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ブルージャスミン [映画【は行】]

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ウディ・アレンの脚本・監督作品です。
主演のケイト・ブランシェットが本年度のアカデミー主演女優賞を受賞しています。

最近はロンドン、パリ、バルセロナ、ローマなどヨーロッパが多かったウディ・アレン監督ですが今回はアメリカが舞台。
主人公のジャスミンは監督の熱いラブコールでケイト・ブランシェットが演じています。

ケイトと言えば思い出されるのは「エリザベス」「エリザベス:ゴールデン・エイジ」でのエリザベス女王役、「ロード・オブ・ザ・リング」のエルフ族の王妃ガラドリエル役ですよね。
上品で輝くような美しさ、そして抜群の演技力を見込まれこの映画に抜擢されたと思われます。

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主人公・ジャスミンは貧しい環境で育ちますが大学生の時に知り合ったハンサムでお金持ちの実業家ハル(アレック・ボールドウィン)と結婚します。
その後優秀な息子も生まれ、ニューヨークで幸せなセレブ生活を送っているのですが、超お金持ちの旦那がやっていたのは実は詐欺商法。
大勢の女性と浮気もしているのですがジャスミンは見て見ぬふり、お金持ちの生活にしか興味がないのです。

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でもある日、夫ハルが警察に捕まってしまって資産は没収、その後ハルは牢獄で首つり自殺してしまいます。
息子も去り、ジャスミンは夫も息子もお金も住む家も失ってしまいます。

そんな時に声をかけてくれたのが妹のジンジャー(サリー・ホーキンス)でした。
ジンジャーは血のつながらないジャスミンの妹です。
子供のころに同じ家で里子同士で育ったジンジャーですが、実はジャスミンの夫に財産を投資したばかりに無一文にされた被害者でもありました。
無一文になった挙句夫とも離婚しスーパーで働いて子供を育てながらつつましい生活しているジンジャーなのですが、姉に一緒に住もうと申し出るのです。

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そのジンジャーの住むサンフランシスコにジャスミンがやってくるところからこの映画が始まります。

姉を恨むわけでもなく、むしろ貧乏になった姉に同情するジンジャーにジャスミンは「負け犬」といいます。
「変な男とばかりと付き合ってこんな貧乏生活をしてるのね」、と。

借金だらけになってもプライドだけは捨てられない姉のニューヨークからの飛行機はファーストクラス、鞄はヴィトン、服もブランドで固めていることに驚くジンジャー。
二人の姉妹の性格や考え方の違いがこの映画を面白くしています。

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やがて再生をするためにインテリアコーディネーターの資格でも取ろうと考えるジャスミン、そんな時に一人の男に出会います。
政治家を志す素敵な男性ドワイト(ピーター・サースガード)です。
彼に尋ねられた時、自分の身の上話を都合のいい嘘で話してしまうジャスミン。
ドワイドは優雅(に見える)なジャスミンにたちまち夢中になって婚約まで話は進むのですが嘘はひょんなところからバレてしまい、やがてジャスミンが隠す大きな秘密も私たちに知らされていくのです。

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ウディ・アレン監督の映画は私には合わない映画も多くて、大絶賛された『ミッドナイト・イン・パリ』では大爆睡、レビューも書けなかったので観るのを悩みましたけど今回は大当たり。
ここ最近のウディ・アレン映画ではこの映画が一番ガツンときました。
女性だから解るジャスミンの打算とか嘘とか・・・観てて心が痛くなってきます。
でもね、ここまでではなくても思い当たるお話が身近にあるんじゃないかしら。
それに男性というのはやっぱり綺麗な女性が好きなんだなってことも考えますね。
美しいジャスミンに言い寄る男は多いですがジャスミンが相手にするのは夫以上の男じゃないとダメなんですけど。 

この映画の主人公は実在の金融詐欺事件で逮捕された実業家の妻をモデルにしたとか、舞台「欲望という名の電車」を下敷きにしてると言われているようですが監督本人のインタビューによると監督の妻のスン=イー・プレヴィンが教えてくれたマンハッタンの裕福な住民が転落して仕事を探さねばならなかったというエピソードを元にしていると語っています。
監督が言いたかったのは自身の言葉を借りると〝人は間違いを犯すし、それは皆に共通している。人は皆、自分の子供たちや夫、妻に対して、ささいなことで始終間違いをおかすんだよ”ということ。

ウディ・アレン監督の私生活とアカデミー賞授賞式前に起こったスキャンダル(養子だった女性に訴えられた)を考えるとこの言葉は沁みてきます。

セレブ生活の過去がフラッシュバックの様に脳裏に現れて精神が病んでしまっている、そんなジャスミンを見事に演じたケイト・ブランシェット。特に女性に観てもらいたい映画でした。
上映館が少ないのですけど。    ★★★★★

  予告編もどうぞ。


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プリズナーズ [映画【は行】]

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ヒュー・ジャックマンも好きだけど私はジェイク・ギレンホールが大好き。
ふにゅんとしたあの口のラインがなんとも素敵でしょ。

今回、主演はヒューで迫真の演技なんだけど娘を誘拐され怒りと焦りで空回りする父親役のヒューより沈着冷静に事件を解決に導く警官ジェイクの方がいい役でした。(笑)

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それは謝肉祭の日に起こります。
愛する幼い娘が友達と共に失踪してしまったのです。

ヒュー家族は事件の日に見慣れない怪しい車が止まっていたことに気づき、その車を運転していた男が犯人だと確信します。
(この男は「それでも夜は明ける」で主人公を痛めつけてた農場の雇われ白人役やってたポール・ダノです。こんな役上手すぎです。)

警察が動いて車の男ボールは直ぐに捕まちゃうのですが知能が10歳くらいということもあり証拠不十分で釈放になってしまいます。

愛する娘が誘拐されたショックで寝込む妻を見て、ヒューは車の男をなんと拉致!
警察なんて信用できないと元自宅の空き家に連れ込んで拷問しまくりです。
ヒューは痛めつけたらすぐに自供するかと思ったんでしょうがポールは何も喋ってくれません。
ヒューはどんどん怒りが爆発、一緒に誘拐された友達の父(テレンス・ハワードです)がビビるほど拷問もエスカレートさせていきます。
その拷問はまるで遠藤周作の小説「沈黙」で井上筑後守がキリシタンに行ってた「穴吊り」の拷問並にひどいものです。
狭い部屋に押し込めて食事も与えず熱湯のシャワーかける拷問なんですよ。

一方、警官のジェイクは一人で淡々と捜査を進めてます。
他の警官は捜査に出てこないのがなんか不思議ではあります。
田舎の小さい警察だからなんでしょか。
車の男ポールは失踪してしまうけど(ヒューがガッツリ拉致してるからね)現場にやってきた挙動不審の別の怪しい男を捕まえることに成功致します。
父親のカンより刑事のカンが正確なんでしょうか、どうやらこちらが本命の犯人のようです。
そしてこいつの部屋から少女たちの血のついた服や靴下が見つかるのです。

・・・だったらヒューが拷問してるポールは?犯人じゃないってことになりますね。
顔の形が変わるくらいボコボコにしちゃっているのに~。どうする、ヒュー!?

警察からの情報を聞いたヒューはジェイクに「俺を尾行なんかしとるから犯人見つけるの遅れたんやないか」といちゃもんつけて誤魔化すも、でもポールの事は内緒で拷問部屋にそのまんま置き去り中・・・ひぃぃ。

しかしその後警察に連行した本命らしき男は拳銃自殺を図ってしまうので事件はまたまた藪の中になってしまします。
真犯人は誰なのか、犯人の狙いは何だったのか、少女達は助かるのか、ヒューの拉致した男は犯行と関係あるのか、そしてヒューは娘は殺され更に犯罪者になってしまうのか?
ゆっくりとしたテンポで始まる前半から後半は怒涛の展開になっていくのです。

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最初はテンポ遅いなと思っていたんですけどラストまで先が読めません。
監督はカナダ人監督のドゥニ・ビルヌーヴ。
ハリウッド進出初監督作品だそうで完全オリジナルストーリー。

この映画を観てるとアメリカは子供だけで外に出ちゃうとすぐに誘拐されてしまうのかとか、変態も沢山住んでるのねと思ってしまします。
それに謝肉祭から始まるこのお話、キリスト教文化を理解できない私は細かい部分がわからないと思うとそこが残念です。

何か起こりそうな時は必ずズズズーンと低い効果音が流れるのでホラー映画みたい、音が超怖い。
それにボコボコにされた顔のアップは出るわ、蛇もにょろにょろ出てくるわ、ミイラ死体も転がってるしとっても怖い映像てんこ盛りなので覚悟も必要です。

ですが私が一番怖かったのはラストあたりのジェイクの車の運転。
額から流れる血が目に入って土砂降りの雨の中、あんな危険な運転すな~とびっくりでしたよ。
田舎だと思ってたのになぜかその道だけはすごい交通量の都会だしね。
  ★★★★☆

 

予告編もどうぞ。 


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パイレーツ・オブ・バルティック 12人の呪われた海賊 [映画【は行】]

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本日 GeyO! にて鑑賞  ドイツの海賊のお話。

 

1401年10月31日。バルト海の海賊のリーダー・クラウス・シュテルテベーカー、後世に海賊王と呼ばれる男。
彼はこの日、斬首刑に処せられようとしていた。
広場には非道な海賊の処刑を観るために沢山の人々が集まり、運ばれてきた馬車の囚人に石を投げつける。

しかし処刑場の高台に連れてこられた囚人の顔の覆いを取るとクラウスとは別人が現れる。
運ばれてきたのは偽物であることに気づく役人たち。
「あれは別人だ、死刑は止めるべきだ!」と役人たちは驚くが、興奮した大勢の市民たちは処刑を待ち望み処刑人は首を撥ねる為の刀を振りかざす。
もう役人達も偽物だとは告げられない。
やがて偽物は「俺は自由だった、悔いはない」と自らの首を差し出す。

彼は誰なのか、本物の海賊王クラウスはどこにいるのか。
そこから話は1年前に戻っていく・・・・。

 

テンポも良くお話は過去に戻り、北海の海賊船の中へ。

 

海賊クラウス・シュテルテベーカー(ロナルト・ツェアフェルト)とその仲間達が乗る海賊船にはクラウスの右腕で親友のミヒャエル(マティアス・シュヴァイクホファー)がいた。
今日も船を襲ったクラウスだったが追い詰めた相手の船長から胸を刺されて死にかけてしまう。
クラウスを助けるミヒャエル。
しかし生還し祝杯をあげる酒場で知り合った女性バイルに「これほどの大怪我から助かった意味は何だったのかしら」と問われ答えに戸惑う・・・。

 

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

とっても面白かったです。
でもセンスの無い邦題ですよね、なんでこんな題名にしたんでしょ?
きっとジョニデの「パイレーツオブカリビアン」シリーズが流行っていた影響でしょうね、でもこちらは2009年のドイツ制作映画です。

 

クラウス・シュテルテベーカーは実在したドイツでは有名な海賊。
北海で恐れられた後ヘルゴラント列島で捕らえられ処刑のためハンブルクに連れてこられたとされています。

原題は『ZWOLF METER OHNE KOPF/12 PACES WITHOUT A HEAD』。

シュテルテベーカーは処刑される時、首を切られた後に自分が歩いた歩数だけ部下を助けて欲しいと願い出て首なし死体は11歩歩いて11人の仲間を救ったことに由来しているようです。


処刑だ斬首だと沢山書きましたがそれほど怖いシーンはないのでご安心を。
彼らとは別の骸骨は出てきてお話に色を添えていますけど。

 

この映画ではクラウスと親友のミヒャエルとの友情が芯に描かれていていてます。
二人がなぜ海賊になったのか。
二人のそれぞれの恋だとか。
でもたぶん史実からはかなり脚色されていますね。
クラウスは英雄じゃなくて人間臭くて怪我をしてからは怖がりで迷って決断していく青年として描かれます。
最後にまた最初のシーンに戻って謎が解けてゆきます。
だからこうなったのねって納得。
音楽もエンドロールもかっこよく、ラストは少し切なく余韻があります。

 

主演の二人の俳優さんがとても素敵です。 

お時間がありましたら今ならGyaO!から無料で観れますからどうぞ。

 http://gyao.yahoo.co.jp/player/00938/v00072/v0000000000000000116/?list_id=391976&tab=2 

 

 

監督 スヴェン・タディッケン

出演 ロナルド・シュアフェルト マティアス・シュヴァイクホファー

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

この映画によるとこの頃の処刑は刀で首を落とされた後、さらし首にされてその時頭から釘が打たれるようです。
余談ですが「2010年01月9日に、ドイツのハンブルク歴史博物館から、伝説的な海賊クラウス・シュテルテベーカーのものとされる約600年前の頭がい骨が盗まれ、発見者に数千ユーロの報奨金を支払うと発表した」と話題になっています。


頭がい骨は1878年に建設現場で発見されましたが、頭頂部に大きな釘が刺さっていたことと発見場所がかつて海賊らを斬首して首をさらした場所だったことから、処刑されたシュテルテベーカーの頭がい骨ではないかと博物館の目玉とされていたものです。
法医学的分析の結果、頭がい骨は1400年前後の男性の頭と判明しましたが、シュテルテベーカーのものと断定する証拠は見つかっていないそうなのでこの映画のその後とは言えませんが今も人気がある証拠なんでしょうね。

 


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ベルリンファイル [映画【は行】]

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韓国映画です。

正直なところお話が前半、複雑過ぎるのと展開速すぎでついてゆけません。
どこの国が誰なのかさっぱりわかりません・・・。
が、スパイ映画の好きな方にはきっとたまらない映画でしょう。

北と南が戦うという展開は韓国映画によくあるパターンですが最後には分かり合う(分かり合いたい)・・・という願いが見えてきます。そこがスタイリッシュなハリウッドとはちょっと違って泥臭さがあっていいですね。

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主人公は北朝鮮諜報員のジョンソン(ハ・ジョンウ)。
そして彼を追いかける韓国国家情報院の優秀なエージェント・ジンス(ハン・ソッキュ)。

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ドイツ・ベルリン。
ジンスはベルリン市内で行われるアラブ系組織と謎の北朝鮮諜報員ジョンソンとの武器取引の情報を掴む。
取引は失敗に終わり銃撃戦へ突入。
ジョンソンはどうにかホテルから脱出、それを追うジンス。

逃げ切ることが出来たジョンソンは家にたどり着くが、北朝鮮大使館の通訳を務める妻ジョンヒ(チョン・ジヒョン)にスパイ疑惑がかけられていることを聞き驚く。
夫婦でありながら妻を疑う夫にジョンヒは深く傷つくが、やがて二人は巨大な陰謀に飲み込まれ国家からも追われることとなってゆく。

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ハ・ジョンウのアクションが半端なくすごいです。
敵を避けて階段を飛び越えて降り、拉致された妻を追っては走る車にしがみつき、追手に追われて高い建物から落ち、ガラスの破片が飛び散り、銃撃戦は勿論、襲ってくる敵とも素手で殴り合う。
顔や体が血だらけで家に帰りついても、黙って傷を手当してくれる妻の事も心の底から信頼出来ない孤独なジョンソン。
人は裏切るもの。
北の英雄を演じるハ・ジョンウは今回も渋くてなかなかかっこいいです。
記憶喪失じゃないけど「ボーン」シリーズのマット・ディモンみたい。
お二人ともハンサムじゃないとこがいいですね。

一方、「シュリ」では主役だったハン・ソッキュは南の組織の命令から外れ、ジョンソンと妻を助ける側に回り、出番やアクションはやや控えめです。

アラブ、ロシア、CIAなども交錯する国際的な情報戦と、隠し口座にまつわる祖国の高官が絡んだ怪しい企てに翻弄される主人公。
そして、その企ての首謀者のトン・ミョンス(リュ・スンボム)にホイホイ騙されるアラブやらの組織がちょっとアホ過ぎかなと疑問なんですがストーリーは緊張感が持続して面白いです。

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ポスターにも書かれている「シュリ」がら14年・・・ってことで、「シュリ」と比べてみると、私は単純だけどラブストーリー色の強い「シュリ」の方が好きかな~と思いました。胸キュン(死語?)要素が沢山でしたからね。

続編も作られるのかも?★★★★

監督;脚本;リュ・スンワン


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僕の妻のすべて [映画【は行】]

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今朝、13日は兵庫県・淡路島で最大震度6弱の揺れを記録した地震が起きました。
皆様、大丈夫でしたか?
私は枕元のiPhoneから発せられた緊急地震速報音で飛び起きました。
止めた途端にゆさゆさと大きな揺れが・・・・。
それにしても地震が起こる前に速報が流れるとは驚きです。それに速報音があまりに大きい音で心臓バクバク。
鳴ってもどうすることも出来ませんでしたけど、昨日観たこの映画の1シーンが蘇りました。
この映画は地震がきっかけで知り合った二人の物語でした。

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『韓国映画セレクション 2013春』というイベントがシネマート心斎橋で始まってます。
2011~2012年に韓国で公開された話題作を一挙公開!・・って3本ですけど全国公開はしないんじゃないかと思いますのでここでしか観れないであろう3本、そのうちの2本を鑑賞してきました。

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先に見たこの『僕の妻のすべて』はコメディタッチの映画でした。

日本の名古屋に耐震住宅の勉強で来ていたドゥヒョン(イ・ソンギュン)が、料理を学ぶために留学していたジョンイン(イム・スジョン)とたまたま起こった地震がきっかけで知り合います。
日中に起きた大きな揺れに驚き怯えるジョンインにドゥヒョンが「じっとしてれば大丈夫」と諭すシーンがあるんです。

それでも怖がりテーブルの下に隠れる彼女が可愛くてドゥヒョンはテーブルの下に一緒にもぐり込み、「こんな美人に会えて光栄です。一緒にお昼を食べませんか?」とにこりと笑って誘います。
恋に落ちた二人はそれから韓国に帰り結婚するんです。

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か弱い女の子を守ってあげたくなるのは世の男性はみな同じ。
しかし、それから7年。時がたつと可愛かった彼女は恥じらいもなくどこでも着替えお尻を掻いて、トイレに入る旦那にドアを開けて無理やりジュースを飲ませ、全ての事柄に毒舌を吐く女になっていました。
妻のお尻に敷かれっぱなしでこんなはずじゃなかったと後悔の毎日。
どこででも毒舌をまき散らす妻に愛想を尽かし離婚まで考え始めたドゥヒョン。
でも自分から怖くて切り出すことが出来ません。
そこで近所に住む“伝説のカサノバ”と噂の男、ソンギ(リュ・スンリョン)に妻を誘惑してもらえないか頼んでしまいます。

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カサノバを演じるのは『高地戦』や『王になった男』で渋い演技だったリュ・スンリョン。
どうしちゃたんだろうというくらいのテンションで女ったらしを演じていました。
脇役を演じると主役を食っちゃうくらい光る方ですね。
でもそのもて方が何人もの外人女性が家の外で喧嘩するほど、っていうのがちょっとありえない感もありましたけど。

ドラマ「パスタ ~恋が出来るまで~」のイ・ソンギュンは相変わらず低い声が素敵ですが、妻に頭が上がらない情けない旦那の役でカサノバのせいで妻の様子が変わっていくとヤキモキしてみたり怒ってみたり。
そしてなぜ彼女は変わっていったのかを理解していくんですね。

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監督は『アンティーク ~西洋骨董洋菓子店~』のミン・ギュドン監督。
この映画は韓国では観客動員数400万人を突破して大ヒットしたようです。
大人の観客層を狙って夫婦間の悩みを軽い笑いに変えたとこがヒットの要因なんでしょう。
そしてラストに出会ったころを思い出すようなエピソード。
妻役のイム・スジョンの毒舌マシンガントークが見事です。美人ですね。

★★★★  機会があったら是非ご鑑賞ください。


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フライト [映画【は行】]

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今回の第85回アカデミー賞では主演男優賞と脚本賞でノミネート。
残念ながら3度目の男優賞受賞は逃しましたが観てきました。

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監督はロバート・ゼメキス監督。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ/一期一会』の監督と言えば誰でも「ああ」と思うはず。
最近はアニメーションの仕事ばかりだったので実写は12年ぶり。
その12年前の作品はなんだったかというと『キャスト・アウェイ』。
今回アカデミー賞監督賞を受賞したアン・リー監督が受賞前に今回の映画『ライフ・オブ・パイ』の事を聞かれた時“3Dにしたのは僕の映画にはトム・ハンクスは出てこないから・・・”とジョークを交えて語っていました。
その映画は『キャスト・アウェイ』のことです。
この映画は飛行機事故で無人島に流された男のお話で名優トムには相棒のトラはいなかったのでバレーボールに顔を書いてウィルソンと名前を付けてました(ウィルソンはまんまメーカー名)。
私は当時試写会でみたんですけどそのバレーボールとの別れの場面ではどっと笑いが起こったのを記憶しています。
虫歯になって歯を自分で抜いたりと確かに一人で凄い演技でした。

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さて、映画のストーリーはシンプルです。
ウィップ・ウィトカー(デンゼル・ワシントン)は天才的な技術を持つパイロットですが重度のアルコール依存症。
毎日飲んで、同僚のCAと過ごしたその日も出勤前に朝から飲んで、別れた妻からは息子の学費の催促の電話。生活かなり乱れています。

でも、フライトは快調で悪天候も難なく切り抜け乗客からは拍手ももらっちゃう。
一息ついたら飛行中にもかかわらずこっそりまた飲んで、操縦は副機長に任せてちゃっかり仮眠。
きっと毎日そんな調子で勤務していたんでしょうね。
でもこの日違った事は高度3万フィートで起きる不慮のエンジントラブル。
背面飛行をとっさの判断で行い不時着に成功させます。
乗客4人、乗務員2名は死亡者が出ました他のパイロットなら墜落して全員死亡の事態でした。

多くのマスコミは「奇跡のパイロット」「ヒーロー」として取材に押し掛けます。
墜落の原因は操縦ミスではなく整備の問題でした。
でも怪我で入院中のウィップの尿や血液からはアルコールや薬物が検出されてしまいます。
薬中のパイロットが操縦していたとばれたら本人も会社もとんでもないことに・・・。
そりゃあれだけ飲めば出ますよね。そんな訳で誰からも隠れて逃げ回るウィップ。

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やばい、やばい。
マスコミに追われ始めてからはずっとこんな重苦しい感じで進んでいきます。
本人にしてみれば俺の事は放っておいてくれってとこです。
まあ、マスコミにしてみればヒーローでも犯罪者でも話題になれば美味しいんですけど。

弁護士(ドン・チードル)や航空会社の旧友ら事故担当のメンバーはウィップのアルコール中毒を隠してなんとか彼が立ち直れるように、復職出来るようにと頑張ってくれるんですけどなんといっても本人がダメ男ですからアルコールが断ち切れません。
観てる方はいらいらが増していきます。
もう飲んじゃダメ、このままじゃアルコールのことがばれて服役刑になっちゃうって言ってるじゃない、聞いてないのかい!?

病院で偶然出会った麻薬中毒のニコール(ケリー・ライリー)。
彼女と父の残したセスナで高跳びしようかと考えるけどそれもかなわず。
でも彼女に連れられ一緒に出掛けたアルコール依存症の会で聞いた患者の言葉に何かを見出していくのです。

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多くの人命を救った機長に与えられる公聴会。
誰かに責任を問われる墜落事故だがここを切り抜けたら彼は救われる。
半身不随になった副機長や親しいCAも命を救われた事には充分感謝してアルコールの事は黙っていてくれている。
そんな友人たちの苦労をまたもや裏切るダメ男・・・でもあの冷蔵庫の中身って何故?
そしてそんな彼をしゃっきりさせる為の最終手段がこれって!?えええ?

デンゼル・ワシントンのしゃっきりした男とダメ男の切り替え、立派です。
こんなとこがアカデミー俳優ですよね。

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良くも悪くもアメリカっぽい映画でした。

この映画、パニック映画じゃありません。
事故後に直面する事態をどう収拾していくか、切り抜けるために主人公が苦悩する心理ドラマなので派手なアクションを期待する人は観ないでね。
予告やコピーの印象とは違いますよ。

宗教的な、そう、神の存在や道徳感もテーマだと思います。
癌になるのも人が出会うのも事故に遭うのも神の意志だとしたら貴方はどう生きていくのか。
嘘で固めた人生でも上手く渡っていけばそれが幸せなのか。

デンゼル・ワシントンが好きな私ですがあまりに重苦しくてもうこの映画を2度観ることは無理、と思うくらいの追い詰められ感いっぱいの演技でした。   ★★★★


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ホビット 思いがけない冒険 [映画【は行】]

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6月末より書くことをさぼっておりました。皆さまお元気ですか?^.^;
更新を怠るとブログの一番上に広告が大きく貼られるですね。
夏を超え冬になり年末まで更新していなかったのですけどそれでも訪れて頂いていた方々に感謝です。また宜しくお願いいたします。

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クリスマスにレイトでIMAX3Dで『ホビット 思いがけない冒険』を鑑賞してきました。

IMAXはレイトでも水曜でも老人でも子供でも一切割引なし。
広くて画面も大きくちょっと贅沢な空間、音響がビンビン響いていい感じです。
でも何人ここにいるのかしらって数えたら私を含めなんと8人。
クリスマスですが今日は平日の月曜日。
浮かれていたクリスマスから脱却、年末モード変換の日ではありますがこんな集客率で採算合うのかしら?なんて大きなお世話ですけど、もしかするとこの作品ってそれほど話題になっていないって事かしら?とも思ったりもしました。劇場前のポスターもそういえば小さかったし。
映画に行く前に職場の人たちと話をしていたら『ロード・オブ・ザ・リング』は苦手だという人も意外と多かったんです。女性はちょっとあの世界観が怖いらしいのです。

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お話はR・トールキン原作の「指輪物語」を映画化した『ロード・オブ・ザ・リング』のあの壮絶な旅の60年前。

111歳だったホビット族のビルボ(マーティン・フリーマン)は50歳の青年(!)となって灰色の魔法使いガンダルフ(イアン・マッケラン)、ドワーフ王トーリン・オーケンシールド(リチャード・アーミティッジ)を含む13人のドワーフ一団と共に旅に出ます。
ビルボは旅に出ることなど思ってもいなかったので突然やってきて無茶ぶりするガンダルフにしつこく誘われてもきっぱり断わるんですが好奇心がむくむく。
やっぱり思い直して参加してしまいます。
なので思いがけない冒険っていうサブタイトルになるのね。

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ガンダルフとトーリンは古くからの友人のようです。
財宝が大好きなドラゴンのスマウグに奪われたドワーフの祖国と財宝を奪還するため、はなれ山エレボールへの冒険に出発。

ガンダルフに無理やり見ず知らずのドワーフ達に仲間として推挙されたビルボ。
しかも“忍び”っていう推薦理由はいったい!?
ドワーフ達もビルボの事を全く信用しておりません。
ビルボは巨大なトロールや凶悪なオークに襲われ何度も危険な目に合いますが賢さと勇気で仲間を助け友情を育みながら旅を続けます。
そしてあのゴラム(アンディ・サーキス)とゴラムが持つ不思議な指輪との出会いも語られていきます。
ゴラムは更に気持ち悪く鮮明になってるような気がします。いいのか悪いのか。

157564_6.jpg いとしいしと・・・

1部の感想としては懐かしの美しいホビット庄が出てきてワクワク、フロドやエルフのガラドリエルなどの前作のメンバーも出てきて嬉しかったんですけど、話が前作のような“世界を闇の冥王サウロンから守るため魔力を秘めた指輪を滅する旅”という重いテーマからは小さくなちゃったのと、旅の仲間がホビット1人+ドワーフ13人+魔法使い・・・前作の素敵なアラゴルンやレゴラス、楽しいピピンにメリーとの旅より魅力が無いような。(一人だけかっこいいドワーフもいますけどね。)
ドワーフ同士なので前回は激しかった異種とのごたごたや喧嘩もビルボ以外とは無いし・・・。
う~ん。

157564_11.jpg 彼が一人だけかっこいいドワーフ

ドワーフがビルボの家で大騒ぎをする始まりは面白かったんですが、その後旅に出て恐ろしい敵が襲って来ては誰かに助けられるパターンが何回か続くといけない事にうとうととしてきてしまいました。
美しい映像美も見慣れてしまうとダメなんでしょうか。^.^;;

もちろん3部作は全部観ますのでこれからの展開を期待する限りです。
ちょっと辛口ですがもう映像の美しさは語れません、どうしたらこんな美しい映像が撮れるんでしょう。
大画面で観る映画ですので是非映画館でどうぞ。
私も2Dでもう一回みたいです。(寝てたから?とは言わないで)

★★★★☆ この世界に入れるだけで幸せです。

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今回の監督は前シリーズ同様、ピーター・ジャクソン監督が務めています。
ギレルモ・デル・トモ監督が一時期監督にと決まっていた時期がありましたが様様な問題、特にスケジュールが遅れた為に降板となってしまいました。
ギレルモ・デル・トモ監督は「パンズ・ラビリンス」や「ヘルボーイ」シリーズの監督さんで、私は好きな監督なので彼が手がけるとどうなったのかも興味深かったです。

『ホビット』は当初は『思いがけない冒険』『ゆきて帰りし物語』の2部作として製作が進められていたものが2012年7月に全3部作となることが発表されました。
次の第2部『スマウグの荒らし場』は来年、2013年12月13日、第3部『ゆきて帰りし物語』は2014年7月18日にそれぞれ公開予定とのことです。楽しみですね。


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ファミリー・ツリー [映画【は行】]

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第84回(2012)アカデミー賞脚色賞受賞。

今回の「アカデミー賞主演男優賞を誰が受賞するのか」でジョージ・クルーニーを推す人が多かったですけど残念ながら今回も受賞は成らず。
(第78回アカデミー賞で助演男優賞は受賞済み)

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今回のクルーニーの役どころは家庭を顧みない仕事人間の弁護士。
広大なハワイの土地を所有する王族の末裔でもあります。

ある日、マット(ジョージ・クルーニー)の妻がボートの事故に遭い昏睡状態となってしまいます。
妻の状態に失意を感じるマットに、実は妻は自分と離婚し浮気相手と再婚を望んでいた事、
反抗期だと思っていた長女(シャイリーン・ウッドリー)が妻の浮気を目撃していたこと、
親しい友人たちも妻の浮気を知っていた事など・・・自分が知らなかった事実に愕然としてしまうのです。

妻は事前意志で生命維持装置を希望していなかったため、延命処置が打ち切られるのは時間の問題、妻の命のカウントダウンが始まります。
妻の両親からは娘は不幸だったと責められ、今まで妻にまかせっきりだった娘たちとさえどう付き合ったらいいのか解らないマット。
そして親戚たちと共有するカウアイ島の広大な一等地を売却しなければならない問題もあるのです。

でもそれよりも一番気になるのは妻の浮気相手とは一体誰なのか?
マットは妻が生きているうちにと浮気相手探しを試みるのです。

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そんな旅の中で険悪な関係だった長女との関係が徐々に近くなっていきます。
そして意外にも浮気相手と売却する土地問題も絡んでゆきます。

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妻に愛想を尽かされる情けない男をジョージ・クルーニーが熱演。
浮気相手の家を外から覗くシーンにはちょっと笑ってしまいます。

妻の浮気に慌てる夫というのはありがちなストーリーなんですけど、ハワイ王国の末裔でもそうなのかってとこがポイント高いですね。
次女が起こした友達とのいじめ問題にも相手の家に謝りに行ったりします。

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そうこうしてる間に延命装置を外した妻はどんどん弱っていきます。
弱っていく奥さんの姿はとてもリアル。
愛して、長年連れ添い、心が離れて裏切られた妻に最後にマットが贈る言葉、味わい深いです。

遺された家族が再生していくラストでした。
南国の楽園ハワイに住んでいて美しい妻がいて可愛い子供もいて財産もあるし仕事も順調、だけど上手くいかないこともある。
家庭を後回しにしてきた罰かな?人生って難しい。

  ★★★★

監督;アレクサンダー・ペイン 脚本;アレクサンダー・ペイン、ナット・ファクソン、ジム・ラッシュ
原作;カウイ・ハート・ヘミングス


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ビースト・ストーカー/証人 [映画【は行】]

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私が大好きな俳優の一人、『新少林寺/SHAOLIN』『孫文の義士団』のニコラス・ツェー。
前回公開された『密告・者』を観損ねてしまったので今回は必ず観たいと思っていました。
終了ぎりぎりで間に合って鑑賞出来ました。

『密告・者』のダンテ・ラム監督とニコラス・ツェー、ニック・チョンが手を組んだ香港ノワール・サスペンス。
今回は前回と善悪が変わっているとのこと。
(といっても実際は本作が2008年制作で『密告・者』は2010年制作で日本での公開が逆なんですけどね。)

韓国ノワール・サスペンスの『チェイサー』と『哀しき獣』も同じ監督で善悪を交換した映画でした。
期待大です。

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刑事のトン(ニコラス・ツェー)は強盗事件の容疑者を追跡中、衝突事故に遭遇。
自分も傷を追いながら逃げようとする容疑者達が近くに停車していた車を奪い逃走を図るのを見て銃弾を発砲。
しかし犯人たちが逃走用に奪った車には幼い少女が乗っていてトンの銃弾のせいで犯人達だけではなく少女をも死亡させてしまうのだった。

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少女を死なせたことで心も体も傷ついたトンの目の前で今度は自分が殺した少女の妹が誘拐される。
実は少女達の母はトンが追っていた強盗事件の容疑者で裏組織のボスの裁判を担当検事だった。

娘の命が惜しくば裁判の証拠品を渡せと脅される検事、アン(チャン・ジンチュー)。

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そしてアンの娘を誘拐した犯人のホン(ニック・チョン)には体が不自由で寝たきりの妻がいて、彼女の為に高額な薬代が必要であった。
ホン自身も眼に障害があり、色彩を失ってしまっている。
もうすぐ失明の恐れさえあるのだ。

トンとホンとアン。この三人の間には刑事と犯人、事件の検事であり誘拐された少女の母という関係を超える偶然の結びつきがあったとわかるのはラスト。
何故ホンの妻は寝たきりになってしまているのか・・・。

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刑事のトンは少女の姉を殺してしまった自責の念があり、妹の命を何が何でも救いたい。
そこでかつての同僚に協力を求めるがトンの従兄弟という男はトンのせいで出世を逃した恨みをここぞとばかりにぶつけ始める。
すると何も言わず黙ったままのトンの鼻からすーっと流れ出る鼻血。
うわ、と驚く従兄弟はそれから素直にトンに協力し始めるくだりが印象的。

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誘拐事件の犯人のホンは裏組織のボスとは面識もない金の為だけに働く下っ端だが、元ボクシング選手という設定でまるでターミネーターのように強い、強すぎる。

ホンを追っているうちに見つけたホンの妻をトンの同僚が救急車で病院に送迎していると突然やってきてその救急車まで奪ってしまうし(どうやって見つけたんだろね?)、目も足も悪い割にはめちゃ足速いし、長刀で切りつけるから怖いです。

ラストのオチは出来過ぎてる感もありました。
練られ過ぎてるストーリーがちょっと不自然。
でもそこはまあ、執拗に犯人を追い少女を助けるニコラス・ツェーの必死の顔を観てたら許せますけどね。

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誘拐される少女が可愛い。
韓国映画の『アジョシ』でもウォンビンが裏組織から少女を守ってました。

香港映画と韓国映画、どちらもすごいアクションと緊張感が続くストーリーに感心させられます。
   ★★★★


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ヘルプ ~心がつなぐストーリー~ [映画【は行】]

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1960年代、米南部、ミシシッピ州のお話。
ニューヨークタイムズ紙の書籍ランキング103週連続ランクインしたベストセラー小説を原作に
ミシシッピ州出身の監督が映像化しています。
上演時間は146分と長いです。
20時40分から始まるレイトショーで観たんですが終わった時間は23時をとっくに過ぎていたので
驚きました。

ひとりの白人女性によって綴られた“ヘルプ”と呼ばれる黒人メイドたちの“心の声”のお話です。
主人公のスキーター(エマ・ストーン)は南部の上流家庭に育った白人女性。

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彼女が4年の大学生活から故郷に戻ってくると、自分を育ててくれたメイド(=ヘルプ)のコンスタンティンが母にクビにされていなくなっていた。理由を聞いても母は詳しく語らない。
母よりも身近な存在だったコンスタンティンがいなくなったことにショックを感じるスキーター。

一方、同じく上流家庭に育ったスキーターの友人でこのあたりの社交界のボス、ヒリー(ブライス・ダラス・ハワード)は白人家庭には黒人専用トイレの設置を義務付けようと言いだす。
そしてヒリーの家のメイドのミニーは白人トイレを使用したために解雇される。

自身も黒人メイドに育てられているのに大きくなったらメイドを追いだす母や友人たちの姿を見た作家志望のスキーターは故郷の現状がもはや当たり前には思えず、メイド達にインタビューを試みるがメイド達に真実は語れない。
誰もが口をつぐむ中、ミニーの親友のエイビリーン(ヴィオラ・デイヴィス)が勇気を出してインタビューに応じ始める・・・。

女性群像ストーリーです。女性の登場人物が多いですがそれぞれを上手く描いていました。

男性はほとんど出てきません。
スキーターには彼が出来ますが、彼は現状を変えるなんて考えもしないただの金持ち男という感じで、最終的には別れちゃいます。
演じるエマ・ストーンは今年の6月に公開予定の超大作『アメイジング・スパイダーマン』で主人公ピーターの運命の恋人グウェン・ステイシー役に抜擢されている注目の女優さん。
クルクルの髪が可愛いと思って観てたけど、本人やママには違うみたいで髪をストレートに延ばすマシーンが出てきて笑いました。

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ヴィオラ・デイヴィス演じるエイビリーンには若くして亡くした(彼女が真実を語るきっかけを与えた)息子がいますがエイビリーンの語りだけです。
クビにされた後、憎き雇い主に復讐を遂げるミニー(オクタビア・スペンサー)にも暴力夫がいるようですが、ヒリーの怪我を見せるだけで夫の映像は登場しません。

今作でヴィオラ・デイヴィスはオスカーに主演女優賞ノミネート、オクタビア・スペンサーは見事に最優秀助演女優賞に輝きました。

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意地悪なヒリー役のブライス・ダラス・ハワードはロン・ハワード監督の娘さんなんですね。
沢山の映画に出ているみたいですが今回の映画で知名度はかなり上がると思います。
チョコレートケーキを美味しそうに頬張る姿やベッドで自分の話を描かれた本を見ての絶叫シーンはなかなか印象的ですから。
メイドにも自分の母にも意地悪な、本当に嫌な女を好演しています。

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ヒリーに嫌われるのはメイド達だけじゃなくて白人のシーリアもそう。
彼女は同じ白人でも下層家庭出身でヒリーの元彼と結婚した為に、大邸宅で暮らしているけどボスのヒリーの一声でみんなに無視されて生活しています。
性格は良くて可愛いけどちょっと空気読めない系、金髪で胸を強調する派手なドレスを着ていてマリリン・モンローっぽい。
『ツリー・オブ・ライフ』でブラピの妻を演じてたジェシカ・チャスティンが演じてますが、あの時の地味な母の印象とは全く違う可愛い役に、うまいなあって思いました。

あと、横暴な娘ヒリーに密かに反撃を試みる母役に名優シシー・スペイセク、スキーターの母にはアリソン・ジャレイと脇役も超豪華。

50年前とはいえ人種差別や階級制度が強い南部という土地柄。
テレビからはKKK団のニュースも流れます。
今はどれだけ変わっているのかはわかりませんが、一緒にメイドと白人女性がフライドチキンを頬張るなんてとんでもないことになった時代をコミカルな演出や演技で、小さな勇気が世の中を変えていくというストーリーが元気を与えてくれるお話でした。
女優さんたちの力演がうまく生かされた映画です。
ラストのエイビリーンの後ろ姿には強さと共に寂しさも感じました。

 ★★★★ 

監督、脚本は原作者キャスリン・ストケットとともにミシシッピ州ジャクソンに生まれ育った友人同士のテイト・テイラー。


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