SSブログ

Ricky リッキー [映画【やらわ】]

main_large.jpg

「しあわせの雨傘」に続いて梅田ガーデンシネマでオゾン監督作品の2作目を鑑賞。「リッキー」は「しあわせの雨傘」の前年に作られた作品で「しあわせ・・」のような明るい作品ではありませんでした。

カティ(アレクサンドラ・ラミー)は幼い娘リザ(メリュジーヌ・マヤンス)と二人で団地に暮らすシングルマザー。貧しくて単調な毎日はバイクで娘を学校に送り、工場で単調な仕事を繰り返す日々。そんなある日、スペインから出稼ぎにきたパコ(セルジ・ロペス)と恋に落ちる。

カティはやがて妊娠し男の子が生まれる。

カティはパコと付き合い始めると幼いリザを置いて食事に出掛けたり、バイクで送り迎えしていたのにスクールバスに替えたり、いきなり知らないおじさんを連れてきて、「これからはこの人がパパよ」と言ってしまう我儘な母。

しかしリッキーが生まれると今度はリッキーにかかりきりになり、夫のパコをもかまう事をしなくなり次第に険悪になる二人。それに反してパコに反発していたリザとの間は少し近づいていくのだが、始終機嫌が悪く泣きじゃくるリッキーの背中にあざが出来た時、カティはパコが怪我をさせたと疑ってしまう。そして疑われた事に怒ったパコは家を出てしまう。

再び子供を抱えて孤独になるカティだったが赤ちゃんのリッキーの傷はどんえどん悪くなりそこから骨が伸びたようなのような翼が生え始る。その翼はまるで手羽先のようなリアルな形。パタパタと薄気味悪く動く様子は決してフアンタジ―の世界ではない。血が滲み、徐々に伸び始め、茶色の羽が生え始めるのだ。

パコが虐待したのではないと分かっても連絡出来ないカティ。他にシングルマザーには相談できる人も無く、リッキーの可愛さに翼を素直に受け入れ、娘と二人で秘密でリッキーを育てていたがロトに当たった賞金でクリスマスの買い物に出たスーパーでリッキーは店の中を飛び回り、「モンスター」としてメディアに追われる日がやってくるのだった。

赤ちゃんは天使か悪魔か。羽が生えた赤ちゃんのニュースを観たパコがカティの元に戻り、お金をもらうために、メディアに公開することに承諾するカティ。

sub1_large.jpg

報道陣の前で紐をつけられたリッキーは羽を広げて大空に飛び立つ。しかし、その紐をうっかり放してしまう母を置いてリッキーは空の彼方に消えて行ってしまうのだった。

家族とは何か、子供とはなにか、親とは、幸せとは・・・、いくつもの疑問を投げかけられるようなラストです。多くは語らない監督のメッセージはこの夫婦に授けられた羽の生えた赤ちゃんは何かの象徴だったのかを考えさせられる結末なのです。

監督はフランソワ・オゾン


nice!(3)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 3

コメント 4

non_0101

こんばんは。
うわー、こういう物語だったのですね。
いろいろ考えさせられそうな作品ですね。
いつか機会がありましたらチャレンジしてみたいです☆
by non_0101 (2011-02-06 21:42) 

キキ

nonさん、こんにちは。
そうなんです、こういう物語だったんです。
先に「しあわせの・・」を観たので
もっとほんわかしてるのかと思いましたが全く違いました。
私も同じ監督の他の作品もチャレンジしたいと思ってます。
by キキ (2011-02-06 23:37) 

キキ

marieさん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2011-02-09 07:55) 

キキ

ぼんぼちぼちぼちさん、こんにちは。
niceありがとうございます。
by キキ (2011-02-09 20:13) 

トラックバック 0

しあわせの雨傘ヒア アフター ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。