ブラック・スワン [映画【は行】]
本作で本年度のアカデミー賞主演女優賞を受賞したナタリー・ポートマン。
授賞式では婚約、妊娠と幸せそうなふっくらした妊婦姿でしたし、公開が授賞式よりかなり遅かったので楽しみにまっていましたが”狂気”の世界のお話でした。
ニナ(ナタリー・ポートマン)はニューヨーク・シティ・バレエ団に所属するバレリーナ。
芸術監督のトーマス(ヴァンサン・カッセル)に新シーズンの「白鳥の湖」で主役に抜擢される。
しかしニナは彼女の爪まで切ってくれる過保護で支配的な母との生活で家とバレエ団を往復するだけの毎日。
優等生な彼女は清楚な白鳥の演技では合格点であっても、官能的に王子を誘惑する黒鳥の演舞が経験がなく、表現するすべがない。
そこに現れるライバルのリリー(ミラ・クニス)。
私生活でも踊りでも魅力的な彼女にやっと掴んだ主役を奪われたくないと恐れ、自分を追い詰め、傷つけるニナ。
完璧な踊りを目指すあまりいつしか狂気の世界が広がり始め、逃げ場を失ったニナにはどこからが現実で夢で妄想なのかが分からない・・・。
クライマックスでCGでの黒鳥への変身シーンは印象的で見事でした。
眉間に皺を寄せて苦悩するナタリーのアップが多かったですし、総じてとっても重い内容の展開するストーリー。スリラー映画なんですね。
ところでこの映画、米国ではアカデミー賞主演女優賞を受賞したナタリー・ポートマンが、実際にどれぐらいの割合でダンスを踊ったかどうかが大きな話題になっているらしいんです。
ダンスの代役を務めたサラ・レーンが最初は雑誌で暴露。
そして米ABCテレビのインタビュー番組にも出演して、
「私の名前がクレジットにのらなかったとか、ナタリーが受賞スピーチで私のことを称えなかったからという理由で、事実を主張しているわけではないの。彼女は、バレエに対してもっと敬意を払うべきだって思ったのよ。たった一年半のレッスンで、22年もバレエを踊り続けている私と同じような踊りができるなんてことになったら、私だけではなく、バレエ業界全体への屈辱になるわ」と訴えたのです。
サラはニューヨークにあるアメリカン・バレエ・シアターに所属するプロバレリーナ。
映画のダンスシーンで、「映画の中でナタリーが実際に踊っているのは全体の5%で、後は私が踊っているのよ。私のボディに彼女の顔をデジタル合成しただけ」とも発言。
ナタリーは「死にもの狂いの減量とレッスンでバレエを習得し、大部分のシーンを自分で演じた」と発言していたので大きな波紋を巻き起こしました。
サラの発言に対しダーレン・アロノフスキー監督は、「編集者に数えさせたところ、約80%はナタリーが実際に踊っている」
そしてナタリーのフィアンセで振付師兼共演者であるベンジャミン・ミルピエも、ロサンゼルス・タイムズ紙に対して、「85%はナタリーが踊った」とナタリーを擁護。
ナタリー自身も米テレビ番組のインタビューで潔白を証明しているらしいのですが、徹底的に争うとしているサラとの間にしばらくは長引く問題になっています。
この話を先に聞いて映画を見たのですが、ナタリーの顔のアップが多いのはそのせいとか思ってみたり、でも仮に踊っていたのがサラであったとしてもナタリーの狂気の顔がそこにあってこその映画だと納得もしたんです。アカデミー賞主演女優賞を受賞故の受難かもしれません。
★★★★
監督は「レスラー」 「ザ・ファイター(=製作総指揮)」 「ビロウ」等話題作の多いダーレン・アロノフスキー
降板させられる花形プリマにウィノナ・ライダー。
こんばんは~。
映画館で見ました。感動したってレビューが多かったし、雑誌や新聞の映画評も良好だったけど…。
ヴァンサン・カッセルのセクハラ? がニナの幻想だったとしても、何となくなんですが、美しさによって人を感動させるものがあんな邪な気持ちを持った人たちによってできるのかなあ…というところだけ引っかかりました。
邪悪な物を演じるのに、自分の心まで邪悪にすることはないんじゃないかと…。ニナが自分の弱さを克服して、心の殻を破って解放される物語のはずなのに、なんか黒いなぁ~と。
しかし…場外乱闘でそんなことがあったんですね…。何だか映画のストーリーを現実に映したような話ですね。
by しまうま (2011-05-22 21:08)
こんばんは。
かなり怖い作品でしたね。でもナタリーがとってもきれいでがんばってたので、楽しめました。
しかし、代役の人に訴えられるなんてアメリカならではの話ですね。
色々嫉妬とかもあるんでしょうね。映画のストーリーとも共通項がありますね。
by coco030705 (2011-05-22 21:17)
こんばんは。
スリラーでしたね。
ナタリーの演技に引き込まれてしまったので、ますます怖さが倍増していました。
特に黒鳥を踊り終わった時の迫力が凄かったです。
そうそう、訴えられてしまったのですよね。
それも承知の上のプロダンサーの仕事だったと思うのですけど、
本当にアメリカらしいですね(^^ゞ
by non_0101 (2011-05-22 22:59)
しまうまさん、こんにちは。
私も公開を待っていました。
観るのは確実だったの極力評判は見ないようにしていたんですけど、
あまりに重くて正直びっくりでした。
心理スリラーですが救いがないラストで黒かったですね。
しまうまさんが言う通り、邪悪を知る心の者だけが邪悪な役を演じられるってことはないですよね・・・。
日本でいうところの芸の肥やしはバレエでも必要ってことなんでしょうか^.^
by キキ (2011-05-23 00:07)
cocoさん、こんにちは。
niceとコメントありがとうございます。
ナタリー・ポートマン、頑張ってましたね。あの体型も美しかったです。
代役の方が告発しているという話は聞いていたんですけど
全くわかりませんでした。
顔だけCGを合成しているとしたら今の技術って凄いんだなって
感心してしまいます。
どんないきさつで告発となったのかはわかりませんけど、
どちらが何パーセント・・・なんて話になってるみたいですね。
by キキ (2011-05-23 00:22)
nonさん、こんにちは。
niceとコメントありがとうございます。
最初から最後まで狂気の世界でした。
ナタリーの演技は怖くて良かったですよね。
でもアカデミー賞で主演女優賞を受賞すると私生活では呪いが降りかかる・・・みたいな噂があると言われていますよね。
昨年の『しあわせの隠れ場所』で主演女優賞のサンドラ・ブロックも、
その直後に夫の不倫が発覚。
どろどろの離婚劇となってしまっていますし・・・。
ナタリーは大丈夫でしょうか。
by キキ (2011-05-23 00:47)