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おみおくりの作法 [映画【あ行】]

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イギリス映画です。

ロンドンの公務員、民生係のジョン・メイ(エディ・マーサン)。
最後にわかるのですが44歳です。もちょっと年上に見えました。独身です。

仕事は担当地区で孤独死をした人の後始末。
一人で担当しています。
その方の家に出向き、大家さんの話を聞いたり残された遺品から家族や知人を探し出し連絡を取っていきます。

ですが、孤独死をする人は問題を抱えていることが多く家族と疎遠になっていますので引き取り手がみつかりません。
ジョンはその几帳面さからそんな人たちの葬儀までも出してあげていました。
見知らぬ死者であっても遺品から見つけたBGMを選び、神父に語ってもらう最後の弔辞も考えてあげるのです。
出来る限りの暖かい葬儀で沢山の死者たちを送り出してきました。

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でもそんな彼の仕事ぶりは上司には認められてはいませんでした。
上司は言います。
「葬式なんて生きてる人の為のもの。身寄りがいなければさっさと火葬にしておしまいにしろ」と。
時間とコストをかけたジョンはリストラとなり、今朝見つかった男が最後の仕事となってしまいました。

最後の仕事はご近所の男でした。
その男の家族探しにのめりこむジョン。
今まで静かだった生活に少しづつ動きが見えてきます。
そしてジョンにも新しい生活が訪れる予感がしたとき衝撃の展開が。

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ラストは教えない方がいいですね。
衝撃の展開のあと、じんわりと涙がこぼれます。

質素で同じ生活を送っているジョン。
晩御飯は缶詰とパンだけ。
そんな彼の生活がユーモアも交えながら淡々と語られます。

ジョン自身、独り身ですし仕事以外の友達も家族もいなさそう。
ジョンのアルバムにはなんと調査が終了した孤独死の人たちの写真が並んでいます。
その写真は若くて綺麗な顔立ちであったり結婚式ではにかんでいたりと、孤独死をするとは思えないほどの微笑みに満ちた写真ばかりでした。

生きるとはなにかをしみじみと考えさせてくれる深くて静かな映画でした。★★★★☆

監督・脚本:ウベルト・パゾリーニ


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コメント 7

月夜のうずのしゅげ

わたくし映画を観る前に
衝撃の展開を知ってしまっても
かまわないほうです(笑)
疲れ気味で劇場にはしばらく行っていませんが
キキさんの絶妙なご紹介で心が動き
「おみおくりの作法」を見にことにしました。
by 月夜のうずのしゅげ (2015-03-09 21:52) 

キキ

makimakiさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2015-03-12 21:50) 

キキ

non_0101さん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2015-03-12 21:50) 

キキ

月夜のうずのしゅげさん、こんにちは。
いつもご訪問ありがとうございます。
そうですか、わかっても大丈夫?^^
私は観たい映画はなるべく最小限の情報で、のタイプです。
この映画はとても観たくて楽しみにしてました。
ご感想を楽しみにしております。
by キキ (2015-03-12 22:00) 

のらん

わぁ、これは、めっちゃ好みの映画です、きっと♡
予告編からいいですもん。ジョン・メイ44歳・・・独身・・・
毎日、決まった時間に起きて、缶詰とパンで食事して、
人生を粛々と過ごすことが、この人の「生きる」ということなのでしょうね。
イギリス映画で、ときどき、しみじみと味わい深い作品に出会うことがありますが、これはきっとそのひとつ。映画館に・・・行けるかな?(^_^;
by のらん (2015-03-14 16:33) 

キキ

のらんさん、こんにちは。
きっとのらんさんも好みの映画です。
誰にでもそれぞれの人生があって・・・でもうまくいかなくて。
認められなくても誰かが努力をみているって映画でした。
機会があればぜひ。^^

by キキ (2015-03-19 21:44) 

キキ

tai-zouさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2015-05-31 22:35) 

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