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殺人の告白 [映画【さ行】]

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韓国映画です。

事件から15年が経ち、時効が成立したある連続殺人事件。
遺族たちには事件の真相も犯人すらわからぬまま、10人もの犠牲者を出した犯人が法的に無罪となる日が過ぎてしまう。

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時効が確定したその後で「私が犯人だ」と名乗る男が自分が犯した事件を詳細に告白した暴露本を出版する。
犯人しか知りえない衝撃的な内容と俳優のような美しいルックスで一躍人気者となるイ・ドゥソク(パク・シフ)。
遺族への謝罪の為に書いたという本は瞬く間にベストセラーとなる。

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一方、当時犯人を追い詰めたにも関わらず顔に傷をつけられ逃げられ、恋人を殺されたチェ刑事(チョン・ジェヨン)。
犯人への恨みで顔の傷も治さず犯人を追っている男。
彼は本の中にまだ解決されていない事件の真相の記述がないことに気づく。

ドゥソクは本当に犯人なのか?なぜ告白本を出したのか?
そんな中、自分こそが犯人だと主張するものまで現れる。

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テレビドラマ「検事プリンセス」「王女の男」などで人気の俳優パク・シフ。
初の映画主演ってことですが本当の主演は刑事を熱演する『黒く濁る村』『トンマッコルにようこそ』などのチョン・ジェヨン。
二人の対決は緊迫感があり面白いです。

ラストへの伏線が沢山用意されているのでだいたいの人は「あれ?そうかな?」と気づくはず。
そこも想定の範囲内なのかもしれません。

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時効となって無罪となった犯人を憎む遺族のメンバーもなかなか個性的で毒蛇使いおじさん、弓使いの女、犯人と間違え違う人を襲って刑務所にいた男、チェ刑事さえ一目置く謎のマダム。

この遺族が結託して憎むべき犯人を救急車で拉致!そこから始まる怒涛のカーチェイス!!
犯人を奪い合い、道路を走る救急車と追手の乗用車の上では激しい戦いが繰り広げられます。
その見事さには思わず笑ってしまうほど。

ラスト近くにも事件の真相を執拗に追うチェ刑事と逃げるトレーラーを使ったカーチェイスが用意されてますが、もう、みなさん体力あり過ぎ、あの位置から元に戻るなんて絶対無理無理!?と思うのだけれどそこはエンターテイメント、とことん魅せてくれるなあとニンマリ。

説明なしの手振れ画像で始まる疾走感あふれる逃走劇のオープニング、雨の使い方も上手い。
台湾の新幹線を貸し切らなくても出来る普通の車でのカーチェイスには斬新なアイディア満載にびっくりでした。
日本でもこんな映画を作ってくれないかしら。

驚きの展開に息もつかせぬスピード感。観ないともったいないお勧めの一本です。★★★★☆

監督・脚本 チョン・ビョンギル

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あの意味ありげな耳打ちも、鍛えられたボディも全部真相への伏線、バリっとスーツを着こなすパク・シフの魅力ありきの映画ですが、彼は今スキャンダルで告訴されているのだとか。


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シュガー・ラッシュ [映画【さ行】]

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3D吹き替え版で鑑賞。ディズニー映画です。
第85回アカデミー賞短編アニメ部門で受賞のジョン・カース監督の「紙ひこうき」も併映されていますからかなりお得ですよ。

『トイストーリー3』でも涙してしまった私。もうすぐ終わりそうなので大急ぎで観てきました。

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舞台は子供たちが小銭で遊ぶゲームセンター。
アーケードゲームとも呼ぶそうですが、そこのゲーム機の中では仕事を終えると(閉店になると)それぞれのキャラクターは翌朝の開店時間まではフリー、「ああ疲れた」ってそれぞれの家にご帰宅。
人がいなくなると動き出すおもちゃ達の様ですね。ここが「トイストーリー」と比べられる由縁。

主人公のラルフ(山寺宏一)のお仕事はアクション・ゲーム「フィックス・イット・フェリックス」のキャラクターで役割は敵キャラ。
みんなが住むマンションをそのでかい腕で壊して30年のベテラン。
ラルフが壊したマンションをプレイヤーが主人公のフェリックス(花輪英司)となって魔法のハンマーで叩いて直していくんです。
最上階まで上手く直せたらプレイヤーは金メダルがもらえます。
そしてラルフは最上階から住民たちに担がれ突き落とされゲームは終了。

そんな辛い仕事を終えて私生活?でもラルフは仲間から嫌われてて、30周年のお祝いさえ秘密にされてるのよね。うーん、みんな意地悪すぎる。
フェリックスは親にもらったハンマーで主役張ってるだけなのにみんなからはモテモテ、これは不公平だって思うのは至極当然。
彼はこの映画のコピーで使われるような「ヒーロー」になりたいんじゃなくて仕事仲間に認められて優しくしてもらいたいだけなんだけど仲間はそれをわかってくれないの。
そこで自分のゲームを飛び出して別のゲームで金メダルをもらってこようと考えるラルフ。

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そうこうして(かなり中略)やってきたお菓子の国、「シュガーラッシュ」。
可愛い女の子たちが可愛い車でレースを繰り広げるゲームの世界です。
そこで出会うちょっと憎たらしい少女ヴェネロペ(諸星すみれ)。
やっと見つけた金メダルを彼女に取られて怒るラルフだったんだけど段々彼女もこのお菓子の国では邪魔者扱いをされている存在だと知ってからは彼女の味方に。
でも彼女の為と思っていたことが彼女を死なせるかもしれないと知らされ悩むラルフ。
ヴェネロペを助けることは出来るのか。
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う~ん、わかるわかる。
仕事って楽しいばかりじゃない。
ましてや嫌な仕事だったらなおさら続かない。だからこそ褒めてくれる人がいないとダメよね。
主人公は敵キャラって仕事を与えられひたすら頑張って30年。なのにみんなに認められていない、そんな自分が嫌なんだよね。
そこで飛び出してみたら悪役がいないゲームは故障中ってことになってゲーム自体が廃盤の危機。
お前のせいで!!とまた仲間から責められたちゃう悪循環。

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世の中は自分が思った通りには進んでくれない。
誰もが主人公にはなれないけどでも役割があって自分にしか出来ない仕事がある。
そしてそのことをわかってくれる人が一人でもいてくれたら同じ世界でも世界が違って見えてくる。
そんなことを考えさせられる映画。最後のラルフのセリフがなんとも良かったです。

お子様はもちろん、仕事や人間関係に疲れた大人が観ても面白い映画です。
GWに映画をせがまれたら是非お子様とご一緒に観てください。

パステルカラーの美しいお菓子の国はさすがのディズニー映画ですよ。
あの美しさにどのくらいの人がこの映画に関わったんだろうと思います。

★★★★

リッチ・ムーア監督作品


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シュガーマン 奇跡に愛された男 [映画【さ行】]

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第85回アカデミー賞ドキュメンタリー長編賞受賞。
ドキュメンタリー映画です。85分。

「シュガーマン」とは南アフリカでは誰もが知っているアメリカの元歌手・ロドリゲスの歌う曲の題名で意味は麻薬売人のこと。アメリカでは全く売れなかった曲だった。

1960年代のアメリカミシガン州デトロイト。
霧で霞む河の近くの小さな酒場でギターで一人歌うミュージシャン、シクスト・ロドリゲス。
彼の歌唱力の評判を聞きつけたプロデューサーがスカウトして70年代に2枚のアルバムを発表する。
ボブ・ディランと比較されるほどの出来で制作側も絶対の自信があったそのアルバムは鳴かず飛ばず。
何がいけなかったのか、アレンジか、宣伝方法か。
インタビューに答えるプロデューサーも首をかしげるが、結果がすべての世界で彼は解雇。
実力があっても音楽の世界で夢を抱えては消えてしまう多くのミュージシャンの一人となってしまう。

しかし、奇跡はおこる。
アメリカの大地で根ざさなかった彼の歌は遠い南アフリカの地に根づいていく。
アメリカから誰かが持ち帰ったカセットかレコードの歌が口コミで広がり、当時の南アフリカのアパルトヘイト政策で苦しむ若者たちが支持、放送禁止になっているにもかかわらず国民誰もが知っている歌として大ヒットしていく。

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ロドリゲスとは誰だったのか?歌は誰もがしっているのだが人物がわからない。
90年代となり、ロドリゲスを愛する南アフリカのファン二人は調査を始める。

ロドリゲスの情報は反体制的で自分たちを代弁するかのような歌詞と悲しいメロディ、レコードのジャケットに映る何枚かの写真だけ。
ステージ上で拳銃自殺した?焼身自殺した?獄中で薬中で死んだ?
南アフリカでまことしやかに彼の死を想像させる噂。
死んでいるとしたら死者に支払われるはずの印税はどうなっているのか?

インターネットで情報を集めようとしてもわからなかったことを彼らは地道に歌の歌詞から出てくる地名で元プロデューサーを突き止める。
結果、ロドリゲスは生きていた。
そしてミュージシャンを辞めた彼はデトロイトで普通に暮らしていることを知る。

 

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その後のロドリゲスが素晴らしい。

彼はミュージシャンを辞めた後、大学まで通い、結婚し、娘たち3人をギターではなくビルの解体等の肉体労働で育て上げていた。
南アフリカで想像されていたようないかにもアメリカのミュージシャンらしい薬も、自殺も、獄中での生活もなかった。

そして南アフリカでの自分の歌の成功を聞いても莫大な印税の流れを問いただすわけでもなく、求められて地球の反対側までコンサートに出向き、驚くほどの熱狂する観客を前にしても冷静に、賞賛の声に天狗になることもなく自分のなすべきことを行う、ロドリゲスとはそんな人。
彼のその姿をみてこの人の存在自体が奇跡と思わずにはいられない。
偉ぶることもなくこの真実を静かに受け入れる様子にこの人は宮沢賢治の「雨にも負けず」の詩の世界の人かと想像させられます。

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南アフリカでのコンサートでもらったお金も娘と親戚に分け与え質素に今も肉体労働で暮らしているというロドリゲス。
彼の人間性の素晴らしさにただただ感動する、そんなドキュメンタリーでした。

  ★★★★★

監督;マリク・ベンジェルール

 


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ジャンゴ 繋がれざる者 [映画【さ行】]

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第85回アカデミー賞で脚本賞、助演男優賞受賞。

1858年、南北戦争前のアメリカ南部。
奴隷商人に連れられたジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は、ドイツ人医師で賞金稼ぎのキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)に買われ、奴隷制度を嫌う彼によって自由を与えられる。
銃の腕もめきめき上達しシュルツの相棒として白人のお尋ね者たちを撃ち殺すジャンゴ。
昔彼の主人だった極悪3兄弟も殺して過去の恨みを晴らす。
次の目的は離れ離れとなってしまった愛する妻を捜しだすことだった。
やがて南部の農園領主、暴君カルヴィン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)のところに妻が売られたことを突き止め一芝居を始める二人だった。

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R15です。
タランテーノ監督らしい映画で大量の血飛沫が飛び散り、撃たれた肉が飛び、奴隷虐待の鞭打ち、犬に食い殺させるシーン、奴隷同士のデスマッチで相手を殺させる、などなど……残虐極まりないなシーンがてんこ盛り。
でもこれはフィクションなんだってどこかで思わせてくれるところがタランティーノ流。

Nから始まる差別用語もバンバン出てきて本当にいいのか?ってことで映画を面白くしたい、驚かせたい、笑わせたいという練られた脚本が見た人に受け入られるか否かで好き嫌いが分かれる映画ですね、今回も。

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後半になってやっと現れるディカプリオ。
彼が悪農場主で出演してることでお客を呼んでますが「イングロリアス・バスターズ」のブラピのごとく、目立ちません。
だって彼と一緒に出てくる使用人で奴隷長のスティーブン(サミュエル・L・ジャクソン)の方がもっと悪くてもっとキャラ立ってるんですもの。
同じ黒人なのにジャンゴを最後まで苦しめます。
レオは手に傷を負って血を流すシーンがありますが演技中のハプニングで本当に怪我をしたんだけどそのまま演じてそのまま使われているそうです、ご注目を。

監督はステーブンのサミュエル・L・ジャクソンとシュルツのクリストフ・ヴァルツは出演を想定して脚本を書いたとのこと。
悪役カルヴィン・キャンディと主人公のジャンゴが印象として弱いのは監督愛の差でしょうか。

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タランテーノ監督の最近の女神、クリストフ・ヴァルツ。
彼の出演作って「三銃士」や「グリーン・ホーネット」は見たんですけどどうもいまいち。
やっぱりタランテーノ監督で光る俳優さんかと思われます。
今回もこの映画で2度目のアカデミー助演男優賞をあっさり取ってしまったんですからびっくりでした。
もちろん最初の受賞作も同監督の「イングロリアス・バスターズ」のナチ将校役。
相性のいい監督と俳優だと思います。

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奴隷のヒーローをマカロニ・ウエスタンのスタイルで撮ったこの映画。
「西部劇」じゃなくて「南部劇」ってところも変なんですけど、「マカロニ・ウエスタン」っていうのもイタリアで作られた西部劇の事でそこらへんもまあ変なんですけどね。

イタリア、アメリカ、イギリスでは「スパゲッティ・ウェスタン」と呼ぶようです。
マカロニと呼ぶのは実は日本のみ使われる和製英語、あえてマカロニと言い換えて名付けたのはあの有名な映画解説者の淀川長治さんなんだとか。

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ラスト近くにタランティーノ監督自身も出演していて笑いました。
ダイナマイトで自身を跡形もなく爆発させちゃうのはさすが。
私は気づかなかったけどジャンゴのベースになった「続・荒野の用心棒」(原題DJANGO)←あ、Dは読まないでね(笑)の主人公F・ネロも出ているらしいです。
「ジュリエットからの手紙」ではかっこよかった~。
酒場にいるらしいのでこれから見る人はぜひ見つけてください。

   ★★★★

 

 

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2007年の三池崇史監督の「スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ」にタランテーノ監督は役者として出演してますよね。
日本人がウェスタンを英語で演じる映画で評価はよくなかったんですけど私は好きなんです。
この映画も「続・荒野の用心棒」風、黒沢映画の「用心棒」風でした。
最初にタランティーノ監督+「ジャンゴ」という題名を聞いたときにこの映画を思い出したのは私だけでしょうか。


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ストロベリーナイト [映画【さ行】]

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~1月18日 大阪 御堂会館の試写会にて~

久々に試写会にて鑑賞しました。
「ストロベリーナイト」は2010年11月にスペシャルドラマ、2012年1月から連続ドラマ化されたフジTV系テレビドラマシリーズのその後のお話を映画化。
映画は誉田哲也原作の「インビジブルレイン」が基になっていて全編に雨が降っています。

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警視庁捜査一課の姫川玲子(竹内結子)は直感と行動力を武器にノンキャリアで警部補に上り詰めた女性刑事。
彼女が率いる姫川班は、管轄内で起きた4人の殺人事件を担当することになる。
4体の死体には左目を縦に切り刻む同じ特徴が残されていた。
警察が合同特別捜査本部を設けて捜査に臨む中、『犯人は柳井健斗』という匿名電話をうける怜子。
しかし、警察上層部からは『柳井健斗には絶対に触れるな』という命令が下る。
納得がいかず単独で捜査を続ける怜子はその過程で牧田(大沢たかお)と出会う。

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TVドラマを観ていたのでお話に入りやすかったですが逆に観ていない人はどうなんだろと思いました。
ドラマでは活躍していた姫川班(西島秀俊・小出恵介・宇梶剛士・丸山隆平)の出番は少なく、姫川が単独調査している間は彼らはいったい何してるんだろうって感じです。
脇を固めるメンバー好きには期待外れですね。

特に怜子に恋心を寄せる菊田(西島秀俊)のその後を知りたいと思ってる(私を含め)沢山の西島秀俊ファンには彼の出番も少ないし可愛そうなことに。
逆に大沢たかお好きな人は「JIN 仁」などいい人役が多い彼が背中に入れ墨の暴力団若頭を演じていて必見かも。

暴力団側の権力抗争と警察の過去の捜査ミスとその隠ぺいが絡んだ事件の真相は最後で一気に解かれますが、ミステリーを期待するよりも刑事と暴力団幹部の許されぬ恋がどうなっていくかにドキドキする仕上がりになっています。
私は期待以上に面白かったんですけどね。

 ★★★★

暴力シーンや死体も沢山出てくるのでグロい表現が嫌いな人は辞めといた方がいいかもしれません。

キャストがかなり豪華です。最初の死体は金子ノブアキさんだし…。

警察官側の柴俊夫さんが怒ってるシーンは暴力団が暴れるより怖いです。

生瀬勝久さんはかなり笑わせてくれます。

映画公開の1月26日夜にフジTV系でこの映画のその後が放送されるそうです。
その後が先に放送されるってどういうこと?

監督は「キサラギ」の佐藤祐市監督。


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サニー 永遠の仲間たち [映画【さ行】]

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韓国映画です。

ナミ(ユ・ホジョン)は夫と高校生の娘と暮らす主婦。
夫と娘に朝食を出し、送りだしたら掃除をして、お昼に朝の残りのトーストをかじって。
そんな平凡な毎日だったが、母の入院先にお見舞いに行った時に通りかかった病室で痛みに苦しむ患者に出会う。
彼女の病室のネームを見て驚くナミ。
それは高校時代の親友、チュナ(チン・ヒギョン)との25年ぶりの再会だった。
チュナは田舎からソウルに引っ越してきたナミに優しく接して仲間に加えてくれた人、姉御肌の頼れるリーダー。
その親友から自分はガンであと余命は2か月と聞かされてしまう。
「なにか必要なものはあるか」と尋ねるナミにチュナは「高校時代の仲間たち“サニー”のメンバーに会いたい」というのだった。

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評判が良かったので絶対観たいと思っていたんですが時間がなく、やっと行ってきました。
評判以上に面白かったです。子役の女の子たちが可愛い。
私の今年一番の映画かも。

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韓国映画というと殺人、犯罪、貧困、脱北者、人間の悪意や差別、暴力などを描くノワール映画を思い出してしまいますがこの映画は青春時代の友人と偶然出会った事で、忘れていた若い頃の気持ちを少しづつ思い出していくというなんとも素敵な映画でした。
前半は笑えて後半は涙。

涙は親友チュナが死んでしまう悲しみとは違う、高校生の頃は学校に行けば毎日友達と会って笑っていた普通の生活が今思い出すとなんと貴重でキラキラしていた時間だったのかってことを思い出して泣けてきちゃうんです。
その描き方が実に上手くて自然。
チュナのお葬式でのメンバーの行動はそんな事しても失礼じゃないのかって思うのはきっと若い人の方でこんなお別れの仕方なら私もお願いしたいです。

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40代の主人公の姿がふっと10代の高校生に変わって当時のエピソードが語られていきます。
友人たちも80年代の女子高生の姿。
この頃の服装は今見るととってもダサくて笑えちゃうし髪型も変。
でもみんなにはそれぞれ素敵な将来の夢があるのよね。

そうよ、私は霊に憑依されたふりをして敵対するグループを追っ払ったことも、殴り合いの喧嘩したことも、学生運動にのめり込んだ兄もいないし、好きな人に私は糖尿病ですと叫んだこともない。
こんなに面白いエピソードはなかったけどうん、うん、そうだ、と頷けるシーンが沢山ありました。
随所で流れる80年代の音楽もいいですよ。

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今は音信不通だった7人組の“サニー”の残りのメンバーを一人ずつ探し出していくナミ。
友人たちは生活に困っていたり、夫の浮気に悩んでいたり、仕事に行き詰っていたりと40代の悩みもそれぞれ。

ナミが探偵にお願いしたのはメンバー以外にもう一人、初恋の彼。
ある事で泣きながら諦めた人だけど、当時渡すことが出来なかった彼の肖像画(捨てずに持っていたのね)を今の彼にそっと渡した今のナミがあの失恋の日と同じように電車で帰って失恋に泣いてる自分をそっと抱きしめるシーンにはグッときちゃいました。

ナミは高校生の頃は絵が得意で画家になる事を夢見ています。
それはエンドロールでもいい味だしてるので最後まで楽しめます。

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前半の笑えるシーンは入院してる母親の病室の患者さんたちが揃って楽しみに昼ドラを見てるシーン。
昼ドラお決まりの「実は俺たちは兄妹なんだ…」「実は不治の病なんだ…」っていう場面をみんなで「またかよ!」って怒りだす自虐ネタ?があったり、母への入院のお見舞いがグッチのバックだったのもびっくり。洗濯に失敗して小さくなったシャツを着てる探偵にも笑えました。

沢山のエピソードがテンコ盛りに笑って泣ける青春ドラマ。
かつて高校生女子だった人達に超お勧めですが上映してる映画館が少ないです。
それがなんとも残念。

  ★★★★★

監督;カン・ヒョンチョル


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戦火の馬 [映画【さ行】]

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本年度アカデミー賞で作品賞他9部門でノミネートされた作品です。

監督はスティーヴン・スピルバーグ。
最近はスピルバーグ作品を観たいと思わなくなってきていたんですけどこの映画はポスターを見たときから観たいと思っていました。
なんだか正統派映画の匂いがプンプンしますもんね。

原作は1982年にマイケル・モーパーゴが発表した英国の児童小説 『War Horse』。
『軍馬ジョーイ』として舞台化されて第65回トニー賞で5部門受賞。
スピルバーグ監督、馬好きの末の娘さんが映画化を熱望したのも制作のきっかけとなったのだとか。
なんと監督のお家にはお馬が10頭もいるらしい・・・・。

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時は第1次世界大戦が始まる直前の英国。
アルバート(ジェレミー・アーヴァイン)は父親が市場で手に入れたサラブレットのジョーイを愛情深く育てていましたが農家の仕事は楽ではありませんでした。
大戦が始まり、収穫も思うようにいかず、一家はジョーイを買った時の借金も返す事が出来なくなり、遂に父親はジョーイを騎兵隊に売ってしまいます。

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こうして軍馬となったジョーイはフランス領に送られ戦場を駆けることとなります。
ジョーイを買った将校はアルバートに「必ずジョーイを返す」と約束して戦場に赴きます。
しかし将校は独軍との戦闘で戦死。
独軍の手に渡ったジョーイは大砲を運ぶ馬になり、やがて独軍の若い兄弟がジョーイにまたがり独軍から脱走を図り、フランスの少女に出会い・・・ジョーイは持ち主を変えながら戦場を生き延びていきます。
やがてアルバートも兵士として志願して戦場へ。
過酷な戦場の中でアルバートは再びジョーイと再会できる日がやってくるのでしょうか。

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舞台を観てスピルバーグ監督が最も気になった場面はジョーイが有刺鉄線に絡まり動けなくなった時睨みあっていた英国軍と独軍の兵士が白旗をあげながら近付き助けるシーンだったそうで、映画でも敵同士であっても馬の前では人間同志、ジョークを交えながら助けるシーンが印象的なシーンとなっています。

ジョーイが戦場で出会う黒い馬との友情にもちょっぴり泣かされ、ヨーロッパの美しい田園風景も堪能。
児童文学が原作という事で出てくる人たちがいい人が多く(意地悪なドイツ軍人もいましたが)美しい馬と人の出会いと別れという単純でわかりやすいストーリーに2時間半という長さも全く飽きる事がなく鑑賞することができました。
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フランス人の少女のおじいちゃんは『サラの鍵』でもいい味出してたニエル・アレストリュプ。
アルバートの母にエミリー・ワトソン。脇役もいいですね。
戦争ですから悲惨さも描かれています。バグパイプの音に合わせて敵に突っ込んでいく若い兵士たち。
でもスピルバーグ監督がTVドラマとして制作した「ザ・パシフィック」(全10話)ほどではなく、戦争映画が苦手な方も安心して見れると思います。
なんと言っても映像が美しい。ラストの夕焼けの空など大きい画面で観て欲しい映画でした。

  ★★★★

この映画は久々に戸田奈津子さんの翻訳でしたよ。


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サラの鍵 [映画【さ行】]

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ナチス占領下のパリで行われたユダヤ人迫害、ヴェルディヴ事件を題材にしたフランス映画です。

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ナチス占領下の1942年、フランス・パリ。
フランス県警があるユダヤ人家族のアパートに押し入る。
母と警察との異様な会話を耳にしたサラ(メリュジーヌ・マヤンス)はとっさに秘密の小部屋に弟を隠し、鍵をかける。
出る事ができない小さな部屋に幼い弟だけを残しそのままヴェルディブ(冬季競輪場)に収容されてしまった一家、驚いた事にそこには沢山のユダヤ人が収容されていた。

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まさか連行後収容所送りになりそのまま部屋に帰れなくなるとは思っていなかったサラ。
「弟を助けて、このままだと死んでしまう。」と頼むサラの願いは誰にも聞き入れられず、両親にもお前のせいだと罵られる。
この小部屋の小さな鍵がその後のサラの人生を変えていく。

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独・ナチスによるユダヤ人迫害は有名ですが、フランスでもフランス県警が行ったユダヤ人迫害があり、その時の様子を60年後の2009年、アメリカ人ジャーナリストのジュリアが解き明かしていくというお話でした。

過去と現在が交互に映し出され、ジュリアの視線でサラのその後が段々わかっていきます。

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ジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)はパリでフランス人の夫と娘と幸せに暮らしています。
祖父母が所有するアパートを譲り受けることとなり大喜びの夫。
ジュリアのお腹には新しい命も芽生えていました。
ところがそのアパートに祖父母が住み始めた時期と、自分が調べていたヴェルディヴ事件の時期が一致する事に疑問を持ち始めます。
やがて義父の話によってそのアパートは罪もないユダヤ人家族が収容所に送られたあとに住む事になったものである事を確信します。

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過去と現在が少しづつつながっていきます。
夫に「そんなことを今更調べてどうなる」と責められてもジュリアは真実を追い続けます。

サラは弟を助けたい一心で収容所から友人と共に逃げ出します。
偶然助けてくれた老夫婦と共に弟が待つパリのアパートに戻って鍵を開きますが、弟を助けるにはあまりにも時間は経ちすぎていました。
収容所を一緒に逃げた友人も病に倒れ亡くなり、ヴェルディブで別の収容所に送られた両親とも生涯あうことは出来ませんでした。

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わかりやすくドキドキする見事なストーリー展開で引き込まれていきました。
ユダヤ人迫害の悲惨な事実だけを追うだけではなく、サラを助けた老夫婦のその後、
弟を死なせてしまったトラウマに押しつぶされるサラの生涯とサラの夫と息子の今、
サラのアパートに住んでいた夫の祖父母と義父の気持ち。

夫が言うように「今それを知っても何の徳もない」過去。
あの時代に生きていたら自分はどんな選択をしたのかなんて誰も答えられないそんな時代。
しかし人々はそれぞれ残酷な過去と戦いながら今を生きているという真実を知るジュリア。

真実の代償にジュリアの実生活は壊れて心に深い傷を負ってしまいます。
しかし彼女とサラが時の壁を越えて確実に関わっていき、助からなかったかもしれない命を助け繋いでいく、じんわり暖かい涙に包まれるラストに安心しました。   

       ★★★★☆ 

シネ・リーブル梅田にて上映中。
小さい劇場ですが午前中は立ち見になっていました。

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監督はジル・パケ=ブランネール。原作は世界中で300万部を売り上げたタチアナ・ド・ロネ。

サラを演じた少女、メリュジーヌ・マヤンスの演技がうまいです。
去年公開のフランソワ・オゾン監督「Ricky リッキー」という作品でもその魅力を感じました。

ジュリアを演じるのは『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー主演賞にノミネートされたクリスティン・スコット・トーマス。実生活でも夫はフランス人医師とのこと。


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三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 [映画【さ行】]

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3Dが美しいと聞いたので3Dメガネをかけて観てきました。
せっかく料金払って3D観てるのにこれはもったいなかったかな~という映画も多々ありますよね。
今回はオープニングの人形での説明が立体的で可愛い。
空から落ちて塔に突き刺さる飛行船、飛行船から落ちて行く謎の美女など上から下に落ちるシーン、空から観る17世紀のヨーロッパの街並みも美しい。
過去最大の8台の3Dカメラで撮られてるって話です。
ってわけで今回はメガネのせいでなお一層暗くて何やってるかわかんなかった『パイレ◎×…』などとは違い、3Dで観たほうが楽しめる映画だったと思われます。3Dも日々進歩してるんですね。

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主人公はダルタニアンという少年なのに題名が『三銃士』なのはなんでだろう?と思っていたのは私だけでしょうか。^.^;
こんな初歩的なこと言うと超有名なこの原作、アレクサンドル・デュマの『三銃士』を読んだ事がないのがばれちゃうんですけど、ちょいと調べてみましたら実は『三銃士』は『ダルタニアン物語』の第1部にあたるんですね。
だったら初めから『ダルタニアン物語』とか『三銃士とダルタニアン』とかにしてくれてたら良かったんですけど・・・第2部は『二十年後』という題名通りダルタニアンも40歳になるんだそうですから、やっぱり若きダルタニアンが活躍する第1部『三銃士』が面白い(はず?)。
原作に忠実かつ現代風にアレンジしての映画化です。

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時はルイ13世の頃、フランス王国。
田舎から銃士になる為にパリへ向かう青年ダルタニアン(ローガン・ラーマン)は、短気で向こう見ずな性格が災いしトラブル続き。
パリに出てきて直ぐに決闘することになったのはなんと憧れの三銃士だったが、その矢先にリシュリュー枢機卿率いる護衛士と乱闘騒ぎに巻き込まれ、三銃士とは仲間となります。
やがて悪役リシュリュー枢機卿の命令で動く謎の美女ミレディ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が盗んだ王妃の首飾りを取り戻すため、英国のバッキンガム公爵(オーランド・ブルーム)の城に向かう三銃士とダルタニアン。
バッキンガム公爵にはダ・ヴィンチの飛行船設計図を盗まれた貸しもあった。
ダルタニアン達はフランスと世界の平和を救う事は出来るのか?

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お子ちゃまルイ13世を操り、英仏両国にまたがる陰謀をたくらむリシュリュー枢機卿に『イングロリアス・バスターズ』で血も涙もないナチス将校役でアカデミー賞を受賞したクリストフ・ヴァルツ。
でも部下に陰で「やっちまいなさい」と命令するだけであんまり悪役オーラはなかったかな。

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オールバックで派手な衣装。(靴はハイヒールらしいけど映画ではそんなシーンは無かったよ)
悪役初挑戦のオーランド・ブルームもそれほど活躍してなかったような。もっと目立って欲しかったぞ。

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今回の悪役ではやっぱりこのお方、ミレディ役のミラ・ジョヴォヴィッチ。
監督のポール・W・S・アンダーソンの奥さんでもあります。
ミラって実生活でも3度結婚していたんですね。
最初の結婚は93年「バッド・チューニング」で共演したショーン・アンドリュースと結婚して即離婚。
97年にリュック・ベッソン監督と再婚して99年離婚。
その後「バイオハザード」の監督でもあるアンダーソンと交際して婚約中の07年には娘を出産後、09年に結婚しています。恋多き女なんですね。

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出演者も衣装も豪華絢爛、飛行船も古典的な帆船で素敵、アクションも派手で剣さばきも華麗、悪女ミレディは死んだかと思われて実は・・・次回もありますよという終わり方。
でもう~ん、映像は美しかったけど次は観るかなと言われるとどうかしら。
何にも考えずに観たい時なら良いかもね。
そして次回はオーリーに毒々しく踏ん張って欲しい。 ★★★☆


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猿の惑星:創世記(ジェネシス) [映画【さ行】]

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どうもシリーズものには弱い私。
期待せずに試写会で観た前作、ティム・バートン監督の「PLANET OF THE APES/猿の惑星」(01)が、10年前なので詳しいストーリーは忘れちゃったんだけど「うわ、面白い」と思った記憶だけ残っていたので今回は公開早々に観に行ってしまいました。
主演のマーク・ウォールバーグが印象に焼きついた映画でしたけど彼は今は大スターですよね。
ヘレナ・ボナム=カーターは特殊メイクで猿になってましたが、実生活では監督の奥さんになってます。
その時とは監督も出演者も違うから過大な期待は禁物なんだけど題名が同じってホントになんでしょね、魅力があります。

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『猿の惑星』は1968年のチャールトン・ヘストン主演で最初の作品が作られ、その後続編の映画が『続・猿の惑星』(70)、『新・猿の惑星』(71)、『猿の惑星・征服』(72)、『最後の猿の惑星』(73)、と4本が立て続けに制作、その他にもTVシリーズ、アニメでも制作され放映されたすごいシリーズ。

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この続編たちやアニメについては知らなくても、最初の『猿の惑星』はあまりに有名。観て損なし。
アカデミー賞に特殊メイクアップ賞を設立するきっかけを作った精巧な猿の特殊メイク、
そして衝撃のラスト!ざっくりのストーリーを紹介すると・・・

時は近未来。未知の惑星に不時着した宇宙飛行士のテイラー(チャールトン・ヘストン)達。
なんとそこは高度な知能を持つ猿が人間を支配している惑星だった。
迫害される人間たちを助け、惑星から逃亡を計るテイラー。
コーネリアスとジーラというチンパンジーの博士がテイラーを助けてくれるのだが、
しかし野蛮な猿が支配するこの惑星こそ、未来の地球だった、というオチ。
ラストシーンの朽ち果てた自由の女神の前に驚愕するテイラーの姿で終わります。
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支配される側が支配する側に変わると言うストーリーは第二次世界大戦時に体験した自身の経験を元に書かれたフランス人作家ピエール・ブールの小説が原作となってます。
(ブールは他に「戦場にかける橋」の作家でもあります。)

このストーリーをふまえて、今回のこの映画は“じゃあなぜ、地球は猿の惑星となっちゃったんだろう?”を考えた作品。

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時は現代のアメリカ・サンフランシスコ。
サンフランシスコの製薬会社研究所に勤める神経化学者ウィル(ジェームズ・フランコ)はアルツハイマーの新薬を開発する。
アルツハイマーが進んでいた自身の父の為に開発を急ぐウィル。
そんな中、新薬を投与し実験用に観察していた一匹のチンパンジーに驚くべき知能が示された。
そのチンパンジーの子供のシーザーを自宅で育てることとなるウィル。
シーザーにも母以上の知能が受け継がれて賢く成長していくが、やがて認知症の父が起こす事件がきっかけでシーザーは自宅の隣のオヤジに傷を負わせてしまい、猿の収容施設におくられてしまう。
信頼していたウィルはいつまで経っても助けてくれず、収容所での人間の暴力に怒り、収監された他の虐げられる猿の仲間に友情を感じ、やがてリーダーとしての自覚が芽生え始め、猿たちを率いて猿の自由の為に立ち上っていくというもの。

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目の前の欲・・・研究者は父の命であり、製薬会社にとっては巨万の富・・・に目がくらみ、結果を考えず安易に進められる新薬の研究。
その結果、やがて人類が人類を滅ぼすこととなっていくんです。
1作目のテーラーが受けた衝撃は実は猿が悪いんじゃなくて人間が悪いのよってことですね。

シーザー以外の猿が知能を発達させいく過程が時間の都合上なのか早すぎたよとか、薬は猿には有効だけど人間には強烈な副作用があるとか、猿の反乱が順調すぎるなど都合良すぎで進むのでストーリーとしては特に新しいものも驚きもないです。

ラストもあらそこで終わるのね、ってエンドドールを迎えるんですが、一斉にどかっと席を立つ皆さんが出口を目指す途中にその後日談が直ぐ始まるのでちょっと我慢して座っていてください。
皆慌てて近くの席に座ったりしてましたよ。ウィルの隣のオヤジが再登場しますから。 ★★★☆

人類の驕りに警鐘を鳴らす作品となっています。
猿は全部CGで作られていて昔のように着ぐるみの中で汗をかく役者さんはいらなくなったとのこと。
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのゴラム役のアンディ・サーキスの演技が今回もCG加工されています。
時代は確実にアカデミー賞特殊メーキャップ賞からアカデミー賞視覚効果賞へと変わっています。

s_DP2011091504.jpg 監督;ルパート・ワイアット


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