作られるのかも一緒に語られていきます。
まさにこの映画のポスター。上手いですね。
パメラの父を演じるコリン・ファレルが素敵です。
コリン・ファレルらしくないからかな。笑。
パメラが唯一心を許した運転手役にポール・ジアマッティ。
こちらも彼とはわからなかったです。
エンドロールにパメラが契約の為に録らせた肉声が流れます。
ラストまでひねりの効いた、ほろりと泣ける素敵な映画でした。 ★★★★☆
監督はジョン・リー・ハンコック『しあわせの隠れ場所』
makimakiさん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2014-04-07 21:52)
non_0101さん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2014-04-07 22:03)
くらいふさん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2014-04-19 14:35)
ネオ・アッキーさん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2014-04-19 14:35)
のらんさん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2014-04-19 23:40)
こんばんは。
最後のトラヴァース夫人のテープの肉声が、エマ・トンプソンの演じるトラヴァース夫人とそっくりだったので、びっくりでした。すごいですね。
俳優さん、皆とてもよかったと思います。考えてみたら、メリー・ポピンズの製作裏話という、脇道作品ともいえるものでした。が、交互に出てくるトラヴァース夫人の悲しい幼年時代の話が作品に深みを与えたと思います。そして名優たちのお蔭で本当にいい映画になりましたね。
by coco030705 (2014-04-20 20:38)
coco030705さん、こんにちは。
作者の辛い思い出が児童小説として昇華して、それが映画となって、その作成秘話がまた映画化されてとつながっていくんですね。
トラヴァース夫人の父を演じたコリン・ファレルが今回なかなか素敵だと思いました。
by キキ (2014-04-20 23:52)