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孫文の義士団 [映画【さ行】]

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中国歴代興業収入歴代トップ10にランクイン、アジア各国の映画賞で70部門ノミネート、
37部門受賞、『レッドクリフ2』を抜き大ヒットした作品。
実は私は知らなかったんですけど、友人からメールで絶対見ろという指令が来まして、
時は遅く大阪では高槻セレクトシネマでのみで上映してたので高槻に行く事にしました。

が、なんと高槻セレクトシネマは先月の9月30日にて閉館!?
ぎりぎりで最終日、劇場鑑賞に間に合いました。(><)

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1901年、清朝末期の香港では民主運動の学者が暗殺される。
その後民主運動を行うものに対し清朝は暗殺団を組織して抹殺し始める。
そして1906年英国領香港、腐敗しきった清朝打倒を唱える“孫文”が亡命先の東京から戻ってくるという極秘情報が流れる。
目的は革命の為の武装蜂起の同志との密談だった。

情報を聞いた孫文の命を狙う西大后の暗殺団は500名。
対する革命を支持する香港の活動家チェン・シャオバイ(レオン・カ―フェイ)に課せられたのは、
同志と孫文との密談を成功させる 「1時間」。
チェン・シャオバイを支援する地元の豪商のリー・ユータン(ワン・シュエチー)は腕に覚えがありそうな人物を捜し、孫文の護衛団を結成。

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香港の港に着いた孫文を護るため、少林寺を追いだされた元僧侶・大男のワン(メンケ・バータル)が暗殺団を投げ飛ばし、父を暗殺団に殺され復讐を誓う女の子、ファン・ホン(クリス・リー)が爆弾を阻止、何の為に戦うのはわからないけど、ご主人のユータンの為ならと志願するアス―(ニコラス・ツェー)がユータンの長男チョングアン(ワン・ポーチエ)を「孫文の影武者」と偽り人力車を引き回し、
その横には活動家チェン・シャオバイが付く。
そして道ならぬ恋の末、浮浪者に身を落とし悔いる日々をおくる元御曹司・鉄扇の達人リユ・ユーバイ(レオン・ライ)が最後の難所を護る。

意外な姿で襲いかかる暗殺団に義士団メンバーは一人また一人と倒されて影武者孫文の人力車を護る最後の頼みの綱、ユーバイの前には無数の暗殺団に彼一人!
(それは絶対無理やろ?と心の中で叫んじゃうシチュエーション。
ユーバイは浮浪者の時はゴワゴワ髪だったのに戦いに臨む時は美しい艶々ストレートヘアーに変身。どうやってあのくせ毛を伸ばしたのかって余計な事も考えちゃうぞ)

また密かに商人ウ―ビンを護るシェン(ドニ―・イェン)の前にも暗殺者が現れ壮絶な戦いが。

シェンはかつて妻だったユエル(ファン・ピンピン)に頼まれ、ユエルの今夫、ユータンを守る為だけに義士団とは別行動で護衛に加担。
彼は博打ばかりで苦労をかけた末に離縁した元妻と今はユータンの娘として幸せに暮らす幼い自分の娘の為に、最初は暗殺団の手先で悪役だったのに転身するという役どころ。
彼が自分を護っている事はユータンさえも知らず、クズのような男がただ幼い娘の将来の幸せの為だけに命を捨てて戦う。

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暗殺者に追われるシェンが沢山の人が行きかう香港の歩道を数々の障害物を飛び越え、人を避ける為に柱を、壁を、走り駆け抜ける様はあまりに高速。
追ってくる暗殺者も屋根を伝いひた走りやがて追い付きカンフー戦が始まるんですけど、このシーンは他もすごいけど重力が無いようなアクション続き圧巻。
彼の最後は馬にアタック、跳ね飛ばされるって凄すぎる・・・。

義士団として戦った個々の戦士たちのエピソードもきっちり語られている上に、悪役の首領ヤン(フー・ジュン)は実はチェン・シャオバイの教え子でもあったという憎い師弟関係も加えられており最後の戦いを盛り上げます。

きっちり描かれる人間関係、人間業とは思えないアクション、巧みな演出、そして当時の香港を忠実に再現した美しいセットや衣装。

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国を憂いて戦う人と、父や娘や息子を想う人々。 

最初は顔もわかりにくかった人物やストーリーが中盤過ぎから繋がって、後半のアクションへと雪崩れ込むと目が離せません。義士団メンバーの死にはぐっときます。(R-15です。)

これは辛亥革命前夜の名もなき人達のお話。香港映画はなかなか深いです。
出来れば大画面で見て欲しいですが11月にはDVDも発売されそうです。

辛亥革命は、この後日談がもうすぐ公開のジャッキー・チェン主演の『1911』と続くらしいので
そちらも期待大です。 ★★★★☆

監督;テディ・チャン アクション監督;ドン・ワイ 
出演;ドニ―・イェン 『イップ・マン序章』『イップ・マン葉問』、
レオン・ライ 『花の生涯 ~梅蘭芳〈メイランファン〉~』、
ニコラス・ツェー 『新少林寺/SHAOLIN』
フー・ジュン 『レッドクリフ』
レオン・カ―フェイ 『愛人/ラマン』

2010年 中国(香港)  138分


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サンザシの樹の下で [映画【さ行】]

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『HERO』(02)、『初恋のきた道』(00) のチャン・イーモウ監督作品。
中国で300万部を売り上げた華僑作家エイ・ミーのベストセラー小説を映画化したもので、
原作者の友人の手記を基に書きあげた『実話』なのだそうです。
涙なしでは見れない胸がキュンとする純愛のお話です。

ネタばれしないと感想が書けない作品でしたのでこれから映画を見る方、ラストを知りたくない方は
読まないでね。

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時は1970年初頭・文化大革命下の中国。
都会育ちの女子高校生ジンチュウ(チョウ・ドンユイ)達数人と引率の先生は、
「学生は農民から学ぶべきだ」という毛主席の教えで農村を訪問していました。
村の途中には有名な“サンザシの樹”があります。

実はこの木は抗日戦争の時に兵士が何人もここで殺されその兵士の血を吸い、
本来白い花が咲くはずの樹に赤い花が咲くという言い伝えがある木でした。
この話は革命精神の象徴となるもので、ジンチュウ達は毛主席の教えを確認します。

農村での生活が始まったジンチュウは、スン(ショーン・ドウ)という背の高い青年に出会います。
スンはこの村で地質調査の仕事に就くエリート青年でした。
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明るく素直に好意を示す彼に次第に惹かれて行くジンチュウ。
彼はお給料も良いらしく、万年筆や食料など色んなプレゼントもくれますし、とにかく優しい。
しかし文化大革命下、ジンチュウの家は父が反体制派として強制労働に送られており不在、教師の母は知識人ということでいじめられている家族でした。
(文化大革命の時代は農民、労働者、軍人が上位で、地主、資本家、知識人は下位の階級。
ジンチュウの母は教師という知識人、父は地主であったため下位の階級。)
女手一つで、仕事の他に内職をしながら3人の子供たちを育てる貧しい母の為にもジンチュウは決して他人から批判される事をやってはいけない環境にありました。

だから身分違いな二人の恋は秘密に深まっていきます。
でも都会に戻ったジンチュウが困っている時には直ぐに駆けつけるスンの姿は微笑ましさを超えて
ストーカー並なんですけど。(^.^;
彼ったら高校の体育の授業まで覗いているし、食料も運んでくるしね。

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そんなある日、ジンチュウは学校の作業で足に火傷を負います。
病院に行く事を嫌がる彼女にスンは自分の腕を傷つけてまでも無理やり自分も通う軍の病院に連れて行きます。なるべく知っている人に会わないように。
彼の彼女を想う気持ちに触れ、病院帰りの二人乗りの自転車ではしゃくジンチュウ。
しかしその様子はジンチュウの母に見られ、二人の仲が思いっきりばれてしまいます。
母はスンに、『ジンチュウは高校を卒業後は教師になる、本採用が決まるまでは絶対会わないで』と頼みます。
泣きながら二人は母の言葉を聞き別れますが、彼は「永遠に彼女を待つ」と伝えます。

その後しばらくスンからの連絡は途絶えましたが、やがてジンチュウの耳には彼が病院に入院していていて病名は「白血病」だと伝わってきます。
ジンチュウは高校の教師になっていましたが学校には3日間の休みをもらい、母には別の言い訳をして彼に会いに病院を訪れます。
やっと会えた彼はただの定期検診だと話します。そして病院側も。
しかし彼は自分の死が近づいている事を知っていました。
それから彼と彼女との短い時間が涙を誘います。
いよいよ彼が危ないと聞いて、彼が見たがっていた赤い服を着たジンチュウがベッドに横たわるスンと最後に会う病院のシーンは号泣ものです。

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お話はそこで終わります。
彼の遺体は遺言でサンザシの樹の下に埋められ、彼女はサンザシの樹の下に埋まる彼に毎年会いに行ったがやがて村はダムの下に沈み、彼女は留学で中国を離れるという文字が画面に映されます。

文化大革命の時代、幼い二人が身分違いの恋に悩み、やがて彼が難病にかかり死んでしまう。
そんなシンプルな悲恋ストーリは切なくて泣けます。
でもチャン・イーモウ監督作品ですから実はその裏には、もうちょっと重い話があるんですね。
ここからネタばれのネタばれです。

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と、いうのは彼が病んでしまった「白血病」という病気の事です。
彼は「給料がいい仕事」をしています。
都会と田舎を行ったり来たりを苦もなくやってのける健康な青年が就いていた地質調査という仕事はなんだったのでしょうか。
足をセメントを捏ねる作業で火傷してしまったジンチュウを連れて行った軍の病院は普通の人民は通えない病院なのでは?
彼が働いていた作業テントに訪れたジンチュウに彼の同僚たちが「白血病」にかかった人は他にもいるような話をします。
そして彼の死にゆく姿は体が青紫で、点滴やチュ―ブにつながれて・・・。
だだ泣かせたい映画ならここまでは表現しない壮絶な姿。
二人が知りたがっていた白いサンザシが本当赤い花を咲かせたのかもわからぬままです。

文化大革命中の中国では、東西冷戦や中ソ対立を背景に核開発を進めていたようです。
「地質調査」、「軍の病院での定期健康診断」「死の床を囲んでいた沢山の軍服」の人たち。
彼のあの最後の姿は放射線被ばくの症状で彼の本当の仕事はウラン発掘だったのかもしれません。
このあたりはあまりにさらりと描かれているので、美しい自然の風景よりも目立ちません。
それは日本人だからピンとこないのか、監督の意図的に語れていないのか。
のほほんと観ていると難病と身分違いの悲恋で終わりそうなんですけど
そんな危険な作業をさせられていた人たちには語られなかったであろう放射能の恐ろしさと、当時の政策への批判メッセージが込められている映画なのかもしれません。

原作を読めばもっと分かるのかもしれませんが残念ながら日本語訳は出ていないそうです。
ヒロインを演じるのは、チャン・イーモウ監督が国内の芸術学校を探し回り、2,500人の中から抜てきした新星チョウ・ドンユィ。可憐です。
これからどんな女優さんに育っていくんでしょうね。 ★★★★☆

梅田ガーデンシネマにて

監督:張藝謀(チャン・イーモウ)
静秋(ジンチュウ)/周冬雨(チョウ・ドンユィ)
スン/竇驍(ショーン・ドウ)
静秋の母/奚美娟(シー・メイチュアン)

2010年・中国映画・114分


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SUPER 8/スーパーエイト [映画【さ行】]

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お話は1979年のアメリカ・オハイオ州。
14歳のジョー・ラム(ジョエル・コートニー)は友人6人で映画撮影をしていた現場で偶然貨物列車の衝突事故に遭遇。
貨物列車にトラックで突っ込んだのはジョーの学校の先生だった。
先生から「殺されたくなければ早く逃げろ」と告げられ急いで現場を後にするが、彼らが撮っていた8ミリビデオにはアメリカ空軍施設エリア51から運ばれる“軍の秘密”が映し出されていたのだった・・・。

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作品のタイトルにもなっている“SUPER 8”とは、1965年にコダックが発売したカセット式のフィルムと、その規格のカメラのこと。
元映画少年のスピルバーグ監督(制作)とJ.J.エイブラムス監督(脚本・監督)が手を組むと、70年代後半の小さな田舎町の映画少年達のお話も、グロい宇宙人が絡むSF(ファンタジー?)になっちゃうんですね。

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やがて軍が隠す奇妙な事件に町全体が巻き込まれてゆき、そこに家族愛・友情・初恋などテンコ盛りのエピソードが。
話が盛り込み過ぎで観客は置いていかれる感もありますが、この映画のすごいところは音響効果でした。
列車がひっくり返るシーンやエイリアンなどの映像も見事なんですけど、ガラスが割れて飛び散る時の音などに何度も驚かされました。
これは劇場で体験する価値ありですよ。

スピルバーグ監督の『E.T』を再び観たいと思っていくと失敗。
J.J.エイブラムス監督が描く宇宙人はグロくって可愛いところは全くありませんし、心の交流もあるのかと思えば無いし。
思ったより評価が低いのはそのせいかもしれませんね。
でも私は久しぶりのびっくり映像と音響に★★★★です。

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宇宙人にさらわれちゃうジョーのガールフレンドにエル・ファニング。大きくなりましたね。
ダコタ・ファニングの妹さんです。

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席は最後まで立たないでください。
ラストにSUPER 8で撮られたジョーたちのゾンビ映画が流れて笑えますよ。


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シェルブールの雨傘 [映画【さ行】]

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カトリーヌ・ドヌーヴ特集の最終日、千里セルシアターにて

偶然なんですがここんとこクラシック映画ばかり観てる私。友達の影響なんですけど。

でもまあ、なんて可愛いんでしょう。カトリーヌ・ドヌーヴは人形のように美しい。
着てるドレスもマタニティも髪型も、歩いている街並みも可愛すぎ。これぞフランス映画って感じです。
セリフが全部歌というミュージカルなんですが、カトリーヌ・ドヌーヴの美しさの映画でした。
『しあわせの雨傘』を先に観て ↓ こちら ↑ を後に観るとその変貌にひっくり返りそうになりますよ。

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ネタばれですがお話はこんな感じです。
1957年の仏蘭西。16歳のジェヌビエーブ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は熱烈に恋をしていて、そのお相手は修理工場で働く20歳のギイ(ニーノ・カステルヌオーボ)。

「貧乏な男なんかやめなさい~♪」っていうママの反対にも耳をかさない恋する乙女ジェヌビエーブだったんだけど、幸せなある日の事、ギイに召集令状が来ちゃう。
「2年間待っていてくれ~♪」という彼に「行かないで、貴方がいないと死んでしまう~♪」と涙で訴えるジェヌビエーブ。
「愛してる~♪」と何度も繰り返す彼女を残し、彼は戦争へ行っちゃうの。国民の義務だもんね。

そんな訳で毎日彼からの手紙を待ち焦がれるジェヌビエーブだったけど手紙はほとんど来ないの。
寂しさに耐えられなくなったその頃、高級宝石商カサールと知り合うのよ。
彼は大人でお金持ち。そしてジェヌビエーブの美しさにぞっこんなの。
ギイの時とは違ってママは「この男にしなさい~♪」と大プッシュ。
「恋で死ぬのは映画だけ、数年したら冷めてしまう感情で貧乏人(ギイのことよ)と結婚するなんて駄目~!♪」と大人の意見でジェヌビエーブを説得。

しかもギイの子供を妊娠していた彼女に「子供も一緒に育てよう~♪」なんて頼もしい言葉でプロポーズするから、ジェヌビエーブの心もカサールに傾き始めるのよ。あんなにギイを愛していたのに。
そして彼女はカサールと結婚、シェルブールを出てパリに行ってしまうの。

2年後、戦争から無事に帰ってくるギイはジェヌビエーブが他の男と結婚し、街を出た事を知って茫然。
彼は戦争で足を負傷していたし、育ての親の叔母さんは帰った途端に死んでしまうし、修理工の仕事も上手くいかず失業。
不幸のテンコ盛りにやけになった彼は酒を飲んでは孤独に耐えていたけど、彼を愛する叔母さんの実娘マドレーヌが近くにいた事に気づくの。

やがてギイはマドレーヌと結婚。叔母さんの遺産で、ガソリンスタンドを買うの。
それはジェヌビエーブと夢観た将来だったんだけど。

それから数年後の雪のイヴ。
ギイはジェヌビエーブとギイの経営するガソリンスタンドでお客として再会。
だけど二人はお互いに子供もいて、まあ、ジェヌビエーブの子供はギイの子供なんだけど、二人はそれぞれの幸せに向かって本当の別れをするってお話。

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悲恋と言うべきか・・・あんなにも愛していた彼を2年待てなかったのね・・・と軽くツッコミも入れたくなったけど、リッチな人と結婚したほうがいいのよというママの意見は正しかったんでしょうね。

若きカトリーヌ・ドヌ―ブの高くて美しい歌声と作曲家ミシェル・ルグランの楽曲を聞けだけでも満足出来ちゃう、そんなフランス映画らしい映画でした。★★★★

監督;ジャック・ドゥミ 


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ジュリエットからの手紙 [映画【さ行】]

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ロマンチックラブ・ストーリー、目がハートになりました。恋する乙女になれる映画です。
必見ですよ。^.^

ニューヨークで雑誌の調査員として働くソフィ(アマンダ・セイフライド)は婚約者のヴィクター(ガエル・ガルシア・ベルナル)とイタリアのヴェローナに婚前旅行にやって来る。

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ニューヨークでイタリアンレストランを開店準備中のヴィクターにとってはこの旅行は食材探しの旅で、ソフィなんて眼中になく仕事で飛び回っている。

観光地にも行けないソフィはそんな彼と離れて、一人で“ジュリエットの家”を訪れる。
そこは有名な『ロミオとジュリエット』の舞台ということで、訪れた旅行者は自分の恋の悩みをジュリエットに綴った“ジュリエット・レター”を書き遺して帰ると言う場所でもあった。

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壁に貼り付けられた沢山のジュリエットへの手紙。
そんな手紙に“ジュリエット”になりきり返事を送るボランティアがある事を知るソフィ。
偶然壁の中に埋もれた50年前の手紙を見つけことでその仕事を手伝う事となってしまう。

壁の中の手紙には50年前、イタリアで出会った青年と恋に落ちた英国人女性クレアの悩みが綴られていた。
ソフィがジュリエットとしてクレアに書いた手紙にはすぐに返事が来て、それと同時にクレア(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)自身も孫のチャーリー(クリストファー・イーガン)を伴ってはるばるイタリアまでやって来る。

それからソフィはクレアとチャーリーと三人で50年前のクレアの初恋の相手の「ロレンツォ」を捜す旅に出かけることとなるのです。

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とっても素敵なお話でした。
『ロミオとジュリエット』の名場面、バルコニーのシーンも再現されてます。
ここは外せないってとこでしょう。

50年分の後悔と変わらぬ愛を持って初恋の相手を探すクレア。

長い時間の流れはソフィ達3人を時折不安にさせます。
でもやがてソフィがクレアへと書いた手紙・・もし、あの時諦めずに追いかけていたら・・・というジュリエットからの手紙の文章が、ソフィ自身を励ます言葉に変わるラストの頃には誰もがソフィの恋の行方も応援したくなるんです。

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それにしてもイタリアの男性は素敵ですね。
クレアの探すロレンツォとは別人の男性達は必ず「私が彼なら貴女を手放すはずがない」
な~んて甘い言葉を言ってくれます。
まあ、クレアはとっても美しく上品、素敵な女性なのでしょうが無いですけどね。
演じるヴァネッサ・レッドグレーヴのイメージにぴったりです。

探しに探して辿りつく愛しのロレンツォも勿論、50年を経ても恋していたくなる人物であること確実。
ここも観てる女性がクラッとくるポイントです。
だって登場シーンは王子様なんですもの。

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何度も見たくなる心地よい映画。
鑑賞後はワインを飲みたくなるかも。イタリアの風景も美しいです。

  ★★★★★  

主演は「マンマ・ミーア!」のアマンダ・セイフライド。
あんな大きな眼で見つめられたらどんな固物も恋の虜。

クレア役に「ジュリア」でアカデミー助演賞を受賞、「いつか眠りにつく前に」のヴァネッサ・レッドグレーヴ。ソフィの髪をとくシーンでの可愛いまなざしが印象的。

「シャーロットのおくりもの」でも知られるゲイリー・ウィニック監督は今年の2月末に病気により急逝。
今作が遺作となりました。
享年49歳、とても残念です。
 


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ザ・タウン [映画【さ行】]

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ベン・アフレックが監督・主演・脚本を兼ねた「ザ・タウン」を観てきました。

舞台はボストン北東部のチャールズタウン。親友のマット・ディモンと共に脚本を執筆してアカデミー脚本賞を受賞、彼を有名にした「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」も、監督第1作めの「ゴーン・ベイビー・ゴーン」も舞台はボストン。ベンの故郷です。

主人公・タグ(ベン・アフレック)は銀行強盗のリーダー。この街は親から子へとまるで家業を受け継ぐようにプロの銀行強盗が育つ街。タグも元締めの計画の元、幼馴染の仲間たちと銀行を襲撃し大金を稼ぐ生活をしていた。

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ある銀行を襲撃したタグは支店長のクレア(レベッカ・ホール)を人質にするが、その解放後の様子を調べるために正体を隠して偶然を装いクレアと会ううちに彼女に魅かれ始める。

この街からクレアと一緒に出ることを夢見るタクだったが、彼を頼りにする幼馴染のジェム(ジェレミー・レナー)や、裏切ればクレアの命を狙うと脅す裏社会の元締めファーギ―(ピート・ポスルスウェイト)達の掟がタグを街に縛り付ける。

一方、執拗に追いかけるFBI捜査官のフローリー(ジョン・ハム)はクレアに接近、タグの正体を話し強盗団の逮捕協力を求めるのだが・・・。タグはこの街の宿命から逃れることは出来るのか。

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主演のベンも良い感じなんですが、なんといっても助演のジェレミー・レナーの演技が凄い。過去を悔み、嫌々銀行を襲っては後悔ばかりしているタグに対し、ジェムは短気で暴力的で、この街でしか生きられない定めを受け入れている男。彼が出てくると何をしでかすのかとドキドキ。それでいて仲間のタグを決して裏切らない一面もあるんです。

昨年話題を集めた『ハート・ロッカー』の主演でアカデミー賞主演男優賞ノミネートだったジェレミー・レナーですが本作でも助演男優賞でのノミネートは納得です。

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その他、タグが恋する女性に『それでも恋するバルセロナ』のレベッカ・ホール、FBI捜査官にTVシリーズの「MAD MEN マッドメン」のジョン・ハム(なかなかカコイイ!)で豪華な共演者です。

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幼いころにタグを残してこの街を去っていった母と、その母を探す事もせずこの街で犯罪を重ね今は刑務所に入ることで街を出て行った父。そんな親子関係のトラウマや伏線も描きつつ、ラストは大リーグスタジアムの襲撃というでかいヤマの銃撃戦で一人、また一人と仲間が死んでいき息をのみます。

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監督としてのベン・アフレックのこれからと、ジェレミー・レナーの演技力に魅力を感じた作品でした。

アカデミー賞授賞式に注目です。    ★★★★☆


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しあわせの雨傘 [映画【さ行】]

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冒頭から真っ赤なジャージー、頭にカーラーを巻きつけ、その上から薄手のスカーフを巻いてジョギングをするカトリーヌ・ドヌーヴ様。うう、体型ふっくら。監督、そこまでさせちゃうの?

日本でいうと昔は細かった大女優の松坂慶子さんみたい。

ドヌーヴ様は雨傘工場の経営者夫人。趣味はジョギングとポエムを手帳に書き込む事。今日も森で可愛い動物たちを眺めながらポエムを考える。

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家に帰ってジャージ姿のまま食事の用意をしていると亭主関白の夫ロバート(ファブリス・ルキーニ)にお小言を言われる。「家事なんかするな、そんなことは使用人に任せたらいい。」「お前は美しく着飾って詩でも作っていりゃいいんだ。」

息子の付き合っている彼女の事を話すと、「その娘とは付き合わせるな、言いたくはないがその娘は俺の娘かもしれない。」なんてフランス的なものすごい話。どうやら夫は秘書とも浮気している様子。

結婚して家を出た娘からは「ママみたいな“飾り壺(=原題)”人生は私は絶対イヤ。」と言われてしまう。飾り壺とは美しいけど中身がないっていう嫌味。

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そんなある日、暴君の夫が心臓発作で入院することに。

元々創業者の娘だったドヌーヴ様、若いころに恋人だった共産党系市長ババン(ドパルデュー)に相談しつつ、会社では労働者の要求を全く無視する夫のせいで経営危機だった雨傘会社を立て直すことに成功。おまけに市長の恋心が再燃。

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もう飾り壺じゃなくなったドヌーヴ様、自分の才能に気付いて自信もついてくる。

息子がまだあの娘と付き合っていると怒る療養中の夫に、「息子は貴方の子どもじゃないから彼女とは付き合っても大丈夫なのよ。」とさらりと告白・・・実は若き日のドヌーヴ様にもいろんな過去があった事が分かっていくけど、ババン市長も自分の息子かもしれないと気付き、ドヌーヴ様を思い出の場所に連れて行って彼女にプロポーズ。

さて二人の恋の行方は?退院してきた夫が帰って来たその後の工場の経営は?

とにかくドヌーヴ様演じるスザンヌが可愛いです。工場のストの話し合いに行くときは昔ババンと出会った時に着ていたドレスを着ていったり(昔とサイズが絶対違うから着れる訳ないだろう、という突っ込みは無視)自分も他人も気持ち良く、という手腕で工場も綺麗に。夫の浮気相手の秘書のナデージュいさえもドヌーヴ様に心酔、どんどん美しくなっていきます。

337819view014.jpg 娘と息子と秘書

ことごとく予想を裏切る結果とエンディング、時々吹き出しそうになるセリフの数々。そしてドヌーヴ様の歌声もラストに聴く事が出来ますし、フランス映画特有の大人の雰囲気を楽しめます。人生は美しい。

フランスを代表する名優ジェラール・ドパルデュー(「あるいは裏切りという名の犬」など)との2ショットはかなり肉厚ペアなんですけどそこもなんだか素敵です。

   ★★★★☆

監督はフランソワ・オゾン監督。


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桜田門外ノ変 [映画【さ行】]

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観たかった映画の待ち時間があったので観てみました。時代劇は黒澤映画では観るんですが、それ以外は殆ど観ていない気がします。邦画が苦手だからかも。今年は時代劇ブームなんですね、「雷桜」「十三人の刺客」「大奥」と時代劇が並んで上映されています。

ご存知、桜田門外の変は幕末の安政7年3月3日、江戸城桜田門外で大老・井伊直弼が水戸藩浪士に襲撃され暗殺された事件です。丁度今年が150年目にあたるので映画化されたのかと思います。観客の年齢、高し。

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教科書通りに「黒船」「日米修好通商条約」「安政の大獄」と一緒に覚えてはいるけど、なんでテロリストが御三家の水戸藩の浪士だったのか・・・、その後の水戸藩浪士の運命は・・・なんて考えてもみませんでした。大事件であったにもかかわらずこの辺りが漠然としてるのは水戸藩浪士達の中に坂本龍馬や新撰組みたいなスターがいなかったからかも知れません。

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史実に忠実に描かれています。思いっきり前半にクライマックスの井伊直弼暗殺が実行されてしまうので、後半は逃げる水戸藩浪人たちと実行部隊の指揮官だった関鉄之介(大沢たかお)のその後が中心になっていき、日本史が好きじゃないと苦しいかもね。

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水戸藩の下級武士、関鉄之介(大沢たかお)は妻・ふさ(長谷川京子)と、長男の誠一郎(加藤清史郎)と共に穏やかな暮らしを送っていた。何故そんな彼がテロリストの指揮官になっていったのか。奥さんのふさは農家の出らしいけど、畑でクワを持つ長谷川京子の姿はあまりのへっぴり腰で残念。

ここで簡単に<歴史のおさらい>を。

当時、病弱だった13代将軍・徳川家定。男子を儲ける見込みが無い事で将軍継嗣問題が浮上。

水戸藩主の徳川斉昭(北大路欣也)の子;慶喜を推す斉昭や阿部正弘と薩摩藩主・島津斉彬ら『一橋派』と、紀州藩主;徳川慶福を推す彦根藩主で大老の井伊直弼や大奥本寿院を初めとする『南紀派』が対立。

『一橋派』は阿部正弘、島津斉彬が相次いで亡くなると勢いを失い、結局14代将軍は安政6年『南紀派』井伊直弼が推す徳川慶福(改名し家茂)と決まる。

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そして同年、井伊直弼は勅許を得ずに“日米修好通商条約”に調印。慶喜は斉昭、福井藩主・松平慶永らと共に登城し直弼を詰問するが、翌・安政6年に井伊直弼により隠居謹慎処分となる。

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幕政是正のためには「井伊直弼の排除が必要不可欠!」とする水戸浪士たちは、関東における挙義を単独でも実行する方針を決意、薩摩との合流のため、高橋多一郎(生瀬勝久)金子孫二郎(柄本明)らは京へ上り、関東では関鉄之助率いる実行部隊17人が井伊直弼を襲撃をするために江戸へと分かれ、薩摩藩からは有村次衛門(坂東巳之助)が参加する。

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季節には不似合いな雪の3月3日、桜田門外での暗殺シーンは白い雪の上に血しぶきが舞い、井伊大老(伊武雅刀)の首が飛ぶ。ここのシーンは見ごたえあり。でも映画はまだ前半・・・・。

井伊に反発していた薩摩藩主・島津斉彬は、藩兵5000人を率いて上洛することを約束していたが、同年7月に鹿児島で急死した為出兵は頓挫。薩摩藩は動かない。

薩摩に裏切られた水戸藩浪士はテロリストとなり、逃げる場所も無く、一人、また一人と死んでいく。幕府から藩の関与を疑われない為に、水戸藩からの厳しい捜索は続き各地に潜伏していた関鉄之介らの浪人たちは残らず捕えられ、同僚たちに斬首される運命となる。

井伊直弼、享年46歳没(満44歳)ということで61歳の伊武雅刀さんより、42歳の大沢たかおの方が近い年齢。(関は39歳没=襲撃時は37歳)

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歴史は動いたけど、動かした水戸藩浪士は生き残る事が出来なかった、無念だったと思います。日本をどうにかしなければと考えたのは井伊にしても水戸藩浪人たちも同じでそれぞれの考えが違っていただけ。浪人全員が斬首というラストに、どうやって終わるのかと思ったら明治に桜田門外に来ることとなる西郷隆盛の一言と、現在の国会議事堂が映し出されました。

逃げる事が出来なくなった浪人たちが次々に自刀していくシーンを観ていると、日本人でなければわからない死に対する美学を見た思いです。

歴史の勉強になりました。 ★★★☆☆

監督;佐藤純彌 『男たちの大和/YAMATO』

原作;吉村昭

余談ですが井伊直弼はゆるきゃらで有名な「ひこにゃん」の彦根藩の15代藩主だったんですね~。

200px-Hikonyan_in_Hikone_Castle.jpg 「国宝・彦根城築城400年祭」のキャラクター ひこにゃん

 


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シークレット [映画【さ行】]

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『チェイサー』の撮影監督のイ・ソンジェ、『セブンデイズ』の脚本家ユン・ジェグが脚本と初監督という事で観に行ってきました。サスペンス映画は絶品の韓国映画、息をのむ展開と予想もつかないラストが多いです。この制作者だったらはずせませんよね。

シネマート心斎橋にて。

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刑事キム・ソンヨル(チャ・スンウォン)は、悪名高い組織のナンバー2であるチョ・ドンチョルが刃物で惨殺される担当殺人現場に出向く。その現場では彼の妻が前日出かける前につけていた同じ紫色の口紅がついたワイングラス、スーツのボタン、そして片方だけのイヤリングをみつける。

確かに妻はスーツに血をつけた姿で帰宅してソンヨルを驚かせていた事を思い出すが、それは彼の妻ジヨン(ソン・ユナ)がこの事件の犯人である事を示すものだった。とっさに証拠のイヤリングとボタンを拾い、ワイングラスを割り、全ての証拠を隠してしまうソンヨル。

被害者ドンチョルの実の兄はチルソン組の悪辣なボス、ジャッカル(リュ・スンニョン)だった。ジャッカルは警察に自ら犯人探しに乗り出し、必ず復讐を遂げると宣言する。

危険が迫る妻にその日の行動を問いただすソンヨルだったが、「貴方は夫として私に何かを尋ねる資格はない」と冷たく言い放ち家を出て行ってしまう。

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妻は犯人なのか?何故、妻がヤクザを殺さねばならなかったのか?

ソンヨルに恨みをもつ同僚のチェ刑事(パク・ウォンサン)はソンヨルのおかしな行動から彼の妻が容疑者ではないかと疑い始める。そしてヤクザのジャッカルもソンヨルと妻ジヨンを追い始める。ジヨンを守るためにソンヨルは動くが、ある事件を機会に夫に深い憎しみを抱くジヨンにはソンヨルの想いは通じない。やがてジヨンはジャッカルに捕まってしまう。

 

登場人物がそれぞれに気が付いている事実と、気付いていない事実。

登場人物がそれぞれがついている嘘と、真実。

336885view007.jpg ←彼は『TSUNAMI-ツナミ-』にも出てたよね。

普段は不正を許さない刑事のはずなのに犯人として疑う妻を庇い、殺人現場で見つける証拠を隠し、無実の人に罪を被せてまで事件を終わらせようとまでする夫としてのソンヨルの行動と緊張感に引き込まれる前半。

追ってくるヤクザのジャッカルはそりゃもう怖くて、捕まったら絶対殺されそうです。死体は平気でゴキブリを怖がる女性検視官がいたり、事件の鍵を握る怪しいピエロ、事件当日に美人の容疑者を観たと証言する薬中の目撃者、などなど怪しい人はテンコ盛りでこれらが絡み合って全て、もう何が何だか分からなくなってしまいます。

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そしてシークレットはラストに解かれますが解かれたと思った秘密がそれでもなんだかまだスッキリしない・・と思っていると、更に本当の秘密が解き明かされ、え~もう一回最初に巻き戻して!って言いたくなりますよ。後半はこのあたりの凝り過ぎた展開がわかりずらいのが難点。

主演のチャ・スンウォンは元はモデルということで188cmの長身、神経質そうな容姿と前髪が何とも素敵。

  ★★★★

ラストは『チェイサー』ほどのドーンとくる衝撃はありませんけど上質のサスペンスに仕上がってました。(注;『チェイサー』はもう一回見たいとは思いませんでしたけど)

とにかく女って怖いってことで・・・。^.^; この映画も上演している映画館少なくて残念です。


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ザ・ロード [映画【さ行】]

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ワールドカップを3時に起きては仕事して、なんてやってたのは今月始めから半ば頃・・・そうこうしているうちに大雨続きだった梅雨も明けて、いきなり蝉が鳴く暑い毎日がやって来ました。

随分ブログをさぼっておりました。7月全然書いてないです。^.^;

091216_1317~01.jpg  ごろんごろん。

でもまあ、どうもやる気が起きない時期ってありますよね~。

そんななか、少し前ですが今月はヴィゴ・モーテンセン主演の『ザ・ロード』観ました。

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謎の天変地異がアメリカを襲い、ほとんどの人や動物が死に絶えた世界で息子と二人で南を目指し歩いてゆく父親がヴィゴ・モーテンセン。

動物も植物も死に絶えた時、どうにかして食べて生き残る事が最大の課題となり、食べ物が無ければ生き残っている人の肉を食べるしかない!と集団で襲ってくる恐ろしい輩があちこちに出没。うかうかしてもいられません。

そんな世紀末の世界で、幼い息子に正しく生きることを説く父。
父にとって息子がいるから生きていけるのです。旅をしながらヴィゴ親子は僅かに残った草や虫を探して食べたり、忍びこんだ地下室に保存された缶詰や保存食を見つけてはどうにか生き長らえています。

南に行けば助かるのかといえばそれは根拠のない希望で、とにかく北にいると寒さで冬が越せないという理由みたいです。

そんな世に絶望して、誰かに殺されて食われてしまう前に自殺してしまう妻にシャーリーズ・セロン。ガイ・ピアースも出演しますが、ほとんどはヴィゴパパと息子の隠れながら、逃げながらのぼろぼろの旅です。

原作が「ノーカントリー」のコーマック・マッカーシー。
生きるためとはいえ人を襲うというストーリーにかなりテンション下がります。

天変地異の理由が全く語られませんけど人は何かを食べないと生きていけない、その時に何を選択するのか、死か生か。映し出される風景も灰色で暗いです。でもね、そんな世界でも少しですが希望の見えるラストで安心しました。

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私も頑張ろうっと、今日はうなぎです。食べ物に感謝します。


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