小さな村の小さなダンサー [映画【た行】]
バレエダンサー、リー・ツンシンのベストセラー自伝を映画化。オーストラリア作品。
シネ・リーブル梅田にて。
実話です。1972年、中国・山東省。貧しい小さい村で両親と7人の兄弟と暮らすリー・ツンシン(ホアン・ウェンビン)はある日、小学校にやってきたお役人にその身体能力を認められ試験を経て、北京の舞踏学校でバレエの英才教育を受けることとなる。
小さな村では彼の栄誉に大騒ぎ、両親の期待を担っての舞踏学校入学だったが、北京での寮生活は11歳の少年には辛く、毎日の訓練も過酷なものだった。
しかも中国では当時文化大革命の最中でこのバレエも国家政策での英才教育であり、毛沢東夫人の江青に本来のバレエとは異なる“革命的な演目”を強制させられてしまう。それは軍服を着て銃を持ったバレエ。
そのことに異論を唱える恩師は反革命分子として捕われいく。リーを育て、本当のバレエを教えてくれた恩師との悲しい別れ・・・。
時は流れ、恩師の言葉に基礎練習を積んできたリー(ツァオ・チー)は青年へと成長し、中国を訪れていたヒューストンのバレエ団の主任ベン (ブルース・グリーンウッド)に見出されアメリカでのバレエ研修生として中国を離れることとなる。
国家からは『アメリカでの資本主義には気をつけろ』、『外国人を信じるな』と教え込まれて渡米したものの、その自由な暮らしに魅かれていくリー。
そして彼の技術はアメリカの人々に認められる素晴らしいものとなり、このままアメリカでバレエを続けたいと願うリーは研修期間が終わる時大きな決断を迫られる。
中国に帰ってしまえばこんな美しいバレエは踊れない。しかし、その為には両親を、国を捨てる亡命しかないのか?
リーを助けるアメリカの弁護士、フォスターに「ツイン・ピークス」「ヒドゥン」等のカイル・マクラクラン。
お久しぶり、こんなところで出会えるとは・・・。ちょっと老けちゃってるけど相変わらず素敵でした。
そしてここからラストまで、彼のバレエダンサーとしての将来はどうなるのか、ドキドキでした。
バレエはまったく疎い私。やがて中国の村から招待された両親が彼のバレエを観た後に、父親がリーに投げかける質問は私と同レベルなので笑ってしまいました。^.^;
その後、故郷に戻った彼は少年時代の恩師に再会、「貴方が踊る姿をどんなに見たかったか」という言葉に、砂ぼこりの舞う校庭で踊ってみせるシーンには涙がこぼれました。
主演は、バーミンガム・ロイヤル・バレエのプリンシパルであるツァオ・チー。バレエシーンも沢山盛り込まれていて素晴らしいです。母親役は、『四川のうた』のジョアン・チェン、息子を信じる凛とした母です。
今回、少年時代のシーンや亡命問題のシーンを通じて中国の歴史も勉強になりました。中国の思想や国策、教育はこうなっていたのかと。最近ニュースになる諸問題も含めて私たちはもっと隣国に興味を持って知っていくことも大事かなと思います。
毛沢東を知らなくても、バレエを知らなくても、素直に感動できる作品でした。
監督はブルース・ベレスフォード。 ★★★★☆
観てみたくなりました。
やってるとこ少なそう。
by みなみー (2010-10-03 17:09)
みなみーさん、こんにちは。
そうなんです、やってるとこ少ないです。^.^;;
大阪でもシネ・リーブル梅田のみ、しかも今は1日に1回の上映です。
自伝ということで、二度と会えないと覚悟を決めていた両親や
恩師に会えるところは静かに感動でした。
機会があれば是非。
by キキ (2010-10-03 19:33)
galapagosさん、
niceありがとうございます。
by キキ (2010-10-03 19:34)
いい映画でしたね~
ダンスの美しさを堪能しました。
あと両親との再会のシーンはかなり泣けました(T_T)
by non_0101 (2010-10-05 21:37)
こんばんは。お久しぶりです。
この映画も観たいのですが、急に忙しくなって全然映画に行けてません。
(涙、涙……)いい作品のようですね。中国人ダンサーの人は魅力的でしたか?
最近の中国には憤りを感じますが、日本へ留学している中国の学生たちは、自国の態度を「恥ずかしい」といっているそうです。政治的なことは弱いほうなんですが、もっと勉強しなくてはいけませんね。
by coco030705 (2010-10-07 00:35)
non_0101さん、こんにちは。
バレエって神業みたいって思いながら観ました。
両親との再会も泣けましたけど
恩師との再会にぐっときちゃいました。
by キキ (2010-10-07 06:44)
cocoさんこんにちは。
お仕事お忙しそうですね。
青年期を演じた中国人ダンサーはイギリス在住の方のようで、
リーの成長と共に3人の役者さんが演じてました。
それぞれのバレエシーンも美しかったです。
国家に異論を唱える者は反革命分子として捕えられ、
我が国が一番と教育される描写が丁寧に少年期に語られます。
青年期となってアメリカに渡って初めて自由というものを知る主人公が
自由に戸惑い、やがて愛する祖国に帰る事をためらうのも納得でした。
ちょっとだけですが中国に近くなれた作品でした。
by キキ (2010-10-07 07:08)
クローヴさん、こんにちは。
niceをありがとうございます。
by キキ (2010-10-09 08:42)