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黄金のアデーレ 名画の帰還 [映画【あ行】]

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クリムトが描いた「黄金のアデーレ」。
オーストリアの国宝級の名画に、アメリカに住む82歳の女性が返還を求め、オーストリア政府を相手に裁判を起こした実話を映画化したものです。

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主演はヘレン・ミレン。まずは映画の背景から。

「アデーレ・ブロッホ=パウアーの肖像Ⅰ」と呼ばれるこの名画はオーストリアの画家グスタフ・クリムトによる実在の女性の肖像画です。1907年に完成しました。

この絵は砂糖産業で富を得たユダヤ人実業家・フェルディナント・ブロッホ=バウアーの注文でウィーンで描かれたものです。フェルディナントはクリムトなど、多くの芸術家を支援していました。


モデルのアデーレはフェルディナントの妻で、1925年に髄膜炎で死去しますがオーストリア・ギャラリーに絵を寄贈してほしいと遺言を残しました。

このアデーレ自身の遺言がオーストリア政府に返還を申請した際に拒ばれてしまう時の一番大きな障害となってしまうのですが、しかし本当の所有権は肖像画を注文した夫、フェルディナントにありました。
フェルディナントはナチスがオーストリアを占領した際にスイスに亡命します。
第2次世界大戦中にオーストリアに残されたフェルディナントの資産はこの絵を含めすべてナチスに没収されてしまっていました。

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当時、結婚したばかりだった姪のマリア(ヘレン・ミレン)はオーストリアでのナチスのユダヤ人への迫害から逃れ夫とアメリカへと亡命します。
マリアの心残りは両親を国に残してしまったことでした。

その後はアメリカで長く暮らしたマリア。
ナチスとオーストリアがユダヤ人に行った辛い仕打ちをすべてを忘れてきたように生きてきたマリアでしたが、 新米弁護士ランディ(ライアン・レイノルズ)の助けを借りて80代になった時にオーストリア政府に財産の返還を求めるのです。

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マリアの幸せだった若い頃の回想と現在の様子が交互に描かれていきます。
絵のモデルとなった伯母との思い出、マリアの結婚式での伝統的なダンス(メジンケ)、ナチスの監視を逃れて旅立った両親との悲しい別れ・・・。

マリアは祖国オーストリアの土を再び踏みしめますが簡単に国宝級の絵を返還してくれるわけもなく、心に傷を負ってアメリカに戻ります。

しかし、最初は気乗りがしなかった弁護士ランディの方が今度は積極的にオーストリア政府に挑み始めます。
頼りなかった若い弁護士の成長にも感動がありますし、長く続く返還への困難な道のりの終わり、ラストで法廷の判決シーンには観客の中から拍手をする人もいたほど感動的なストーリーになっていました。 

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この絵は今はニューヨークにあるそうです。名画の背景が見えると絵も違ったように見えてきますね。
主役二人の関係がどんどん深くなっていくのでそこが見どころかなと思います。

監督は「マリリン・7日間の恋」のサイモン・カーティス。  ★★★☆

 


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007 スペクター [映画【さ行】]

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前作「スカイフォール」も劇場で観たんですがたしか〝M”が死んじゃった、くらいしか覚えていなくてお話についていけるかなと思いましたけど大丈夫でした。(でもこれからご覧になるなら観ていた方がいいとは思います。)
ダニエル・クレイグのボンドも今回が最後と言われています。
2012年のロンドンオリンピックでも女王陛下をエスコートした、今やジェームズボンドといえばこの人、残念ですね。

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ストーリーはメキシコシティの『死者の日』から始まります。
骸骨のパレードやドクロの扮装であふれかえる祝日、大勢の人々であふれかえっている街中をすり抜け現れるジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)。
 

やがてホテルの部屋から抜け出したボンドは屋上を歩き、隣の建物の部屋にいる男たちを銃撃。
この男たちはスタジアムの爆破テロを計画しているのですがその爆発物が引火、建物は大爆発して倒れ、そこから逃げる男を追いかけ、男を助けるために着陸したヘリコプターに乗り込み空でも大乱闘。
男の指にはめられていた指輪を抜き取り、男は外に突き落とす。
指輪に刻まれている印は黒いタコの紋章… 。ここで主題歌が流れます。

本部に戻ったボンドは上司のM(レイフ・ファインズ)にメキシコシティでの責任を問われ、しばらくの間は謹慎処分と告げられます。
実はメキシコシティでの出来事は前作の「スカイフォール」で殉職したM(ジュディ・デンチ)の遺言だったのですけど現在の上司Mには内緒です。
謹慎なんて言われてもしるもんか、引き続き秘密に動くボンド。
やがてボンドは世界中でテロを企むスペクターの正体を暴き、戦うこととなっていきます。

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大作ですから画像が美しいのは当たり前。
ストーリーがしょぼくてなんでしょう、この残念感。

初っ端のヘリでのアクションはすごいですよ。
ヘリもでんぐり返りのアクロバット、落っこちないのが不思議なくらいですごくヒヤヒヤするんですが、祭りから遠くない上空で、忍ぶのが仕事のスパイなのにど派手すぎるよ007、そりゃMが怒るのも無理はない。

上司に怒られた後はボンドカーが登場、この車がすごくかっこいいジャガー。
だけど実は007のじゃなくて009の車だったんだって。
でもこっそりぶんどってローマへゴー。
ヘリで殺した男の未亡人(モニカ・ベルッチ)と会って情報を引き出します。

ローマではもちろんカーアクション。
追われるボンド。車の後ろに装備された機関銃はボタンを押しても弾が無くて起動しません。
お次は音楽機能装置って…そんなのジャガーじゃなくても軽自動車にもついてるよ?
ここは笑うところなのかな?
あとは火炎放射器と運転席から脱出出来る装置(パラシュート付き)とか、小学生の想像並でしょぼすぎる。
しかも脱出後はあっけなく川にドボン水没させちゃうし。(^'^) 

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壮大な祭りあり、雪山あり、砂漠あり、ローマの石畳あり。
景色は壮大で綺麗ですが各国を股にかける一流スパイっていうのは散々トム・クルーズに見せてもらってるので目新しいこともありません。
ボンドガールも上品な美人だけどミステリアスでもなく、助けるどころか彼女に助けられて、一人で帰らせては人質にされて。
縛られたヒロインの周りにはぐるぐるにめぐらされた爆弾のワイヤーが~、ピンチ。
でも切ったら爆発するんじゃないのかい?手をひっぱって逃げるだけなんてそんなアホな。
そしてラスボスを乗せたヘリを拳銃で撃って落とすかあ?とラストにはもうがっかり。

封印されたボンドの秘密とスペクターの関わりはたいした驚きも無く、せっかくアカデミー賞俳優のクリストフ・ヴァルツを悪役に据えてるのに、え、そこが恨みの根元?と小物感がぬぐいきれません。
全てのエピソードが最初はドキドキしても長くは続かず、あっさり終了してしまいます。
美女モニカ・ベルッチも変な役に使われてるのね。 ★★★

監督:サム・メンデス 

 

 


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コードネーム U.N.C.L.E. [映画【か行】]

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最近ちょこっと更新をサボっておりました。
皆さまお変わりございませんか。
ソネットってしばらく更新を怠ると最初のページにでっかい広告が出てるんですよね~。
映画はぼちぼち観てまして「愛と哀しみのボレロ デジタルリマスター版」がなかなか感動的でした。
しばらくボレロのあの曲が頭をぐるぐる回ってました。
またそのうち書こうかと思っています。

ところでこの映画はすご~く楽しかったです。
お隣の席に誰もいなかったものですから久しぶりに「アッハッハ」と(かなり小さい声でですけど)何回か笑ってしまいました。
こんなに笑えたのは松山ケンイチ主演の「デトロイトメタルシティ」以来かな。
時代設定が古いので全てががレトロ。
カーチェイスもクラシックカーでお洒落です。

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60年代のTVシリーズで4シーズンを制作・放送された『0011 ナポレオン・ソロ』をリメイク。

映画の舞台もTVシリーズと同じく60年代。
その頃の米ソは冷戦真っ只中です。
白黒テレビに映るのはジョン・F・ケネディ大統領のお顔。
ベルリンの壁の前には銃を持った監視の兵がいます。
暗い東ドイツに向かうのはCIA工作員、ナポレオン・ソロです。
ソロは金庫破りや芸術品をブラックマーケットに売りさばいていた犯罪者なんですが、その天才的な犯罪技をむざむざ牢屋に入れておくのはもったいないってことで、投獄しない代わりにCIAで働けってスパイをやらされているんですね。CIAさん、さすがです。

そんな元犯罪者のスパイを演じるのは「マン・オブ・スティール」で主役のスーパーマンのヘンリー・カビル。
スーパーマンも同じ七三の髪型だけど眉間に筋が入ってるヒーローと違って女好きで金庫破りの名人を飄々と好演。好感度は上がります。
びしっと着こなすスーツはパンパンなんです~。

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ソロの今回の任務は東ドイツに住むある女性を連れ出すこと。
元ナチスの天才科学者を父の持つギャビー(アリシア・ビカンダー)です。
この超美人、アリシアは2015年のルイ・ヴィトンのモデルさんなんですって。
彼女が着こなす60年代フアッションも注目ですね。
  
ソロはギャビーに協力を頼み行方不明の天才科学者の行方を追うつもりです。
ですがそこに現れたのが金髪のソ連のKGBスーパースパイ、イリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー)。
イリヤのトレードマークはタートルネックのセーターって…どんな設定?ソ連寒いから?
アーミー・ハマーって「ソーシャル・ネットワーク」で双子を一人で演じてた人ですね。
この映画でみてるとスーパーマンが小さく見えるほどすごいでっかいです。
身長196㎝なんですって。
 

まあ、米ソで考えることは同じでソ連もギャビーを追っていたんですね。
素手で車を壊しかねないほどの怪力・イリアをどうにか振り切って逃げてきたソロ。

なのになのに。今度はお上の命令でKGBのイリアとコンビを組めってなんでやねん。
共通の敵が相手の為とはいえ、初対面も最悪だったクソ真面目なイリアとは全くそりが合わないソロ。
だけど仕事だからしょうがない。イリアの事はいつ殺してもいいって言われてるしね。
ギャビーを伴いお互いが相手をけん制しつつ変装してイタリアへ向かいます。


ソロとイリアが接触を図る相手も超美女(エリザベス・デビッキ)です。
ソロは盗みのお手並みを披露して近づいていくのですがうまくいきそうだったのにやっぱりそうなるのかって展開。

謎の紳士も現れますが演じるのはヒュー・グラント。
え、ヒューったらなんでこんなに老けたの??と二度観するほどおっさん化。
別の新作の予告ではそこまででも感じなかったので役作りで老けてるのかしら…きっとそうよそうに違いないと思うことに致します。

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それにしてもスパイ映画が最近続いていますよね。
8月に「ミッション:インポッシブル」、9月は「キングスマン」。
来月の12月には「007スペクター」も公開されるし、来年1月にはスピルバーグの新作も「ブリッジ・オブ・スパイ」とスパイ映画だらけ。
かぶってるやんけとスピルバーグ監督が思ったか思わなかったかはわかりませんがなんといっても主演がトム・ハンクス。これは行きたいですね。来年も観たい映画が控えていると思うと楽しみです。

で、この映画、60年代のTVシリーズのリメイクで日本でも超人気のドラマだったこともありオリジナルを知る世代も再放送でファンになった方も懐かしさのあまり足を運ぶ人も多いでしょう。
興行成績もかなりよさそうです。
オリジナルを知らなくてももちろん、楽しめることは間違いありません。
ストーリーは洗練されててスピーディ。
何か国語も自在に操るスーパースパイなのに拷問してる相手が燃えてるのに気づかないわけないでしょうと心の中で突っ込みを入れつつ小さい声でアッハッハと笑ってきてくださいね~。

監督はガイ・リッチー。 

 **追記**
興行成績ですが日本でのオープニング興行収入で約1億3千万円ほどだったらしく海外でもニュースとなったらしいです。
なぜかというと世界的興行成績としては大ゴケであったようです。
「Hollywood PEPORTER」電子版では〝この夏のアメリカで不本意な興行成績に終わった大作映画”を5本リストアップ。
その中に本作もありました。
その5本とは
『トゥモローランド』 予算1億9000万ドル・世界興行収入2億840万ドル・予想損益1億2000万ドル~1億5000万ドル
『ファンタスティック・フォー』 予算1億2500万ドル・世界興行収入1億4670万ドル・予想損益8000万ドル~1億ドル
『ピクセル』 予算8800万ドル強・世界興行収入1億8640万ドル・予想損益7500万ドル強
『コードネームU.N.C.L.E.』予算7500万ドル強・世界興行収入7210万ドル・予想損益8000万ドル強
『アロハ』  予算3700万ドル強・世界興行収入2620万ドル・予想損益6500万ドル

米国で9月4日付けでの記事で『ツゥモローランド』以外は日本公開前です。
『アロハ』は海外公開は中止となっています。

次回作はあるのか?ということは今後の日本などのアジア圏の興行収入にかかってくるのかも・・・。

  


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キングスマン [映画【か行】]

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舞台はロンドン。
サヴィル・ロウの高級テーラー『キングスマン』は実はスパイの本拠地。
彼らはどこの国にも属さず、秘密裏に活動し、数々の難事件やテロを解決していた。

そのキングスマンの凄腕スパイ、ハリー(コリン・フアース)はある日殉職した同僚の息子であり元海兵隊員のエグジー(タロン・エガートン)を助けることとなる。
エグジーは義父に虐げられ不幸な生活を送る毎日、警察のご厄介にもなっている。
ハリーの勧めでキングスマンの選考試験に参加したエグジーは過酷な試練を経験しながら他の高学歴エリート候補者たちと競り合い成長していく。

一方、ハリーはキングスマンの仲間の死にリッチモンド・ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)というアメリカ人IT企業の実業家が絡んでいることを突き止める。
バレンタインは人類の存亡を脅かす恐ろしい計画を企てており、ハリーにもヴァレンタインの魔の手が忍び寄ってくるのだった。

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冴えない青年がエージェントに育てられ成長していくお話です。

どこかで似たような映画を観たけど…??
あれは謎の美女・アンジェリーナ・ジョリーが、毎日をだらしなく生きている青年のジェームズ・マカヴォイの前に突然現れて立派な伝説の殺し屋に育てていく『ウォンテッド』(2008)じゃなかったかしら。

そう思ってちょっと調べたら同じ作者マーク・ミラーのコミックが原作でした。
ふーん、なるほど。
ついでに『キック・アス』の原作もマーク・ミラー。
この映画もアメコミ原作だったんですね。

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キングスマン達は「アーサー王と円卓の騎士」の名前がコードネーム。
うーん、イギリスっぽいね。

イギリスの紳士らしくダブルのスーツをびしっと着こなし、仕込み傘・時計・靴にライターなど「昔の」007の映画の様な秘密兵器を武器に戦う姿には懐かしさで笑ってしまします。

そういえば「昔の」007の映画は、今度はどんなボンドカーが出てくるのかなんてお楽しみがあったはずなのにね。今はボタン押したら羽が生えて飛んでく車とか出てこないのよね。

英国王でアカデミー賞主演男優賞のコリン・フアースにアクションやらせるなんてさすがです。
それだけでも感服しちゃいますが、もう何百人死んじゃうんだろうというくらい死人のオンパレード。
教会にいる罪なき人たちが全部吹っ飛んだときはこりゃやりすぎじゃ?
某王国の王女の扱いもどうかと思ったんですけど、威風堂々と頭が花火になって飛び散るころにはもう笑うしかないかな~、ってことで。

ところで、あのマーク・ハミルが出演していたの、わかりましたか?
『スター・ウォーズ』シリーズのルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルですよ。

最初のほうに出ていたアーノルド教授です。
懐かしくもあり、驚きもあり。
すっかりおっちゃんやなと思ったり。
新作の『スター・ウォーズ』にも出演してるそうですよ。

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『キングスマン』も既に続編が決まっていて、舞台が日本になるとのこと。
日本の悪者もダブルのスーツできめたスパイたちと戦って大変なことになるんでしょうか。
サミュエル・L・ジャクソンが怪演の大富豪はモデルはいないそうですがあえてといわれるとスティーブ・ジョブズ、なんだそうです。
コリン・フアースはやってこないですよね、そこが残念です。 ★★★☆

監督 マシュー・ボーン


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ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション [映画【ま行】]

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シリーズ5作目です。
原作は『スパイ大作戦』。
不可能を可能にする男、イーサン・ハント。
トム・クルーズは主役はもちろんプロデューサーでもあり、スタントも自分で行うというものです。

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IMFのエージェント・イーサン・ハント(トム・クルーズ)は謎の犯罪組織「シンジケート」の正体を追っていた。

ある日イギリスのロンドン本部を訪れたイーサンは敵の罠にかかり拷問を受ける。
謎の美女、イルサ(レベッカ・ファーガソン)に命を救われるイーサンだったが、シンジケートの企みでCIAから国際手配を受けるお尋ね者になってしまう。

それから半年後、IMFはCIA長官アラン・ハンリー(アレック・ボールドウィン)によって解体させられてしまっていた。
イーサンは謎の組織の正体を探りながら一人身を隠していたが、IMFの仲間のベンジー(サイモン・ペッグ)をオーストリアのオペラ座に呼び出すのだった…。

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シリーズも長くなりましたのでアクションもどんなものが練られているのかが注目の映画です。
前回はドバイの超高層ビルにぶら下がってたイーサン。

今回は高度1500メートル、時速400キロで飛んでる軍用機にしがみつき機内へと侵入を試みます。
でもなかなか味方のハッキングが手間取って中に入れない~。
この撮影は監督のOKが出るまで8回も撮影したそうです。

そして酸素ボンベなしで6分も潜るという息も詰まる水中シーンあり、モロッコ・カサブランカではバイクで颯爽と走り抜けるというアクションがテンポよく次々に用意されています。

いつも絶体絶命にもなるんだけど、今回は仲間がうまいこと助けてくれて笑ってしまいます。

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私が好きだったのはウィーンのオペラ座。う~ん、行ってみたい、オペラ座。
タキシードやドレスで正装した観客の観ている舞台裏での戦いです。

そこでは以前イーサンを助けた謎の美女がまたもや登場、なんと銃で要人を狙っています。

そこには別に怪しい男もいて、どっちが敵でどっちが味方?おっと、どっちも敵かしら?
暗殺者は楽器型の銃で、楽譜の音符に合わせて大統領暗殺のタイミングを狙ってるんですよ。
おしゃれです。

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もしかするとむっちゃ仲良しのジェレミー・レナーとか、CIAとか、謎の美女がとか、最後の最後に裏切るどんでん返しがあるのかも、なんて疑いながら観てたんですがそれは期待外れ。
悪い人は悪く、いい人はいい人のまま。
拉致された先でも水中でも謎の美女が現れてちゃっかり助けてもらっちゃうイーサンなのでした。

トムは女優さんを見つけるのが上手いですね。
ドレス姿あり、水着あり、バイクにも乗るレベッカ・ファーガソンがとっても魅力的です。

もちろんトムも素敵ですよ。体鍛えてますね。
笑えるシーンも沢山盛り込まれて、ポップコーンやビール片手にどうぞ。 ★★★★

監督、脚本はクリストファー・マッカリー。


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野火 [映画【な行】]

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大岡昇平が戦後間もない1951年に発表した小説を塚本晋也監督が映画化。
主人公は塚本監督本人が演じています。

フィリピンのレイテ島。
第2次世界大戦も終りに近い頃、アメリカ軍に包囲され、本土からの援助も一切無く、現地での食料は底を尽き…。限状態に陥った日本兵たちはどんな道を選んでいくのか。

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主人公の田村一等兵(塚本晋也)は結核を患い、上官からは野戦病院に行けと命じられる。
命じられたまま野戦病院に行くと、今にも死にそうな病人達を診ている軍医からは戦場に復帰しろと追い返される。
戦場と野戦病院を何度も往復させられ、やがて上官には役に立たない者は死んでしまえとまで言われ、帰る場所もなくあてもなく日本兵の死体がごろごろと転がるジャングルを彷徨う。

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田村が持っているのは小さい芋数個、戦友達が掘ったものだ。
そして銃が一挺と手榴弾が一つ。

芋も食べ尽きてしまうと自分の顔に張り付いたヒルさえも食べ、手りゅう弾に手をかけてみるも自決は出来ず、自生した草が見つからなければ食料欲しさに村人を襲う。

しかしやがてアメリカ軍から追い詰められた日本兵たちは戦友同士が殺し合い、お互いを食べるという極限状態へと突き進んでいくのだった。

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ここに描かれるのはいつ終わるかもわからない地獄。
お国の為にと召集されて戦う日本兵はアメリカ軍と戦い、飢餓とも戦い、自分の良心とも戦うこととなる。
戦争という極限状態の中で人間らしく生きることはなんと難しいことか。
全部の人が被害者。
やがて加害者へと変貌していくさまがこれでもかと残酷に映し出されていく。

自分が、父が、夫が、兄弟が、息子が、孫が。
二度とこんな体験をしないようにと願わずにはいられない。
戦場を切り取ったようなリアルな演出と体が沈んでしまいそうになる音楽に、なぜ善良な人々に死より辛いおもいをさせねばならなかったのかと帰り道泣けてしょうがなかった。 ★★★★☆ 

塚本晋也主演、監督、脚本、制作作品。自主制作作品として公開。

 


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犬どろぼう完全計画 [映画【あ行】]

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韓国映画です。

ジソ(イ・レ)は小学生の女の子。
ジソには家がない。

なんでかというと、お父さんが失踪してしまっているから。
車に寝泊まりして小学校へ通っているんだけど、学校ではそれは内緒。
でも親友にばれてしまったの。

有名私立の小学校はお金持ちの子どもたちばかりで、
もうすぐ誕生日のジソは家が無いから誕生会も開けない。

お母さんはウエイトレスで働くけどヘマばかり。
お金がたまるどころか駐車違反で捕まったり、お店はクビになちゃう始末で
こんな調子じゃ誕生日までに家を買うなんて絶対無理。
大人なんかあてにはなりはしない。

そこで親友と小さい弟と3人である計画を練ることにする。
それはお金持ちの犬を盗んでお礼をもらおうって計画。

超お金持ちだったら犬に大金を払えるだろうし、
犬はすぐに返してジソはそのお金で家を買う。
ちょうど500万ウォンで買える素敵な家もみつけたし。

綿密に練った計画で、
狙ったのはお母さんが働いていた店のオーナーマダム(キム・ヘジャ)。
マダムの犬はなかなか賢い犬なので手を焼いてしまうけど、
どうにか捕まえて隠すことに成功。

でもマダムの甥がマダムの財産を我が物にしようと良からぬ計画を企てていたために
完全なはずの計画が変な方向に向かっていくのだった。

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アメリカのベストセラー小説を映画化したものだそうです。
でも韓国の小学校の様子とか金銭感覚とかが詳しく描かれていて
韓国っぽくアレンジされてました。

主人公とその弟、親友という3人の子役が演技力抜群。
大人顔負けのセリフと子供目線で常識外れな行動をする大人たち、
親やピザ屋の店員を皮肉っては手玉に取りつつ、自分たちの協力者にしていきます。

お金持ちからなら大金を巻き上げても平気だなんて、こらこら、
小学生のくせにそんな非常識を考え付くんだね。

犬誘拐の理由が誕生会を開きたいという自分勝手なジソなんだけど
子供には見えなかった大人たちの悲しみがわかり始める。

貧乏でも子供を有名私立に通わせる見栄っ張りと思っていたガミガミ母さんにも
心の奥にしまわれた想いが。
お金持ちで不自由もない暮らしだと思っていたのマダムにも死んでしまった息子への愛が。
ジソに優しく協力してくれる浮浪者のおじさんの隠された過去が。
長く生きているぶん大人も今まで大変だったんだね。

伏線もたくさんあってドタバタと心温まるストーリー展開。
悪いことをしたら正直に謝るのが大切で、正直者にはご褒美もあるってオチでした。
人(犬)質のワンちゃん・ウォーリーがとっても可愛くて、
動物と子役がとっても頑張っている映画でした。

監督はキム・ソンホ。 ★★★☆


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アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン [映画【あ行】]

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アベンジャーズシリーズの第2弾です。

前作の2012年の「アベンジャーズ」の「日本よ、これが映画だ」ってキャッチコピーは話題になりました。
興行成績も全世界興行収入ランキングの歴代3位の記録をたたき出しています。

今回もアイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)、キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)、マイティ・ソー(クリス・ヘムズワース)、ハルク(マーク・ラファロ)などのマーベルコミックヒーローが集結して戦います。

このキャラクターたちのそれぞれの映画を観てないと「ロキの杖ってなに?」突然出てくるサミュエル・L・ジャクソンは誰なのさ?ってことになりそうなので予習した方が楽しめますよ。

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天才科学者のトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)はアイアンマンとして何度も人類を救ってきましたが、アベンジャーズにも手におえない危機を避けるために平和維持システムである「ウルトロン」を制作します。
ところがウルトロンは平和を脅かすのは人類であると選択しちゃったのでアベンジャーズは人工知能ウルトロンと戦うというとんでもないことに。
なので今回のキャッチコピーは「世界を滅ぼすのはアイアンマン」です。

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ウルトロンの他にもヒドラの残党による人体実験で特殊能力を得た双子、ワンダ(エリザベス・オルセン)とピエトロ(アーロン・テイラー=ジョンソン)がトニーの作った兵器で両親を殺されたとアイアンマンを恨んでいます。

姉、ワンダはテレキネシスやマインドコントロールを操る魔女のような能力を持ってトニーに幻覚をみせて惑わしますし、弟のピエトロは超人的なスピードで移動する能力でアベンジャーズと戦います。
でもホーク・アイとの掛け合いでクスリと笑わせてくれる微笑ましいキャラでもありました。

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前作に続いてジョス・ウェドンが監督、脚本を手がけています。
前作の主要キャストがそのまま演じてくれているのも好感度アップの要因です。

ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)の過去やハルクとの関係とか、ホーク・アイ(ジェレミー・レナー)の家族とか、これだけ沢山揃ったキャラクターをそれぞれ掘り下げてくれるのもすごいのですが、とにかくお話の展開が速すぎて1回観たくらいでは細かいストーリーは理解できないところが難点ですね。

相変わらず映像は素晴らしく、前作ほどの面白さは感じませんでしたが次のマーベルのシリーズを観たいならやっぱり押さえていないとだめかなあと思います。
来年全米公開予定の「キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー(原題)」にワンダも参戦することがきまっているそうですし、アベンジャーズの数名の主要キャラは行方不明になったり家族の元にかえったりと交代しそうですしね。 ★★★★

次回公開のアベンジャーズシリーズ第3弾&第4弾「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー(原題)」の2部作では監督は「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」のアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟に交代するとのことです。


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ターミネーター:新起動/ジェニシス [映画【た行】]

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「I'll be back.」 戻ってきたシュワちゃん。

確かにポスターにもあるように「期待を遥かに超える大どんでん返し」。
もう、こうなったらなんでもアリかしら。

映画では5作目にして、新シリーズ3部作の1作目となるのだそうですが。

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原作・脚本・監督=ジェームズ・キャメロンの「ターミネーター1」(1984)と「2」(1991)は超有名ですので皆さんご覧になっているとします。
「3」(2003)は評判悪く、「4」(2009)はシュワちゃんが出演していません。
カリフォルニア州知事として役者を休業していたからです。(CGとしては出演してはいるのですけどね。)

なので「3」の2003年から12年ぶりのシュワ復活です。

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2029年の未来から、かよわいウェイトレスの母サラ・コナー(エミリア・クラーク)を守ってくれ、と人類抵抗軍主導者ジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)から1984年へとタイムスリップさせられたカイル(ジェイ・コートニー)。

1984年に着くと「2」でご存知の警察官姿の液体ターミネーターT-1000がカイルを襲います。
なんと今回演じるのはイ・ビョンホンです。
危機一髪でカイルを救ったのは、かよわいどころか戦士として覚醒したサラと、サラに「おじさん」と呼ばれるおっちゃんシュワ、T-800ターミネーターでした。

一方、本筋でもご存じ、サラを抹殺するためにタイムマシンで未来から送られてきた若シュワT-800。
ダダンダダンダン、とはだかでせっかくタイムスリップしてきたのに服を着替える間もなく、おっちゃんT-800からぶっ倒されます。んな、あほな。

サラがなんで戦士になっちゃってるのかというと幼い時にビョン様T-1000に襲われ両親を殺されたといいます。
そして誰かわかんないけどオジシュワT-800をサラの元に送った人がいて、オジシュワに助けられ今まで育てられてきたというんです。つまりサラと正義のオジシュワは親子の様な関係なのです。

そんな訳でカイルはサラを助ける必要はもうありません。
カイルはどうしたらいいんでしょ。
サラは次にスカイネットを起動する前に破壊しようとタイムスリップするつもりです。
時は1984年、ステーブ・ジョブズがMacintoshを発表した年なのですがなんと、サラが制作したというタイムマシンがじゃじゃんと出来上がっているのです。
壊れた若シュワから抜き取ったチップを使うと、さあ2017年へタイムスリップです。
カイルは2度目のタイムスリップなのでサラに「痛いぞ!」なんてアドバイスしちゃったりします。

オジシュワはタイムスリップ出来なかったので2017年まで彼らを待ち続けていました。
そして約束の場所で再会するとオジシュワは爺ちゃんシュワになってます。
このT‐800は歳を取る仕様になってるみたいで、T-1000との戦いで傷ついた腕はしっかり治っているのに肌はぼろぼろ、髪は真っ白。なのに歯はキッラキラの真っ白です。

そしてそこに現れる悪のボスキャラ。
それはな、な、なんと…ジョン・コナーじゃありませんか!?
2017年にカイルたちの前に現れたジョンはスカイネットによって新型ターミネーターT-3000に改造されてしまっており、人類の救世主から敵へと変貌しておりました。

ここから人類の未来を賭けたジョンとサラとカイルの壮大な親子喧嘩勃発!
はたして爺シュワは今回は生き残れるのか?

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いやあもう。時空が違うとか時間軸が違うと言われたらどんなお話もありですよ。

評判悪かった「3」も「4」もサヨウナラ。
時空のかなたに去っていきました。(たぶん)

シュワちゃんさえいたらそこはもうターミネーターの世界。
パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズのジョニー・デップもそうですが脇役だったのにいつの間にか主人公になってるの。
しかも今回は若シュワ、オジシュワ、爺シュワの3タイプも出てきます。
いろんなシュワが楽しめて超豪華ですね。

他の主要メンバーは全員入れ替わっててサラは愛らしい感じの女優さんです。
サラはジョンと親子のはずですがまだ産んでもないわけなので情のへったくれもありません。
息子の方も機械化してるので母にも父にも容赦なし。
これでもかと壮絶な戦いが続くのです。

私なんかはジョンの扱いがこんなんでいいのか、と思っちゃいましたがここが評価の別れ道なんでしょう。
「そうきたか」と思えたら映像もすごいし楽しめると思います。 ★★★☆

エンドロールが流れても席を立つのは少しだけ待ってください。
よくわかんない次回予告がチラリと流れます。
しまった、見逃しちまったよと思った方、ご安心ください。
全く何のことかわからないので問題はありません。
オジシュワをサラに送ったのは誰なのかなど謎もしっかり残りましたので次回で明かされていくのでしょう。
楽しみですね。ダダンダダダン♪ 

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監督:アラン・テイラー 

 


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アリスのままで STILL ALICE [映画【あ行】]

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ジュリアン・ムーアが今年度のアカデミー賞主演女優賞を獲得した映画です。
他のアカデミー賞受賞作品より遅めの公開です。

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アリスの年齢、50歳を若いとみるか、親の年齢としてみるか、男性からの立場としてみるか。
鑑賞する方のとらえ方でアリスに同化される方と、アリスの夫や3人の子どもたちという家族側(介護側)に共感する方とで別れると思いますがどちらの目から見ても考えさせられる映画になっています。
すごく若い方が観たらまだピンとはこないかもしれない大人の映画です。

主人公アリスはNYのコロンビア大学言語学教授。
仕事も充実していて優しいお医者さんの夫(アレック・ホールドウィン)と法科大学卒の長女(ケイト・ボスワース)とその夫、医大生の息子(ハンター・ボスワース)と共に今50歳の誕生日を祝ってもらっています。

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次女(クリステン・スチュワート)は女優を目指し家を出ているので、大学にもいかず女優だなんて・・とちょっと心配。
でも次女の姿にはしっかりと自分の目標を持っていることを認めないわけにはいきません。
そんな幸福の絶頂であるアリスがある日突然告げられた病名が「若年性アルツハイマー病」でした。

日本にも渡辺謙さん主演の名作、若年性アルツハイマー病を扱った『明日の記憶』があります。
謙さん同様、バリバリに働いているアリスに告げられた病名は今までの努力が全部消えてしまう、これからどうなってしまうのか想像もつかないという恐怖でした。
言語学の教授なのに言葉が思い出せなくなるという屈辱。
しかもこの病気は高学歴の人の方が速く病状が進むというのです。

アリスは最初は夫にも病名を告げることが出来ません。
ジョギングで道に迷って家がわからなくなったなんて夫には絶対言えません。

でも主治医に病名を告げられ次は家族と一緒に来てほしいと言われ、意を決し寝ている夫を起こして「癌なら良かった、病名を他人に言うことが出来る。ピンクリボンをつけ戦うことも出来る。」泣きながら病院に一緒に来てほしいと訴えます。

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やがて病状は着実に進み大学の講義も出来なくなります。
仕事を失い、アリスもまた謙さん同様、必死にメモをとりながら記憶をつなぎとめようと努力するのですが確実に抜け落ちていく自分の一部を感じ、まだしっかり記憶があるうちにある事を行います。

それは〝「長女の名前は?あなたの住所は?・・・」という簡単な質問に答えられなくなった時、今から私が言う通りの行動を起こしてほしい。”そんなメッセージを自分のパソコンに残すことでした。

記憶が薄れそんなメッセージを残していたことも忘れていたある日偶然みつけてしまうメッセージファイル。
美しく凛とした自分から贈られたメッセージに従い、引き出しから瓶を見つけ出すアリス。
映画の山場です。
ドキドキするんですけどパソコンに映っているアリスと現在のアリスの対比があまりに残酷で胸が痛いです。

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「僕がいるじゃないか、君を支えるよ。」と言ってくれる夫。
でもトイレの場所がわからず失禁してしまう妻を目の前にしてしまうと仕事に逃げてしまいます。
自慢の長女も家族性で遺伝を受け継ぎ自分も母と同じ病気を発症する可能性があると知ると疎遠になってしまいます。
家族だってどう寄り添えばいいのかを迷ってしまいます。
そんな中、一番心配だった次女だけがアリスのそばにいてくれるのです。

アリスがアリスのままでいることとはなんなのか。
記憶を失くしても今を必死に生きて、そして最後に残るのは愛。
そんなラストにまた何回も観たくなる映画でした。 ★★★★☆

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原作はベストセラー小説の「静かなアリス」。
監督は自身もALS(筋委縮側索硬化症)の難病と闘っていたリチャード・グラツアーと、共同でグラフアー監督のパートナーでもあるワッシュ・ウエストモアランド。
グラツアー監督は右足の親指でiPadを叩いてコミュニケーションをとって完成させました。

グラツアー監督はこの映画でアカデミー賞主演女優賞を受賞したのですが、その授賞式は呼吸不全で運び込まれた病院の病室でウエストモアランド監督と視聴しています。
そして3週間後に息を引き取り本作が遺作となりました。

 


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