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バベル [映画【は行】]

 アカデミー賞6部門、7部門ノミネート・作曲賞受賞作品。

                                         

      

世界初披露のカンヌ映画祭では15分に及ぶ喝采と、監督賞受賞。

                                                           
公開前から 日本人が49年ぶり、ナンシー梅木の『サヨナラ』以来の菊池凛子アカデミー賞助演女優賞受賞成るか!?と、とても話題になった作品です。                                                                                            凛子、凛子!とアカデミー賞前には話題にならない日は無かったし、待ちに待った公開なんですが・・・・あれれ?ご覧になった皆さんの温度はすごく低い感じ・・・・。期待と知名度が先行してしまったんでしょうか。                                                                                                                                                                   最近は画像による体調不良が話題の中心になっている感じです。                                                                                                         
                                                                                                 アカデミー賞報道時、日本では公開前は報道関係者は観てたかもしれないけど、一般の方は全く予備知識だけなのにあんなに騒いじゃっていいのかなぁ?なんて思いながらテレビを眺めていた私でした。

『バベル』は「難解」との噂通り、しばらく考えさせられる時間が必要なストーリーでした。                                           GWに久しぶりに映画を観たい人には『スパイダーマン3』の方をお勧めします。                                                                     『21グラム』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が見せてくれる現代のバベルとは?

 

【モロッコ】                                                                                                            ロスに住むアメリカ人夫婦のリチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)。                                                                                                                                               モロッコを旅行する2人には末の息子の突然死の為にお互いを責め合う心の傷がある。                                                                                                                                                               何とかして溝を埋めたいと願うリチャード。                                                                                幼い息子と娘を家政婦に預けてのモロッコ旅行中、バスの窓側に座っていたスーザンが突然銃撃を受ける。  

                                                                     

                                                                                                        一方でヤギを飼い自給自足の暮らしをする家族。父は近くに住む男からライフルを買う。                                                   ジャッカルが家族の暮らしを脅かしている。                                                                                           幼い兄弟に銃を渡し、ヤギの見張り中にジャッカルをみつけたら撃つように告げる父。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                 初めて銃を手にする幼い兄弟が、腕試しで放った銃弾が旅行中のスーザンの肩を貫く。

【ロス→メキシコ】                                                                                                               メキシコ人家政婦のアメリア(アドリアナ・バラッサ=アカデミー賞助演女優賞ノミネート)はロスでリチャード夫妻の子供の世話をしている。スーザンの事故の話を聞くが、自分の息子の結婚式も迫っていた。                                                                                                                                                                                                                             最初はリチャードから誰か代わりを探すからと言われていたが、土壇場でその日は代わりのベビーシッターが来てもらえないと知り、甥のサンチャゴ(ガエル・ガルシア・ベルナル)に頼み、車で幼い兄妹も連れて息子の結婚式場であるメキシコに向かう。

【日本】                                                                                                                     ライフルの所有者ヤスジロー(役所広二)は東京で聴覚障害を持つ高校生の娘チエコ(菊池凛子)と2人で暮らしていた。                                                                                     チエコは心が満たされない日々にいら立ちを感じながら、孤独な日々を過ごしている。                                         ライフルはヤスジローが以前モロッコに狩猟に行ったとき、案内人に譲ったものだった。

                             

  

ブラット・ピット、43歳。『トロイ』など見てたら年齢不祥な感じですが今回は等身大の彼。                                                                                                                                                                                                                 言葉の通じない外国で銃撃され負傷する妻を抱え、大使館の対応の遅さにイラつくリチャード。村には獣医しかいない。                                                                                                            しかし日本人ならあの観光バスはあのまま停めさせているかしら?すごい自己主張。バスに乗ってる人たちもね。                                                                                                                                     それに比べモロッコの村人やガイドさんは献身的。やっとヘリが来て村を去る時刹那に、リチャードが自分の財布からお金を出し良くしてくれたガイドに渡そうするシーンが印象的。あのやさしさはそんなつもりじゃないのにね。                                                                                                                                                                                            しかし、モロッコで放たれた銃弾はこの夫婦に体の傷を与えたけれど心の傷は消させてくれたはず。今度は息子達をしっかりみていて欲しい。 

なぜならその頃、自宅で過ごしているはずのリチャードの子供達・・・メキシコで行方不明になっていました。                                                                                                                           家政婦のアメリアと一緒に彼女の息子の結婚式に参加するためメキシコに行ったのです。                                                                                                                                     アメリアはリチャード夫妻の事情は電話で聞いて解っていても、どうしても息子の結婚式には出席したい、親なんですから。                                                                                                                              でも産まれた時からお世話している兄妹も残してはいけない。可愛い子供達を知らない人にも託せない。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                 結局国境を越えて連れて行くことにしたのですが、結婚式も無事に終わった帰り道、結婚式で思いっきりお酒を飲んでいた飲酒運転の甥が警察に絡まれ逃亡、国境で置き去りにされてしまう。                                                                          、仕方なく砂漠をさまようアメリアと幼い兄妹・・・楽しかった結婚式だったのに大事な子供達に命の危険が。ちょっとした誤解から何故こんな事に・・・? 

彼女はこの事件でアメリカには住めなくなる。

                

娘役の女の子、あら?ダコタちゃん似てるなって思っていたら実の妹エルちゃんなんですって。そっくりですもんね。                                                                                                 すごく可愛いいです。ヤドカリを飼いたがっていたお兄ちゃんももちろん可愛いけど。                                                                                                                          

 

モロッコ山中で暮らす兄弟。                                                                                                                                                                                                               「この銃で遠くまで撃てると言うが本当か?」「あの岩なら近すぎる。」「あのバスを撃ってみろ。」「ほら当たらないじゃないか。」                                                                                                                                                                         まるでTVゲームでもするようにライフルを撃つ二人。しかし弟の放った銃弾は当たらないと思われたバスの乗客の一人の肩を打ち抜いていた。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  事件は国際問題になり、地元の警察が兄弟の住む家を探し当てる。                                                                                                                                                                                 息子がやった事が悪い事とは知っていても子供達を連れて逃げる父親。                                                                                                                                                                                                                しかし警察はライフルをもつこの家族に容赦なく銃を向け、兄が倒れる。                                                                                                                                                                                                  必死にライフルを岩で壊し警察の前で謝る弟・・・・・。兄と父を助けてください。

 

モロッコ山中の風景やメキシコの町並みと対照的に東京の高層ビルが映し出される。                                                                                                                                       チエコは耳に障害があるために音が無い世界に生きている。                                                                                                                                                                                                       東京の高層マンションに父と2人で住み、お金には苦労しない裕福な暮らし。しかし他の高校生と同じ格好をしていても言葉が通じない、言葉に出来ない釈然としない悩みを抱えながら暮らしている・・・・。 

日本人なんでやはり日本がどんな風に語られるかは 興味あります。                                              でも東京の高校生って友達同士で昼間から初対面でウイスキー飲みながら薬(よね?)飲んだりしてるのかしら???                                                                          それにアレは無いでしょう?の連続です。歯医者行く前に他の病院にご相談した方が良さそうなんだけど。これが日本の高校生のイメージなんでしょうか?                                                                                                                                                                        凛子ちゃんが高校生役では年齢的にも無理があると話題になっていましたけどあの役は日本の高校生じゃできません・・・・。                                                      最後のシーン、高層マンションのベランダ。チエコは飛び降りていない!良かった・・・と思った一瞬。                                                                                                                              刑事に渡したメモには何が書かれていたのでしょう?遺書だったのか。それはわかりません。 

 

この4つのエピソードは最後に一つとなるのかと思ってみていましたがそのままでした。                                                                                                                                                                                                                               通じない言葉が問題じゃない。喋れない障害が悪いんじゃない。                                                            同じ人種でも分かり合えない、親でも兄弟でも夫婦でも。                                                         分かり合いたいと願うこと。その方法を探しながら。

東京の高層マンションは現代のバベルの塔なんでしょうか。

 

 

何故今回東京が舞台として選ばれたのか。                                                                     監督が『アモーレス・ペロス』で東京国際映画祭東京グランプリ&最優秀監督賞を受賞したときに来日。その時から日本に興味を持ち映画にしたいと思っていたのだとか。                                                                                                同じ時期箱根にも行き、その時老人が障害のある少女の面倒をみていた事と、聾唖の少女がたくさんいたのが印象的な体験であったらしい。東京という都会の群集での孤独の辛さ。                                                 銃が日本人の持ち物であったというのは離れた土地での事件が、遠い日本でも影響を及ぼすということを表現したかったようです。モロッコに趣味で狩猟にいける人がそんなにいるとは思えないけど。      ★★★☆

話題の気分の悪くなるというクラブシーン、眼を凝らして観てみましたが気分は悪くなりませんでした。

 

 


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丹下段平

これは観ようと思ってます。微妙な感じですね~。でもこの微妙な感じがかえって楽しみだったりする。
4つエピソードがあるなら、その中で出来不出来があるんでしょうね。
by 丹下段平 (2007-05-03 20:59) 

しまうま

 こんばんは〜。あの激しい明滅の場面、ちょっと前のピカチュウの事故? を何となく覚えていたので、新聞で記事を見た時、あ〜やっぱりか、と思いました。だけど、新聞が大騒ぎするほどのものでもないと思うんですけどね。マイケル・シャマラン監督の突然大きな音がドーン! って鳴る演出に比べたら(私はその方にびっくう、とします)。

 物語のうち、日本人2人の部分がちょっと浮いてたような感じがしますね。日本パートをまるまるなくしてもお話が成立する感じですよね。
by しまうま (2007-05-03 22:38) 

キキ

段平さんこんにちは。niceとコメントありがとうございます。

3つのエピソードはブラピ夫妻でつながってはいるんですけど、日本ではニュースとしてテレビの画面を流れていくくらいですね。
でもこの事件が起ったので刑事はチエコのところに来るわけで・・・・。

出来不出来っていうか、なんでこんな場面が必要なの?と思うシーンがいくつかありました。
話題の映画ですので是非観てください。ご感想を是非。
by キキ (2007-05-04 11:37) 

キキ

しまうまさん。niceとコメントありがとうございます。

ピカチュウの事故、私も思いました。
「部屋は明るくして離れてみてね!」ってコメントが
ほとんどのアニメの始まりに流れるきっかけにもなった事故ですよね。
映画じゃ明るく出来ないし・・・・。
この現象は、今のところ"日本だけ”という報告ですが、日本人は凛子さんに眼を凝らしてるせいでなんでしょうか?

日本の場面はモロッコやメキシコとの対比で遠い国である東京の孤独を表現したかったみたいですけど、それはそれで成功してるようですが 女子高生でそうそう脱ぐ人はいないと思いますけどね・・・。
by キキ (2007-05-04 11:57) 

n_taro

不評が多いと感じていましたが観たくなりました!
by n_taro (2007-05-04 21:57) 

キキ

けんたろうさん、はじめまして。

niceとコメントありがとうございます。
観て楽しくなるような映画じゃなかったんですけど、
結論も語られないので考えければ(感じなければ)ならないです。

この映画、他人の批評はまったく当てにならない映画なんだそうです。
ご覧になられたら是非ご感想をお聞かせくださいね。
by キキ (2007-05-05 09:41) 

丹下段平

遅まきながら観ました。
話題の日本のパートが一番良かった気がしました。
外国人から見たら日本の女子高生のファッションって、凄く衝撃的なのでは? あんなにスカート短くて…。この子達ならこのくらいはするだろうと思われても仕方が無い気がします。
by 丹下段平 (2007-06-16 08:47) 

キキ

段平さん。こんばんは。

でもね、大阪の高校生は異常にスカート長い子がいるんですよ。
その長さは昔のスケ番デカ並みです。
去年大阪に引っ越してきた時に見たときはぶっ飛びました。(笑
by キキ (2007-06-20 22:23) 

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