SSブログ
映画【は行】 ブログトップ
前の10件 | 次の10件

ヒューゴの不思議な発明  [映画【は行】]

340877view001.jpg

映画の日に鑑賞。3Dで観てきました。
アカデミー賞最多ノミネート(受賞は5部門;撮影賞:美術賞:視覚効果賞:音響編集賞:録音賞)、巨匠マーティン・スコセッシが初の3Dに挑んだことでも話題になりました。

今までのスコセッシ監督の作品とはちょっと違いますね。
もうアカデミー監督賞は受賞してるし余裕あるんでしょうか。映画愛があふれる作品でした。
原作はブライアン・セルズニックの冒険ファンタジー小説「ユゴーの不思議な発明」。

340877view006.jpg

技術賞を独占するだけあって物語の始まりからのカメラワークは見事。
1930年代のパリの駅にこっそりと一人で済む孤児の少年ヒューゴ。
クラシックな機関車の吐き出す白い蒸気、駅の中に行きかう沢山の乗客たち、駅の外に舞い散る雪、大きなネジが組み合わされた複雑な時計台の中など3Dはとっても美しいです。

340877view004.jpg

ヒューゴは時計職人の父親(ジュード・ロウ)が博物館でみつけた壊れた機械人形と駅の構内に住んでいます。
死んだ父との思い出の為に機械人形を動かす「鍵」を捜しているのは、父からのメッセージを受け取るために鍵を手掛かりに少年がニューヨークを旅する『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』にも共通しているものがあります。
男の子の冒険には鍵は必須アイテムなのかな。

340877view007.jpg

生きるためにはパンを盗み、機械人形の修理の為に構内のおもちゃ屋から部品を拝借・・・でもある日、おもちゃ屋の主人ジョルジュ(ベン・キングズレー)に見つかってしまって父の形見の手帳を取られてしまいます。
手帳を取り戻すために知り合ったジョルジュの娘イザベルが機械人形を動かす鍵を持っている事が判明、それから隠されていたジョルジュの過去も解っていきます。
実はジョルジュはジョルジュ・メリエスという世界初の職業映画監督だったんです。

イザベルの鍵を差し込んだ人形が描くのはジョルジュ・メリエスが制作した1902年の『月世界旅行』のもっとも有名な月にロケットが突き刺さるこのシーン・・・。

220px-Le_Voyage_dans_la_lune.jpg

この機械人形、予告では宙に浮いたりしてましたが実際は絵を描く人形でした。
でもこの人形の産みの親で時代に忘れ去られ傷ついた気難しい老人と、家族も無く一人ぼっちだが未来を夢見る少年が結びつくんですね。
そして映画制作の始まり、当時はこうして作られたのかって勉強になります。

340877view008.jpg

ヒューゴを追いかけ回して孤児院に送る気満々の駅の足の悪い警官もラストはいい人に。
何匹も出てくるワンちゃんたちの演技も可愛い。

340877view002.jpg

主人公のヒューゴは『縞模様のパジャマの少年』のエイサ・バターフィールド。
あまりのラストの悲惨さに2度は見る事が出来ない作品だったんですけど、この子も『ものすごく…』の少年と同様、美しい青い目が印象的。
イザベル役は『キック・アス』のクロエ・モレッツ。『キック・アス』ほどキョ―レツじゃないです。

340877view003.jpg

期待以上の映像美が味わえますので是非3Dでどうぞ。
その反面ストーリーは・・・ちょっと物足りないかも。魔法やファンタジー味も薄めです。
ヒューゴは不思議な発明もしませんし・・・。 ★★★★

監督賞や作品賞、主演男優賞主要5部門を受賞した『アーティスト』はまだこれからの鑑賞ですが見比べたいと思います。

 


nice!(6)  コメント(10)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

ハンター [映画【は行】]

main_b_large.jpg

ウィレム・デフォーの渋い演技が観たくて行ってきました。
ミニシアターで上映されてもおかしくない雰囲気の映画ですが109シネマズで先週の土曜日から上映です。(でも早めに終わってしまいそうな気がします。)
CGで蘇らせたタスマニアタイガーの眼が悲しい映画でした。

hunter_large.jpg

マーティン・デヴィッド(ウィレム・デフォー)はフリーランスの傭兵で、バイオ・テクノロジー企業のレッドリーフ社からパリである仕事を請け負う。
その仕事とはオーストラリアのタスマニア島で“タスマニアタイガー”の生態サンプルを採取すること。
タスマニアタイガーは70年前にすでに絶滅したと伝えられる幻の動物であるが、最近目撃情報がありレッドリーフ社はその生態サンプルをライバルより先に得るため凄腕のハンターであるマーティンに依頼してきたのだった。

雄大な自然が広がるタスマニア島でベースキャンプとして滞在する事になったのは、可愛くてお喋りな少女サスと無口な弟バイク、そして体調不良で寝たきりの母親ルーシー(フランシス・オコナー)の母子が住む民宿だった。
少女たちの父ジャラは動物学者で環境保護活動に熱心な男だったが、数ヵ月前に森に向かったきり消息を絶ったままである。
男手がない為に発電機が壊れて電気も無く、お湯も出ない家に呆れるマーティン。
ルーシーたちはマーティンに父の姿を感じ懐き始め、マーテインもこの母子に愛情を覚え人間らしい感情が芽生えていく。

sub2_large.jpg

単独行動を好むマーティンは大自然のなかで調査を続け、少年バイクが描くタスマニアタイガーの絵を手掛かりにその痕跡や足跡をみつけるが、謎めいた銃声や破壊された罠、仕掛けられたカメラなどに姿が見えない別の誰かの気配も感じていく。
やがて、世界でただ一匹として生存しているタスマニアタイガーを捕獲し、その命を奪い、生態サンプルとして持ち帰ることに疑問を持ち始めるころ、事件は起こる。

sub4_large.jpg

主人公が何ものなのかとかなんでこんな仕事をしてるのかなどの解説も少なく謎も沢山あるけど、最後には納得出来る仕上がりでした。
少女が「山に行ったら捜して欲しい」と渡した父親の写真に写る水筒の使い方も上手いしね。
大自然の冷たい雨に打たれ獲物を捜して彷徨うマーティン。
彼も無口なので獲物を淡々と追っていき台詞もなく、水の落ちる音や、流れて行く雲、厳しい自然の姿が際立ちます。

sub3_large.jpg

ただ一人、仕事だけに生きてきた男と、だだ一匹、絶滅種として狙われ仲間も無くやがて消えていくタスマニアタイガーが出会う時どんな結末へと向かうのか。
ラストのマーテインの選択に息を飲みます。
タイガーが大企業から狙われるのは生存価値ではなく、その体内にあると思われるお金になりそうな情報故のよう。
弱いものを絶滅させてでも欲しがる、人間の醜く愚かな欲がみえてきます。
そして軽んじられるのは動物の命だけではなく、弱い子供や女も同じ事。

ウィレム・デフォーの燻し銀の演技は素晴らしく嬉しかったです。
「Mr.ビーンカンヌで大迷惑?!」の変な監督役は許すとして、「スパイダーマン」のグリーン・ゴブリンに扮した時にひっくり返りそうになった私としてはね。

  ★★★★

監督:ダニエル・ネットハイム 


nice!(8)  コメント(14)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

ホームランが聞こえた夏 [映画【は行】]

 7531_img_1.jpg

聴覚を失う病気である日突然音を失った中学野球の天才ピッチャー、ミョンジェ。
酔っては暴行事件を繰り返す韓国プロ野球の国民的スター投手、キム・サンナム。

二人の出会いを中心に、韓国の甲子園と称される“鳳凰杯”で1勝を目指すこととなった聴覚障害を持つ少年たちと少年達を見守る大人たちの実話をベースに語られる物語です。

監督は、『シルミド/SILMIDO』、『黒く濁る村』などのカン・ウソク。
ろう学校高等部の野球部コーチとなるプロ野球選手を、『シルミド/SILMIDO』、『黒く濁る村』でのカン・ウソク監督作品4度目の出演となるチョン・ジェヨン。
『トンマッコルにようこそ』の演技も印象的な役者さんです。

005.jpg

聴覚を失った事で野球も辞めて、ろう学校のソンシム学校高等部へ通うミョンジェ(チャン・ギボム)。
彼は先天的に聴覚が無いクラスメート達とも距離を置いて暮らしていました。
夢を失った彼は学校もさぼりがちだったのですが、度重なる不祥事を起こし偶然ろう学校の野球部コーチとしてやってきたプロ野球界最高の投手キム・サンナム(チョン・ジェヨン)と出会います。

サンナムは実力はあるが事件ばかり起こしている厄介な男で、マネージャーのチョルスが彼の身の振り方に困り果て奉仕活動という名目でろう学校での臨時コーチの話を持ってきたのでした。
今回の事件でサンナムには韓国球界の永久追放の危機が迫っています。

そんな彼がミョンジェの投球を見て変わっていきます。
それまでは悪態をついて「野球部のコーチなんかやってられるか」って態度から一転、少年達を誰よりも熱く指導していく熱血コーチへの変貌がなんともかっこいいんです。
ミョンジェが野球部に入るよう説得するために彼は自分自身の投球を見せ、野球部の生徒達には自分自身が誰よりも多く走ってみせます。


「耳で聞く言葉ばかりじゃない、心で聞け」「障害者で保護され同情されている自分をもっと強くしろ」「野球は名投手一人では勝てない、なぜなら同点に抑える事が出来るだけだから」「相手を怯えさせろ、もっと叫べ、吐き出せ」と彼らの生き方まで変える珠玉の言葉の数々。
その言葉を聞いていると自分に甘くなってきた最近の私の耳も痛い・・・。

002.jpg

韓国での高校野球の全国大会はエントリー制。
韓国の高校に野球部は少なく、申し込めば出場権はもらえるので出場出来る事は決まっていた野球部ですが、サンナムは元鳳凰杯での優勝ピッチャーでもあり、耳に障害があり、部員数も9人のみ、大会への出場経験もない弱小チームが1勝出来るほど甘くないことは誰よりも分かっていました。 
サンナムは彼らを練習試合で大敗させ、その後練習を重させます。
彼らはどんどん強くなりチームワークも生まれ、そして運命の鳳凰杯。
少年達の目標は達成出来たのか、そしてサンナムの投手生命はどうなっていくのか。

001.jpg

野球映画は日本映画でも多いんですが、韓国映画では初めてです。
韓国映画というと戦争や猟奇殺人というテーマが絡んで暗くてどんより気分になりながら帰るんですが、この映画は笑って泣かせてくれる感動映画。
出会いによって少しずつみんなが良い方向に変わっていくのはいいですね。爽やかです。
この映画で私はすっかりチョン・ジェヨンのファンになってしまいました。

原題は「G-LOVE」。グローブ(GLOVE)には愛(LOVE)があるって意味です。
劇中にもその台詞が出てきますが、邦題の「ホームランが“聞こえた”夏」も地味ですがなかなか良い感じだなと観終わってから思いました。ただ上映館が少ないので残念です。
「文部科学省特別選定」なのにね。  ★★★★☆ 

シネマート心斎橋にて9月23日まで上映中

監督;カン・ウソク
出演;チョン・ジェヨン『トンマッコルへようこそ』/ユソン『黒く濁る村』/チャン・ギボム/キム・ヘソン『戦火の中へ』/イ・ヒョヌ

 


nice!(4)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

フォロー・ミー [映画【は行】]

 D113377268.jpg

TOHOシネマズ梅田「午前十時の映画祭」何度見てもすごい50本(赤の50本)にて鑑賞2011/05/28(土)~2011/06/03(金)公開中。

1287949548.jpg

英国の上流階級で一流会計士チャールズ(マイケル・ジェイスント)は深刻な悩みがあった。
それは新妻ベリンダ(ミア・ファロー)が浮気しているのではないか、ということ。

悩んだチャールズは私立探偵に妻を探らせる。
そこにやってきたクリストフォルー(トポル)は白い帽子に白いコートのちょっと風変わりな探偵で、チャールズに結婚のいきさつを語らせる。
カリフォルニアでヒッピー生活をしていたベリンダとは「育ちの違い」があると語るチャールズ。

10日後クリストフォルーはチャールズに尾行について報告。
彼女にやましいところがないが“恋人”がいるかもしれない、と。
しかしベリンダの話では“白い帽子で白いコートの見知らぬ男が私をつけてきて、
その男といつか心のふれあいを感じるようになった”と告げる・・・。

foromi-.jpg

なんとも素敵なラブ・ストーリー。
「部屋に鍵をかける人は心にも鍵をかける」ってセリフ、いいですよね。
お互い語ることのない、みつめあうだけの追跡。
ジョン・バリーの物悲しいテーマ曲も胸に染みます。

ところでこの『フォロー・ミー(73年)』は今までDVDはもちろんVHS、LDにもなっていなかった、文字通り“幻の”名作なのです。
「午前十時の映画祭」全国25都市リバイバル順次上映での大ヒットの上映のお陰で昨年秋に日本のみ、世界に先駆けてのDVD化を実現したという作品です。

最近は観る事が難しかった映画。
それなのに「午前十時の映画祭」でのリクエスト順位堂々の4位だったとのことで、心に残っているこの映画を劇場でもう一回観たい、というファンの熱い待望の上映作品なんです。
そんな訳でリクエストしてくださった皆さんと東宝さんにありがとう。

ちなみにリクエストの1位は『ショーシャンクの空に』、2位は『サウンド・オブ・ミュージック』、3位は『ニュー・シネマ・パラダイス』と誰もが知る名作です。

脚本は『アマデウス』(87年)でアカデミー賞脚色賞を受賞している劇作家ピーター・ジェイファー、自らの舞台劇を原作にしていいます。
このテンポの良さは舞台劇だったからなんですね。

監督はこれまた名作の『第三の男』のキャロル・リード。1976年に他界されこの作品が遺作となります。最後に残す作品がラブストーリーっていうのはやはり素敵です。

舞台劇”THE PRIVATE EAR AND THE PUBLIC EYE”が原作だったため、米国のタイトルが『THE PUBLIC EYE』(探偵・社会の眼)で公開されました。
でも、分かり辛いってことで英国などそれ以外の国では "FOLLOW ME!"というタイトルに変わりました。
今公開中の作品名が『FOLLOW ME!』と出てこないのはその為です。

鑑賞後売店でパンフ(500円)を購入しましたが、私の前にこの映画のパンフを購入されていた男性が私の握りしめているパンフを見て「良い作品でしたね」とにっこり一言。
私も「はい、良い作品でした」と笑いました。良い映画は観た人を幸せにしてくれます。

  ★★★★★

昨年から始まった「午前十時の映画祭」。全国東宝系で展開されていますが、大阪ではTOHOシネマズなんばで公開されています。
今年は“第2回何度見てもすごい50本”が新たに組まれて公開されています(=青の50本)。
下に全国の予定のHPを張りましたのでご参考にしてください。

http://www.tohotheater.jp/event/asa10/series2.html(青の50本スケジュール)

それと並行して去年公開された50本が赤の50本というタイトルでTOHOシネマズ梅田にて公開されています。全国の予定はこちらでどうぞ。

http://www.tohotheater.jp/event/asa10/series1.html(赤の50本スケジュール)

YouTubeでの映画『フォロー・ミー』初DVD化(初ソフト化)記念プロモーション映像 です。http://www.youtube.com/watch?v=tRETIVd2nN0


nice!(4)  コメント(7)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

阪急電車 片道15分の奇跡 [映画【は行】]

338776view001.jpg

評判が良かったので観てきました。
阪急電車というタイトルですが“阪急今津線”でのお話なんですね。

阪急今津線は始点から終点まで片道15分のローカル線。
その車両内に白いウエディングドレスを着て結婚式の引き出物を持った女性翔子(中谷美紀)が乗っていた。
涙ぐむ彼女に近くの座席に座った老女(宮本信子)が声を掛ける。
翔子は婚約者を職場の後輩に寝とられ、結婚式に乗り込んだ帰りだった。

338776view002.jpg

そこから、その場面を見かけた大学生のミサ(戸田絵梨香)のエピソードや老女自身のエピソード、
そしてそのローカル線に乗り合わせた数人の乗客の“死ぬほどじゃないけど本人たちには大きな悩み”が語られていってそれから彼女たちの人生が少しだけ交差していきます。

338776view004.jpg

希望が灯るお話なので私の隣に座っている女性は泣いてました。
ちょっとした気遣いが他人を幸せにしてゆくエピソードがいいですね。
身近にありそうな悩みばかりで、何だそんなことと笑い飛ばされそうな悩みも多くて頷けました。
大学生カップルの会話では自分を思いやる言葉を聞いた瞬間バックに花のCGが開く場面が出てきて、その微笑ましさにクスリと笑えたり。
大阪のおばちゃん(兵庫だけど)集団は特に関西だからじゃなくて全国に分布していると思われます。集団になると女性は大人も子供も怖いですから。

原作は有川浩さん。

戸田絵梨香さんってスタイルいいですね。足が細くてまっすぐ。
ショートカットの相武 紗季ちゃんも友情出演していましたがお二人とも地元の兵庫県出身だとか。

   ★★★★

監督は三宅喜重さん。

でも、白いウエディングドレス着て式場に乗り込んだ帰りだったら電車じゃ無くてタクシー使わないのかしら、なんて考えちゃ駄目よね。


nice!(3)  コメント(5)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 [映画【は行】]

338382view001.jpg

お馴染みディズニーランドのアトラクション「カリブの海賊」をモチーフに作られたディズニー映画の第4弾。
ジョニー・デップ演じるキャプテンジャック・スパロウは当初の主人公ウィル(オーランド・ブルーム)とエリザベス(キーラ・ナイトレイ)卒業後、一人主役。

監督も前3作のゴア・ヴァービンスキー監督から『シカゴ』『NINE』などのロブ・マーシャル監督に変わりました。
脚本家も変わっています。そして新キャラにはジャックの昔の恋人役でペネロペ・クルス。

338382view004.jpg

女海賊アンジェリカ(ペネロペ・クルス)と再会したジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)。
アンジェリカはジャックを利用して父の黒ひげ(イアン・マクシェーン)の為に不死の泉を見つけ出したいと考えていた。
アンジェリカと黒ひげと共にリベンジ号で船出したジャック。そこにバルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)が絡んできて不治の泉を注ぐ聖杯を見つけ出すのだが・・・。

338382view003.jpg

監督がアクションではなくダンス映画の監督のせいなのか?ジョニーだけが主役になってしまったせいなのか?どうも今ひとつ乗れない感じでストーリーが進みます。
前作の微妙な三角関係や友情が無くなってしまいました。

史上最強の敵であるらしい黒ひげがどこが最強かがよく分からず、昔のそれらしい話しかしない恋人らしき美女とも特に何も無く、宣教師と人魚との恋もジャックに絡まないのでさほど魅力が無く、黒ひげに復讐を誓うバルボッサは英軍の雇われ船長で海賊じゃないの?だし、ブラックパール号もジャックの船じゃない。

338382view007.jpg

後半の人魚を捕まえるあたりからは画面が暗くて誰が誰だか役者さんもよく見えない状態。
私は2Dで観ましたが3Dで観ると暗いメガネのお陰でもっと画面が暗いんだと友人が嘆いていました。海賊さんの戦いを観に来たはずなのに襲ってくる睡魔と戦わせないで欲しいです。

  ★★★☆

ジョニーはアリスの時もそうでしたが、テーブルの上を今回も歩いていました。食卓を歩かせたくなる俳優さんなのかも。

宣教師さんは人魚に連れ去られましたがその後が気になります。食べられちゃった??

ラストはおまけ映像ありなので最後まで席に座っていてね。次回作も臭わせるおまけです。


nice!(4)  コメント(6)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

ブラック・スワン [映画【は行】]

337733view001.jpg

本作で本年度のアカデミー賞主演女優賞を受賞したナタリー・ポートマン。

授賞式では婚約、妊娠と幸せそうなふっくらした妊婦姿でしたし、公開が授賞式よりかなり遅かったので楽しみにまっていましたが”狂気”の世界のお話でした。

20110418103100_01_400.jpg 授賞式でのナタリー・ポートマン


ニナ(ナタリー・ポートマン)はニューヨーク・シティ・バレエ団に所属するバレリーナ。
芸術監督のトーマス(ヴァンサン・カッセル)に新シーズンの「白鳥の湖」で主役に抜擢される。

しかしニナは彼女の爪まで切ってくれる過保護で支配的な母との生活で家とバレエ団を往復するだけの毎日。

優等生な彼女は清楚な白鳥の演技では合格点であっても、官能的に王子を誘惑する黒鳥の演舞が経験がなく、表現するすべがない。

337733view008.jpg

そこに現れるライバルのリリー(ミラ・クニス)。

私生活でも踊りでも魅力的な彼女にやっと掴んだ主役を奪われたくないと恐れ、自分を追い詰め、傷つけるニナ。

完璧な踊りを目指すあまりいつしか狂気の世界が広がり始め、逃げ場を失ったニナにはどこからが現実で夢で妄想なのかが分からない・・・。

337733view007.jpg

クライマックスでCGでの黒鳥への変身シーンは印象的で見事でした。
眉間に皺を寄せて苦悩するナタリーのアップが多かったですし、総じてとっても重い内容の展開するストーリー。スリラー映画なんですね。

337733view002.jpg

ところでこの映画、米国ではアカデミー賞主演女優賞を受賞したナタリー・ポートマンが、実際にどれぐらいの割合でダンスを踊ったかどうかが大きな話題になっているらしいんです。

ダンスの代役を務めたサラ・レーンが最初は雑誌で暴露。
そして米ABCテレビのインタビュー番組にも出演して、
「私の名前がクレジットにのらなかったとか、ナタリーが受賞スピーチで私のことを称えなかったからという理由で、事実を主張しているわけではないの。彼女は、バレエに対してもっと敬意を払うべきだって思ったのよ。たった一年半のレッスンで、22年もバレエを踊り続けている私と同じような踊りができるなんてことになったら、私だけではなく、バレエ業界全体への屈辱になるわ」と訴えたのです。

サラはニューヨークにあるアメリカン・バレエ・シアターに所属するプロバレリーナ。
映画のダンスシーンで、「映画の中でナタリーが実際に踊っているのは全体の5%で、後は私が踊っているのよ。私のボディに彼女の顔をデジタル合成しただけ」とも発言。

ナタリーは「死にもの狂いの減量とレッスンでバレエを習得し、大部分のシーンを自分で演じた」と発言していたので大きな波紋を巻き起こしました。

サラの発言に対しダーレン・アロノフスキー監督は、「編集者に数えさせたところ、約80%はナタリーが実際に踊っている」

そしてナタリーのフィアンセで振付師兼共演者であるベンジャミン・ミルピエも、ロサンゼルス・タイムズ紙に対して、「85%はナタリーが踊った」とナタリーを擁護。

ナタリー自身も米テレビ番組のインタビューで潔白を証明しているらしいのですが、徹底的に争うとしているサラとの間にしばらくは長引く問題になっています。

この話を先に聞いて映画を見たのですが、ナタリーの顔のアップが多いのはそのせいとか思ってみたり、でも仮に踊っていたのがサラであったとしてもナタリーの狂気の顔がそこにあってこその映画だと納得もしたんです。アカデミー賞主演女優賞を受賞故の受難かもしれません。

  ★★★★

監督は「レスラー」 「ザ・ファイター(=製作総指揮)」 「ビロウ」等話題作の多いダーレン・アロノフスキー

降板させられる花形プリマにウィノナ・ライダー。


nice!(2)  コメント(6)  トラックバック(2) 
共通テーマ:映画

ヒア アフター [映画【は行】]

337959view001.jpg

制作総指揮をスティーブン・スピルバーグ、脚本が『クイーン』『フロスト×ニクソン』でアカデミー賞にノミネートされたピーター・モーガン、監督をアカデミー賞監督のクリント・イーストウッドという話題の映画を試写会で観てきました。スピルバーグとイーストウッドは『硫黄島からの手紙』以来のコラボレーション。

337959view010.jpg

パリで活躍するジャーナリストのマリー(セシル・ドゥ・フランス)は、恋人との休暇を楽しんでいた東南アジアで、津波にのまれて死にかける。美しいリゾート地は一瞬にして水に呑みこまれ、溺れて呼吸が停止したマリーはある光景を見る。あれは何だったのか?

その後パリに戻ったマリーだったが仕事に手がつかなくなり、恋人の心も離れてしまった彼女は死について調べ始める。

337959view005.jpg

アメリカ・サンフランシスコに住むジョージ(マット・デイモン)は、特殊な能力を持っている。

彼は幼少期に臨死体験をしたのがきっかけで死者と対話出来るようになっていた。一時は有名な霊能力者として兄と共に死者との対話を仕事としていたが今は工場で働き、自分の人生を変えようと思っている。ジョージは他人と違う"才能"のせいで、度々そばに生きている大切な人を自分から去らせてしまった"力"を呪っているのだった。

337959view003.jpg

一方ロンドンでは母と双子の兄と暮らすマーカス(フランキー・マクラレン)が突然の交通事故で兄(ジョージ・マクラレン)を亡くす。

薬物中毒だった母とも引き離され、里子として暮らすマーカス。その寂しさに誰にも心を開く事が出来ず、もう一度兄と話すことだけを願い霊能者を訪ね歩くのだが「本物」の霊能力者にであう事が出来ないでいた。

映画が始まってすぐの東南アジアでの津波のシーンはものすごいです。自分も巻き込まれてしまうかのような迫力でした。またロンドンでもテロによる地下鉄爆発シーンがあります。そうした派手な演出もありますが、その他は静かな映画でした。

パリ、サンフランシスコ、ロンドン・・・死に囚われ、他人と自分の想いを共有することが出来なくなっていた孤独な三人がロンドンで出会う。ジョージがもう決して使いたくない忌まわしい"力"を少年の為に使った時に彼の生き方さえも変わっていく出会いとなっていくというもの。

337959view009.jpg

イーストウッド監督の最近の作品に比べると物足りなく感じるかも・・・・、ラストは観ている人に委ねられるからです。はっきりこうだって言ってもらう事を望む人には向いていない映画でしたね。

「来世」を扱うのは難しいです、キリスト教の国では特に。死んでしまったらどうなるのか、マリーの恋人が言うようにパチンと電気のスイッチを切れば暗くなってお終いなのか、天国があるのか、それとも知らない世界が存在しているのか。

死者と対話出来ても来世の事は分からないジョージ。この映画は死後の世界に囚われるより、愛する人を失った時悲しみにどう立ち向かうのか、今生きている貴方がどう生きるべきかを教えてくれるストーリーになっています。

ベルギー出身のセシル・ドゥ・フランスの他の作品は『モンテーニュ通りのカフェ』、『シスタースマイル ドミニクの歌』など。100組以上の双子から選ばれ映画初出演というマクラレン兄弟の演技もいいです。    ★★★★☆


nice!(4)  コメント(10)  トラックバック(2) 
共通テーマ:映画

瞳の奥の秘密 [映画【は行】]

337041view010.jpg

第82回アカデミー賞外国語映画賞受賞作品。スペイン/アルゼンチン映画。129分。

シネ・リーブル梅田にて。

最近wowowで1990年に起きた光市母子殺人事件を追った記者、門田隆将さんの著書『なぜ君は絶望と戦えたのか 木村洋の3300日』(新潮社刊)を元にフィクションとしてドラマ化されたものを観たんですが、そのドラマと通じるテーマがあるなあと思って見てました。

被害者と被害者遺族、そして司法との間にある深い溝と矛盾・・・。犯人はわかっているのに、愛する者を殺した犯人を裁けない時、遺族はどうしたらいいのかという疑問・・・。

 

337041view002.jpg

アルゼンチンのブエノスアイレス。 刑事裁判所の捜査官ベンハミン(リカルド・ダリン)は、定年を迎える。そして25年前に担当したある殺人事件を小説に書こうと思っていた。それは1974年、若くて美しい新婚の女性教師が無残な姿で自宅で殺害された事件である。

その小説を書き始めるとベンハミンの脳裏に映るのは、この事件で地方に飛ばされてしまうこととなるベンハミン自身の姿と、想いを打ち明ける事が出来なかった若い上司のイレーネ(ソレダ・ビジャミル)が駅で彼を見送る姿だった。

337041view005.jpg ちょっと倍賞美津子さん似じゃない?

とにかく上質のサスペンス映画なんです。そして愛の映画でもあります。この駅で見送るシーンも、最初にその事件を担当する事になった時違法逮捕である職人が逮捕され、同僚とのゴタゴタしてしまったシーンも全て伏線となって後半を面白くさせます。

337041view013.jpg

殺人事件の真相は早い時期に解かり、犯人のゴメス(ハビエル・ゴディノ)は逃亡するも、被害者の夫・モラレス(パブロ・ラゴ)の必死の独自捜査の想いにうたれたベンハミンの努力で逮捕されてしまう。

死刑判決がないこの国、犯人には当然終身刑が課せられるかと思ったところにゴメスが合法的に釈放される事実を知り驚くベンハミン、それと同時にベンハミンには犯人による報復が迫ってくる・・・。

337041view001.jpg

犯人を逮捕出来なかった過去の事件、事件を共に捜査した飲んだくれの同僚との友情、その同僚の死、自身の果たされなかった恋、被害者の夫の妻へのひたむきな愛、それぞれの秘密が解き明かされていきます。

過去と未来が交互に映し出されベンハミンの未来に通じるラストまで目が離せない作品です。クスリと笑わせるシーンもあり、題名の通り“瞳”は雄弁で犯人が恋焦がれる幼馴染の被害者を見つめていた写真とベンハミンがイレ―ネを見つめている25年前のスナップ写真、昔から「A」が壊れて打てないタイプライター・・・など小道具も効いてるし、犯人逮捕のサッカー場での臨場感やカメラワークもなんとも凄い。

じっくり観たい映画をお探しの方にオススメ。★★★★☆

監督;ファン・ホゼ・カンパネッラ

 


nice!(2)  コメント(4)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

春との旅 [映画【は行】]

  335616view005.jpg

北海道。かつてはニシン漁で賑わった海辺の町の元漁師、忠男(仲代達矢)はある日、家を出る。足が悪い忠男を追いかける孫娘、春(徳永えり)。

ここから始まる二人の旅は、地元での職を失い、東京で職を見つけたい孫娘が祖父の世話を祖父の兄弟たちに頼みにいく旅なのである。妻に先立たれ一人娘も先に亡くなり、孫娘の春と二人暮らしの忠男。生活のすべてを孫に頼っていたのだが、このまま春を縛り付ける事もできない。

忠男には東北に兄と姉、弟二人がいるが、それぞれの事情があって忠男を受け入れるという願いは聞き入れてはもらえない。裕福に見えた兄夫婦はもうすぐ老人ホームに入所、旅館を経営している姉は孫娘は預かってもいいが忠男はだめ、貴方は一人で頑張りなさいと叱る。

二人いるはずの弟の一人は刑務所に入っており、不動産を手広く商っているはずのもう一人の弟は不況で倒産して金銭的に困っていた。

兄弟といえども長い間年賀状でやり取りするだけの付き合い。そこにいきなり電話もかけずにやってきて「俺を世話してくれ、俺は足が悪いんだ」では通じない。

 335616view004.jpg

春はそんな忠男と兄弟たちのやり取りをみるうちに別れ別れになって暮らす父親を思い出していた。「お父さんに会いたい。」そして父と会うために忠男と共に北海道・静内へと向かう。

 335616view012.jpg

 

原作・脚本・監督は小林正広。カンヌ国際映画祭等海外評価の高い監督さんですが初見です。

主演の仲代さんが「役150本の出演作品中5本の指に入る脚本だ。」という言葉に、映画館に行ってきました。仲代さんの映画は「椿三十郎」を最近観て来たばかり。ギラギラした大きな目で、三十郎(三船敏郎)と切り合う室戸半兵衛。怖いほどの気迫。あの脚本に近いってことですよね。

この映画では大食漢で我儘で足も性格も悪い老人役です。黒いロングコートを羽織った忠男がダンディで漁師に見えないかも。(笑)

ついでに孫の春まですごいガニ股で忠男を追いかけていくので、彼女もどこか体が悪いのかと思いました。なにしろ始ってしばらくは台詞も説明もないのです。二人がバタバタと歩いたり争っている姿はまるで舞台を観ているよう。いつ事情が解るんだろうって待っていないといけません。

やがて話は中盤に進み、案の定、忠男は兄弟たちに引き取ってもらう事は出来ないのですが、そのエピソードの先には孫娘・春の両親の秘密の話となっていきます。春の母は何故死んでしまったのか。

  335616view007.jpg 

主演の二人の他に共演人が豪華でした。兄に大滝修治、その妻に菅井きん、姉に淡島千景、弟に柄本明、妻に三保純、他に田中裕子、ほとんど台詞が無いけ小さい役で小林薫がいたり、春の父には香川照之、その妻に戸田菜穂。

すすり泣く音が劇場のあちこちから聞かれましたが、忠男の「俺は体が不自由なんだ、歳を取っているんだ、孫は失業したから東京に行くんだ、引きとめられないだろう、だからお前たちが世話をしろ」という展開に同じ年代の兄や姉や年下の弟にそりゃないでしょうって思うと どうも感情移入が出来ません。

むしろ断るにしろ、支え合って忠男を見送る兄夫婦や今も現役で働く姉、借金だらけなのにホテルのスイートルームを借りてくれる弟の方に同情したくなります。ラストも無理やり話を終わらせるためなのかしらと思える結論・・。

最近毒々しいまでに悲惨な韓国映画を観ることが多いせいか、やっぱり日本映画はあの毒に負けないくらいのスパイスが足りないと思ってしまいました。もう自分自身ではどうしようもできない、それでも生きていくっていう無常感には到達しないんですよね。肉親より他人の方が優しい言葉をかけてくれるっていう後半も「東京物語」かと思わせ、しかしあの深さも無く残念。

   ★★★☆

失業保険、障害者認定を申請して税金、医療費、交通費の割引・免除、介護保険施設等、とりあえず役所に相談すべきなんじゃないかしら。兄弟を尋ねる旅の映画より、役所に相談して、それからどうなっていくのかってほうが今時の日本では現実的で実感が伴う映画となったんじゃないかって思ったりして。すみません、夢が無くて。


nice!(3)  コメント(5)  トラックバック(2) 
共通テーマ:映画
前の10件 | 次の10件 映画【は行】 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。