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全共闘運動に興味がないと141分、とても長いものになりそうな映画。

1960年代後半、東大から記者になりたい夢を持ち入社した東都新聞社の週刊誌編集部で働く記者・沢田(妻夫木 聡)は、ある日“京西安保”という組織の幹部を名乗る男からタレコミを受ける。
梅山と名乗る男(松山ケンイチ)と接触する沢田。
アメリカではベトナム戦争が勃発、アポロ11号は月に到着した頃、日本でも世界は自分たちが変えると信じていた大学生が決起。
学生運動はやがて武力闘争に発展しあさま山荘事件などの連合赤軍事件が起こった頃でもある。

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「近い時期に武装決起する」という梅山の言葉は、学生時代自分が学生運動の傍観者であった事を心の底で負い目に感じている沢田にとって魅力的な男に写っていたのであろう、取材をするうちに彼の言葉を信じ、親近感すら覚えてしまう。
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反戦運動や全共闘運動が激しかった1969年から1972年という時代に、記者として何かを変えようとした青年が、マスコミの記事になる事により実績を見せたい左翼思想の男が起こす自衛隊襲撃事件に利用され巻き込まれていく。

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ジャーナリストとしての客観性からはずれてしまう沢田を演じるのは妻夫木聡。
“優しすぎる”沢田や彼を信じる同志を巧みな話術で惹きつける梅山(=偽名で本名は片桐)に松山ケンイチ、すごくハマり役で嫌な奴を好演していました。
この手の映画って有名な役者さんを嫌うのか、主演二人以外では三浦友一さん位で見慣れない役者さんばかり。
日本の大学生が熱かった昭和のその時代。
教科書でも取り上げられないのでそんな時代があったことすら忘れ去られていますよね。

私はとても面白かったんですが、劇場は5人。上映回数も一日に一回となっていました。
興業的には今ひとつだったかも。★★★★

原作は川本三郎。自身のジャーナリスト時代の経験を記したノンフィクション。

監督は『リンダ リンダ リンダ』の山下敦弘。


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コメント 5

non_0101

こんばんは。
つい近年のことなのに、映画から感じられるエネルギーの前に
とても遠い昔のように感じてしまいました。
松山ケンイチさん、上手かったですよね~
あの、相手を悪者にしてしまうような攻撃的な話術が
自己中な学生らしいなあと思いながら観ていました☆
by non_0101 (2011-06-15 22:31) 

キキ

non_0101さん、こんにちは。
niceとコメントありがとうございます。

数年前の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』(2007)
を観ていたのでこの映画は分かりやすかったです。
松ケンのギラギラした自己中な青年役、上手かったです。
何人も彼の話術で人生が変えられてしまったという事実がベースの
映画なんですよね。
昭和なのに遠く感じるあの時代は何だったのかを考える映画でした。
by キキ (2011-06-16 20:03) 

coco030705

キキさんへ
こんばんは。
昭和の学生運動華やかなりし頃のお話なんですね。あの時代は若者に熱気があふれていたなという感じがします。
ところで、松山ケンイチ演じる男が、話術で人の考え方を変えてしまうなんて、すごいことですね。今、そんな人がいるのかしら。政治家の話なんて誰も信じていないし。
面白そうな映画ですが、なかなか観客をよべないのが残念ですね。

by coco030705 (2011-06-16 21:06) 

キキ

cocoさん、こんにちは。
niceとコメントありがとうございます。

あの頃の活動家はすごく難しい事をもっともらしく話すんですが、
どこまでが嘘かを観抜けないととんでもない事に巻き込まれていってしまう、
そんな危うい時代のど真ん中にいた人たちのお話でした。

それにしても今の政治家って、いいかげんにしてって言いたくなりますよね。
(-.-*
by キキ (2011-06-16 22:19) 

キキ

ihatiさん、こんにちは。
niceありがとうございます。


by キキ (2011-06-18 07:17) 

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