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ヘルプ ~心がつなぐストーリー~ [映画【は行】]

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1960年代、米南部、ミシシッピ州のお話。
ニューヨークタイムズ紙の書籍ランキング103週連続ランクインしたベストセラー小説を原作に
ミシシッピ州出身の監督が映像化しています。
上演時間は146分と長いです。
20時40分から始まるレイトショーで観たんですが終わった時間は23時をとっくに過ぎていたので
驚きました。

ひとりの白人女性によって綴られた“ヘルプ”と呼ばれる黒人メイドたちの“心の声”のお話です。
主人公のスキーター(エマ・ストーン)は南部の上流家庭に育った白人女性。

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彼女が4年の大学生活から故郷に戻ってくると、自分を育ててくれたメイド(=ヘルプ)のコンスタンティンが母にクビにされていなくなっていた。理由を聞いても母は詳しく語らない。
母よりも身近な存在だったコンスタンティンがいなくなったことにショックを感じるスキーター。

一方、同じく上流家庭に育ったスキーターの友人でこのあたりの社交界のボス、ヒリー(ブライス・ダラス・ハワード)は白人家庭には黒人専用トイレの設置を義務付けようと言いだす。
そしてヒリーの家のメイドのミニーは白人トイレを使用したために解雇される。

自身も黒人メイドに育てられているのに大きくなったらメイドを追いだす母や友人たちの姿を見た作家志望のスキーターは故郷の現状がもはや当たり前には思えず、メイド達にインタビューを試みるがメイド達に真実は語れない。
誰もが口をつぐむ中、ミニーの親友のエイビリーン(ヴィオラ・デイヴィス)が勇気を出してインタビューに応じ始める・・・。

女性群像ストーリーです。女性の登場人物が多いですがそれぞれを上手く描いていました。

男性はほとんど出てきません。
スキーターには彼が出来ますが、彼は現状を変えるなんて考えもしないただの金持ち男という感じで、最終的には別れちゃいます。
演じるエマ・ストーンは今年の6月に公開予定の超大作『アメイジング・スパイダーマン』で主人公ピーターの運命の恋人グウェン・ステイシー役に抜擢されている注目の女優さん。
クルクルの髪が可愛いと思って観てたけど、本人やママには違うみたいで髪をストレートに延ばすマシーンが出てきて笑いました。

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ヴィオラ・デイヴィス演じるエイビリーンには若くして亡くした(彼女が真実を語るきっかけを与えた)息子がいますがエイビリーンの語りだけです。
クビにされた後、憎き雇い主に復讐を遂げるミニー(オクタビア・スペンサー)にも暴力夫がいるようですが、ヒリーの怪我を見せるだけで夫の映像は登場しません。

今作でヴィオラ・デイヴィスはオスカーに主演女優賞ノミネート、オクタビア・スペンサーは見事に最優秀助演女優賞に輝きました。

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意地悪なヒリー役のブライス・ダラス・ハワードはロン・ハワード監督の娘さんなんですね。
沢山の映画に出ているみたいですが今回の映画で知名度はかなり上がると思います。
チョコレートケーキを美味しそうに頬張る姿やベッドで自分の話を描かれた本を見ての絶叫シーンはなかなか印象的ですから。
メイドにも自分の母にも意地悪な、本当に嫌な女を好演しています。

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ヒリーに嫌われるのはメイド達だけじゃなくて白人のシーリアもそう。
彼女は同じ白人でも下層家庭出身でヒリーの元彼と結婚した為に、大邸宅で暮らしているけどボスのヒリーの一声でみんなに無視されて生活しています。
性格は良くて可愛いけどちょっと空気読めない系、金髪で胸を強調する派手なドレスを着ていてマリリン・モンローっぽい。
『ツリー・オブ・ライフ』でブラピの妻を演じてたジェシカ・チャスティンが演じてますが、あの時の地味な母の印象とは全く違う可愛い役に、うまいなあって思いました。

あと、横暴な娘ヒリーに密かに反撃を試みる母役に名優シシー・スペイセク、スキーターの母にはアリソン・ジャレイと脇役も超豪華。

50年前とはいえ人種差別や階級制度が強い南部という土地柄。
テレビからはKKK団のニュースも流れます。
今はどれだけ変わっているのかはわかりませんが、一緒にメイドと白人女性がフライドチキンを頬張るなんてとんでもないことになった時代をコミカルな演出や演技で、小さな勇気が世の中を変えていくというストーリーが元気を与えてくれるお話でした。
女優さんたちの力演がうまく生かされた映画です。
ラストのエイビリーンの後ろ姿には強さと共に寂しさも感じました。

 ★★★★ 

監督、脚本は原作者キャスリン・ストケットとともにミシシッピ州ジャクソンに生まれ育った友人同士のテイト・テイラー。


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コメント 6

キキ

月夜のうずのしゅげさん、noceありがとうございます。
by キキ (2012-04-08 15:19) 

キキ

ぼんぼちぼちぼちさん、noceありがとうございます
by キキ (2012-04-08 15:20) 

クローヴ

これも観たいです(^^)
小さな勇気が世の中を変えていく。。。
人の歴史の中で、名前が後世に残らないフツウの人々の
小さな勇気があって、今があるのだろう、と思いました。
by クローヴ (2012-04-10 23:53) 

キキ

クローヴさん、こんにちは。
そうですね、この原作も最初は編集社ではうけいれてもらえなかったのだとか。
観て下さいね。
by キキ (2012-04-11 23:53) 

non_0101

こんにちは。
ラストシーンの後姿は何とも言葉がなかったです~
ああ、これが現実だったのだなとしみじみ感じました。
でも、心の解放はほっとしたのですけど(^^ゞ
by non_0101 (2012-04-16 00:31) 

キキ

non_0101こんにちは。
長い映画で、それぞれのキャラクターをきちんと描いていましたけど長さを感じない映画でした。
ラストシーンは印象的でしたね。

もうすぐ公開される『アメイジング・スパイダーマン』のヒロイン、エマ・ストーンはこれから益々有名になりそうです。

by キキ (2012-04-17 07:46) 

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